DinoJr.が見出したストリーミングの
可能性。コロナ禍を経て、自身の心境
の変化を語る|BIG UP! Stars #39
コロナ禍で感じたやるせなさ、悲しさを
糧に生まれた「Hello Strange」
そしたら意外と反響もあって。普段通りに活動していたら中々届かなかった人たちにもアプローチできた手応えを感じました。ある意味、自分の活動を見直すきっかけにはなったかなと思います。SNSの使い方だったり、自分のことを知らない人に届けるためにはどうすればいいのかなど、改めて考えるようになりましたね。
ーなるほど。
中でも、カバーさせてもらったアーティストさんご本人が反応してくれることもあって。まさに今の時代ならではですよね。元々、コロナ禍が起きる前から、ライブ・メインでの活動に対する疑問もあって。昔は小さいライブハウスで徐々に知名度を高めていくっていうのが当たり前だったと思うんですけど、今はネットで注目を集めてから、満を持しての初ライブっていうパターンも珍しくないですよね。そういった今日的な構造の一端を垣間見れたような気もします。
ーこのような状況下において、ポジティブな発見もできたと。
はい。でも、もちろん最初はずっとモヤモヤしていました。というのも、このパンデミックって、ある日突然起こったわけではなく、緩やかに、徐々に影響が出始めましたよね。現実は予告もなしにこんなにも変わるのかって感じで、中々受け入れることができなった記憶があります。でも、現実的にはライブもなくなって、外出も自粛せざるを得ない状況になった。すごく不透明でわからないことばかりの中で、音楽シーンは世の中のガス抜きじゃないけど、槍玉に挙げられたような気がしましたし。
ー科学的にもまだ解明 されていないことが多いし、 国からの発表も曖昧 。それ ぞれの意識にも 大きな ズレ があり、世の中的にすごく嫌な空気が流れていましたよね。
3月頭に僕、BREIMEN、Kroiの3マン・ツアーがあったんですけど、開催の判断がすごく難しいタイミングで。色々な準備もしていたので、僕らは決行という判断を選択したんですけど、やはり批判の声もあって。メンバーも傷ついていました。周りのミュージシャンとも「これからどうしていこうか」っていう話をよくしていましたし、みんな不安を抱えていましたね。
特に僕が仲良くしているミュージシャンって、セッションや色々なアーティストのライブ・サポート、あとはレッスンなどで生計を立てている人が多くて。経済的なダメージも大きいと思います。
ー7月にリリースされた「Hello Strange」は、まさしく今おっしゃっていたようなことがリリックとなった曲ですよね。昨今の新 型コロナウイルスによって社会 での 居場所“を失ってしまったミュージシャンを”Strange=変わり者”と例え、それでも臆さず表現を続けていくという。
東京都に緊急事態宣言が発令されていた時、無観客配信などで関係者がライブハウスに行っていただけで「自粛してください」という張り紙が張られるっていう出来事を目にした時、怒りもあるんですけど、それと同時にすごく悲しい気持ちになって。もちろんミュージシャン、音楽関係者も最大限注意を払わなければいけないとは思うのですが、あまりにも世間の理解のなさに、やるせなさを感じました。