L→R むぎ(猫)、つじあやの photo by 飯島春子

L→R むぎ(猫)、つじあやの photo by 飯島春子

【むぎ(猫)×つじあやの
インタビュー】
涙腺崩壊必至!
 最強ハートフルペアによる
珠玉のコラボ曲

子供から大人まで
誰が観ても面白いライヴにしたい

そういう意味では、大きな“別れ”を経験したことのある人全てにどハマりする曲ですよ!

むぎ
あとですね、レコーディングが終わってから気づいたんですけど、この曲に出てくるふたりって窓を境にして結局は会わないじゃないですか。だから、リモートで作業し合うっていうのは、この曲に合っているんじゃないかなって。この歌の中のいい要素になったと思いました。

確かに。関わる人たちの想いや、そこにまつわる状況まで、全てがいいかたちで注ぎ込まれた、本当に名曲だと思います。さて、せっかくの機会なので、お互いに訊いてみたいこと、伝えてみたいことがあればぜひ。

むぎ
もともとカイヌシが沖縄から上京して音大に通い始めて、それでホームシックになって飼い始めたのがむぎなんですけど、その大学の一学年上に奥 華子さんがいらしたんです。もしかして、つじさんとも交流があるんじゃないかなと。
つじ
おおーっ! 最近はちょっと会ってないけど、すごく仲良いですよ。当時は先輩後輩でお友達だったり?
むぎ
うん、カイヌシはね。で、カイヌシが住んでいたアパートに奥先輩と仲良しの先輩が住んでいたから、もしかしたらむぎも交流あったかもしれない。奥先輩は当時から活動していたから、カイヌシも大学時代に遊びでやっていたバンドで、奥先輩の曲をカバーしてたりしていたんですよ。“華 奥子”って名前で(笑)。
つじ
あははは!  じゃあ、私からも。レコーディングはいつも沖縄で?
むぎ
そうです。自宅に楽器部屋みたいなのがあって、ドラムとかマリンバとかグランドピアノが置いてあるんです。そこでカイヌシと共同作業で音をチマチマと入れていますね。一応、窓も二重窓にしているんですよ。
つじ
つまり、自宅スタジオみたいな? じゃあ、今回はリモートでしたけど、普段はおうちにみんな集まって?
むぎ
そうですね。カイヌシが弾けないもの…例えばエレキギターのソロとかはお友達に来てもらったりとか。ドンちゃんもね、今回はリモートでしたけど、本来であれば来てもらってやっています。だから、逆に言うとレコーディングの気持ちの切り替えをするのが結構大変ですね。いくらでもできるっちゃできるので。でも、ダラダラした気持ちでやるとダラダラした音が鳴るんですよ。
つじ
そうそう! 私も一時期は地元の京都でやっていたんで分かります。やっぱり切り替えて集中してやったほうがいいですよね。あと、ライヴをどうやっているのかっていうのは、同じアーティストとして気になっちゃう。
むぎ
“ライヴは大変だろうな”ってことですよね?(笑)
つじ
そうそう(笑)。
むぎ
むぎは特殊なノウハウを持っているんですよ。でも、やっぱり続けてやると息切れしちゃうので1時間くらいが限度ですね。ツアーで2時間やるとしたら必ず間に休憩を入れないといけない。
つじ
その休憩の時に流れる気の利いた映像もお客さんの楽しみなのでは?
むぎ
そうなんです。むぎは表情を作るのがね、難しかったりとかもするんで。お客さんは“表情あるよ”って言ってくれたりもするんですけど、そういう部分で観飽きないようにしなきゃいけないっていう意識が結構高いです。だから、ライヴ自体は…それこそ子供から大人まで、誰が観ても面白いものにしたいし、子供も安心して連れて来られるものにしたいっていうのは、いつも考えています。
つじ
小道具とかもいろいろあるんですか?
むぎ
あります。例えば「むぎラップ」っていうラップ曲は“カリカリをシナシナにしないためにラップしなきゃね”って言って歌い始めるから、サランラップとカリカリを使ったり。曲に入る時の前振りを大事にしているんで、小道具は曲の数だけあると言ってもいいくらいですね。なぜかって言うと、むぎ、ミュージカルがすごく好きで。つじさん、ミュージカル好きですか?
つじ
えっ! まぁ…むぎちゃんほどではないと思いますけど、普通に。
むぎ
そっかそっか。歌って一回聴くだけだと入ってこないことが多いんですけど、ミュージカルってストーリーがあって、“この人、今こんな気持ちですよ”っていうものを歌っているから一回で入ってくるんですよ。だから、むぎもショートミュージカルみたいなものをやりたいってことで、ライヴでも小芝居から入ることが結構あるんです。そういう“歌うエンターテインメント”っていうものは目指していますね。でも、つじさんはむぎと比べものにならないほどの場数を踏んできた方じゃないですか。今年ですよね? 20周年。
つじ
今、20周年中ですね。
むぎ
素晴らしいです! 20周年ってどんな気分なんですか?
つじ
そうですね…本音を言うと、あんまり歌にそこまで自信がなくて(苦笑)。
むぎ
ええええーっ! そうなんですか!?
つじ
歌手としてよりもシンガーソングライターとして曲を作ってきたから、20年も続けてこられたっていう感覚ですね。曲を自分で作って歌うこともあるし、他のアーティストさんに提供することもあるし、CMの曲を作ることもあるし。曲を作るのがすごく好きなんで、やっぱり曲ありきなのかな? “つじさんの歌が好きです”って言ってくださる方もいるからライヴもできているし。
むぎ
いやいや、つじさんの歌は素晴らしいですよ! つじさんの歌を好きなみんなを代表して言いますけど、ちゃんと伝わるというか、スッと入ってくるんです。もちろん曲も素晴らしいですけど、歌も素晴らしい!
つじ
ありがとうございます。もっと自信を持って頑張ります!(笑)

では、むぎさんもぜひ20周年を目指して!

むぎ
今、“20周年”という言葉を聞いて足が怯みました(笑)。もちろん、長く活動はしていきたいですけど、むぎってライヴの消費カロリーが結構高いんですよ。だから、体力は大事だと思っていて…何か長く続けられる秘訣あります?
つじ
私は本当に歌に自信がないところからスタートしたので、ヴォイストレーニングはずっと行っているんですけど、1時間行くと半分ストレッチなんですよね。まず身体をほぐす。
むぎ
へぇ~!
つじ
で、その先生がすごく相撲が好きで、四股エクササイズっていうのをやっていたんです。特に4月、5月は自粛で自宅にいることが多くて、太ったりもするじゃないですか。そうなるとどんどん身体も鈍るから、四股を踏むようなストレッチを教えてもらって。
むぎ
そういうエクササイズがあるんですね!?
つじ
お相撲さんがやるような型でのスクワットで、5分やるだけで汗をすごくかくんですよ。それを毎日するのが大事で。別にラジオ体操とかでもいいんですよ。やっぱり老いは避けられないんで、今から訓練していくためにも一日のうちに10分とか、必ず何かやるといいかもしれないですね。ほんとに一回のライヴが大変だと思うんで、体力補給大切です!
むぎ
なるほど。何か身体を動かすことですね。むぎ、天国に行く前は小さい猫で柔らかい体をしていたんですけど、天国から帰ってきたこの体は硬いんで頑張ります!

取材:清水素子

EP『窓辺の猫 e.p.』/むぎ(猫)2020年9月9日発売 SPEEDSTAR RECORDS
    • 【初回盤】(CD)
    • VICL-65414
    • ¥3,000(税抜)
    • ※特殊パッケージ仕様
    • 【通常盤】(CD)
    • VICL-65415
    • ¥1.600(税抜)
むぎ(猫) プロフィール

ムギ カッコ ネコ:1997年7月東京生まれ。02年沖縄に移り住み、09年1月に永眠。5年間の天国暮らしののち、14年3月にカイヌシのゆうさくちゃんによる手作りの新しい身体を手に入れ、再びこの世に舞い戻る。“天国帰りのネコ”として新しいニャン生(人生)を満喫し、ニンゲンのみなさんたちを楽しませるために歌い、踊り、楽器(主に木琴)を演奏する。17年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に“猫界初”となる出演を果たし、19年3月にアルバム『君に会いに』でメジャーデビュー。むぎ(猫) オフィシャルHP

つじあやの プロフィール

ツジアヤノ:1978年生、京都生まれ。高校でフォークソング部に入部しウクレレを始める。初期の吉田拓郎やスピッツなどの穏やかでのんびりした曲との出会いもあり、鴨川のほとりで友達を集めてのミニライヴや自身での作詞作曲活動をスタート。99年9月にミニアルバム『君への気持ち』でデビュー。スタジオジブリ映画『猫の恩返し』の主題歌「風になる」のヒットなどで知られる。2017年に一児の母となり、子供を見つめる視点からの創作へとさらにその作品の幅を広げている。つじあやの オフィシャルHP

「窓辺の猫 feat. つじあやの」MV

『窓辺の猫 e.p』
トレイラー映像

「窓辺の猫 feat. つじあやの」
ティザー映像

OKMusic編集部

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