混戦のRIZINバンタム級 第3代王者挑
戦を巡る戦いがスタート!

扇久保博正と朝倉海によるバンタム級(61.0㎏)タイトルマッチが行われる8・10『RIZIN.23 - CALLING OVER -』。勝者が第3代王者となるが、新王者は欠場中の堀口恭司(初代王者)との対戦が不可避であり、同階級はRIZINにおけるメインストリームとなっている。8月9日・10日にぴあアリーナMMで開催されるRIZIN2連戦でもタイトルマッチだけでなくバンタム級の好カードが実施される。
王者離脱、新王者決定戦で混沌のバンタム級
19年7月、1年前の時点では堀口恭司がRIZINと米団体Bellatorの2冠王者に君臨。エース・堀口を石渡伸太郎・佐々木憂流迦・元谷友貴・扇久保博正の“バンタム級四天王”が追う図式が構築された。『RIZIN.17』(19年7月28日)では四天王同士の対戦が実現。石渡が佐々木、扇久保が元谷をそれぞれ熱戦の末に下し、勝った石渡と扇久保が対戦、その勝者が王者・堀口へ挑むという未来図が描かれた。
しかし翌8月、そんな図式を一変する事件が起こる。日米二冠王・堀口の凱旋試合として行われた『RIZIN.18』(19年8月18日)のメインイベントで、朝倉海が堀口を初回KOで撃破。当初、四天王に次ぐ選手と思われていた朝倉だが、一気のジャンプアップに成功する。
続いて『RIZIN.19』(19年10月12日)に連続出場した朝倉は今度は佐々木憂流迦を初回TKO。まぐれではない確たる強さを証明し、堀口が持つ王座への挑戦権を揺るぎないものとした。
だが堀口が負傷により出場不可となったことで朝倉とのタイトルマッチは消滅。代わりに朝倉vsマネル・ケイプの王者決定戦となり、ケイプが王座を戴冠。しかしケイプがUFCと契約を交わしRIZIN離脱となったことからRIZINバンタム級は混沌を迎える。
結果、大晦日に石渡を降し王座挑戦権を手にしていた扇久保、ケイプと王座を争った朝倉による王者決定戦に落ち着いたが、堀口も復帰を控えており、どちらが新王者となっても混迷が今後も続くのは間違いない。
元谷復権へ、魚井フルスイングと激突
DEEP2階級王者として四天王に名を連ねた元谷だが、扇久保に判定1-2で惜敗。昨年大晦日にはRIZIN✕Bellator対抗戦に副将として臨んだが、パトリック・ミックスにフロントチョークで一本負けと、現在は後退を余儀なくされている。だが打撃・寝技ともに優れるオールラウンダーとして、今年3月にはDEEPで実力者・大塚隆史を撃破。連敗のみそぎは済ましている。
そんな元谷が今回迎えるは魚井フルスイング。その名の通りフルスイングする豪快なフックを得意とし、RIZINデビューとなった昨年6月の『RIZIN.16』ではハワイの激闘男カナ・ハヤットを打撃戦の末に3R TKOした。
元谷にとっては上位陣に踏み止まるため不可欠な1勝であり、逆に魚井が下剋上を成せばRIZINでの道が大きく開ける。総合力に長ける元谷が実力のまま抑えるか、あるいは魚井が波乱の拳を見舞うのか。
8・10『RIZIN.23 - CALLING OVER -』
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)※肘あり
元谷友貴(フリー)
vs
魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
天才・井上直樹vs親子鷹・渡部修斗
混戦のRIZINバンタム級に注目のニューカマーとなるのが渡部修斗。リングネームではなく「修斗」を本名とする渡部は修斗初代ウェルター級チャンピオン・渡部優一を父に持つサラブレッド。柔道とレスリングを学んだ渡部は大学に入り一時レスリングから遠ざかったが、ファンであった魔裟斗の引退試合を観戦し、総合格闘技の道へと進む。
そして12年にプロデビューすると18年にFighting NEXUSでトーナメントを勝ち抜き初代バンタム級王者に。得意技は「マジカルチョーク」と言われるバックチョーク。相手が警戒してもバックを奪い、取り切ってしまうことからこの名がついた。
対するは今年2月、一足先にRIZINデビューを果たした井上直樹。幼少から格闘技を学んだ井上は姉でUFCファイターの魅津希とともに、キックボクシングやシュートボクシング、ブラジリアン柔術と様々な大会で活躍。天才姉弟として名を馳せる。15年2月にDEEPでデビューするとそこから10連勝し、17年4月に日本人最年少となる19歳でUFCと契約を果たす。UFCは1勝1敗となったところでフライ級が停止となったこともあり離脱し、19年12月、再びDEEPへ。ここではベテラン強豪・北田俊亮をチョークで降して強さを見せ、今年2月にはトレント・ガーダムを判定で降しRIZINデビューを白星で飾った。
これまでの実績とセンスから四天王に次ぐポジションにあると見られる井上だが、かつて朝倉が堀口を撃破し一気に駆け上がったように、渡部も井上をマジカルチョークで切って落とせば、いきなりの飛び級が可能となる。戦う宿命に生まれた渡部が大舞台で輝くか、あるいは井上がRIZIN進攻をさらに進めるのか。
8・9『RIZIN.22 - STARTING OVER -』
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)※肘あり
井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム柔術)
vs
渡部修斗(ストライプル新百合ヶ丘)
山本アーセン、覚醒の時来たるか
才能溢れるファイターが集まるRIZINバンタム級だが、母に山本美憂、そして山本“KID”徳郁が叔父と最高レベルの遺伝子を持ち、格闘一族・山本家で幼少から鍛えられてきたのが山本アーセン。ハンガリーに留学しレスング修行を積んで目指したリオ五輪出場こそ怪我で断念したが、15年末にRIZINでMMAデビュー。クロン・グレイシーと対戦し惜しくも敗れたが、デビュー戦らしからぬ勝負度胸とセンスで山本家らしい輝きを見せた。その後は才賀紀左衛門にこそ勝利したが(16年9月)、所英男(16年12月)、マネル・ケイプ(17年10月)、宮田和幸(18年12月)と敗れMMAの洗礼を浴びる。しかし19年6月の『RIZIN.16』でティム・エスクトゥルースにスタンドでのヒジからパウンドでKO勝ち、復活を果たした。
対する加藤ケンジはDEEP、修斗で戦績を積み、今年2月に地元の浜松大会でRIZINデビュー。金太郎とアグレッシブなファイトを繰り広げたが、最後はチョークで一本負けを喫している。
まだ潜在能力を発揮し切れていない印象のアーセンだが、苦闘の末に昨年挙げた復活白星で覚醒を見せるか。格闘一族・山本家の一員として常に勝利を求められるが、RIZIN初白星を目指す加藤に敗れるなら上昇の芽を摘まれてしまう。デビューから5年を間近にMMAファイターとして化けなければならないアーセン。RIZIN再開の大会をその舞台とすることができるか。
8・9『RIZIN.22 - STARTING OVER -』
▼RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)※肘あり
山本アーセン (KRAZY BEE/SPIKE22)
vs
加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/3POUND)

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