武藤彩未

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【武藤彩未インタビュー】新曲『RF』
を配信リリース 自粛生活の中での音
楽への思いを語る

さくら学院」の初代生徒会長を務め、グループ卒業後はソロで活動している武藤彩未さんが、自身の誕生日である先月29日、新曲『RF』をデジタル配信でリリース。また6月10日には自身初となる無観客ライブを実施することも発表した。新型コロナウィルスの感染拡大の影響で活動自粛続きの中、新曲、そしてライブへの思いを聞いた。

--武藤さんは、松田聖子さんをはじめ80年代音楽が大好きと、前回のインタビューでも語ってくれましたが、今回の新曲も80’s ミュージックのようなレトロさと、いまどきのポップさを兼ね備えた楽曲になっていますね。
「はい。ポップでさわやかな感じで、これからの季節にぴったりな楽曲になっています。Dメロが特に80年代を思い出させるメロディになっていて気に入っています」
--間奏の音や、言葉の選び方など、ちょいちょい80年代っぽい匂いを感じる部分がやはりあります。
「特に詞については、意識してというより、80’s ミュージックをずっと聴いてきているので、自然に寄ってしまっているかもしれません(笑)」
--今回は作詞も……?
「はい。今回も作詞に参加させていただいて、自分の言葉をベースに作らせていただきました」
--改めて、どんな内容になっていますか?
「恋しているときのドキドキした楽しい気持ちを描いていて、そんなワクワク感を爽快なメロディに合わせて聴いてもらえると思います。いろんな人に共感してもらえるような、一度は味わったことのある気持ちなんじゃないかなと思います」
--以前、詞を作るときには経験談というより、読んだ本などを参考にすることが多いと聞きましたが……。
「作詞はそういう形が多いんですけど、でも今回は自分の経験した気持ちも含まれています」
--この曲はもともとライブで初披露の予定だったんですよね、
「はい。3月20日の日本橋三井ホールのライブで発表する予定にしていたんですけど、延期〜中止なってしまったので、配信という形で発表させてもらいました。でも、より多くの人に届けられる形になったのかなと思います。また自分の誕生日にリリースできたのが嬉しかったです」
--タイトルの『RF』の意味って?
「歌詞の中に“REFRAIN”という言葉があって、みなさんにとって繰り返し聴いてもらえるような歌になればいいなと思って、このタイトルにしました」
--“何度も繰り返して聴いてもらいたい”というのは武藤さんの曲の狙いのひとつという話もしてもらいましたね。だから一曲一曲の時間もそんなに長くならないようにと。
「そうですね。いかにシンプルにきれいにまとめるかというのは心掛けています。80年代の楽曲というのは音数も少なく、短いなかできれいにまとまっていて、物語になっているのが魅力だと思っていて。そういうことも意識して作っています」
■24歳にして料理に挑戦 アニメにも目覚める!?
--ところで新型コロナウィルスの感染拡大の影響による外出自粛生活が長くなる中ですが、お家では歌っているんですか?
「歌ってはいるんですけど、やっぱりマイクを通して歌うのとはまったく違うので、本当に歌いたいなという気持ちが強くなってきています。今はまたライブをやれる日を楽しみに、勉強の時間というか、自分を成長させる時間にできたらなと思います」
--たとえば、コンディションをキープするための発声など以外で、勉強のためにやっていることって?
「YouTubeでいろんなアーティストの方がライブのプレミア配信をやってらっしゃいますが、それを見たり、あとは歌詞を書いたり……」
--たとえばどんなアーティストのライブを?
「この間はMr.Childrenさんのライブを観たり、テレビになりますが『玉置浩二ショー』(NHK BSプレミアム)を観ていました」
--特に玉置さんは80年代から活躍されている人だから、琴線に触れるものがあったのかも。
「玉置さんの歌は本当に魂に響き、またゲストのミュージシャンの方の歌も素晴らしくて、観ていてさらにライブがしたくなりました。でもお風呂で歌って我慢しました(笑)。刺激をもらうと、私もやりたいとなってしまうほうなので」
--一方音楽以外で、今までやってこなかったような趣味を始めたり……ということも?
「今まで得意じゃないので避けていたお料理をやっています。あとはアニメや漫画を見るようになりました。今まであまり見なかったんですけど、すごく楽しくて」
--特にどんな作品が印象に残りました?
「やっぱり『鬼滅の刃』がよかったです」
--同年代の女性タレントで、この機会にアニメを全部観たり、漫画を全部読んだり、という人も多いですよね。
「私もこれをきっかけに初めてコンビニで少年ジャンプを買いました(笑)。また主題歌もアニメの世界観をさらに盛り上げていて、その歌が一緒に物語を作っている気がして素敵だなと思って……。アニメの主題歌を歌ってみたいなという、新たな目標もできました」
--武藤さんの声質やキャラクター的にアニメの主題歌って合いそうですね。
■「今の状況をマイナスには考えていない 今だからできることもある」
--さてライブをやりたいという気持ちが高まってきたというお話もありましたが、6月10日には無観客ライブを行うことが決定したようですね、
「はい。久しぶりのライブになるので楽しみです」
--こういう形のライブというのは初めて?
「はい。生でライブ配信ということはしたことがなく、自分にとっても新たな試みではあるので、どうなるかなと楽しみです」
--昨年海外留学から帰国後、ライブハウスを押さえることから全て自分でやってライブを開催していたという武藤さんなので、ライブのありがたみは人一倍実感していたと思いますが、改めて今それが身にしみているかもしれません。
「こういう状況だからわかったこともあったし、久々にできるこのライブは大きなものとわかっているので、今はそれを楽しみに、やれることをやりたいなと思います」
--6月のライブでやりたいこと、アピールしたいことはありますか?
「今回はアコースティックギターとパーカッションと私による3人編成で、アコースティックアレンジで歌うので、今まで以上に大人っぽく見せられるかなと、そのための雰囲気づくりも考えています。歌い方も大人っぽさを意識したいなと思います。今回24歳になって初めて歌を届けるので、新たな面を見せられたらなと思います」
--以前の武藤さんのライブ映像を観させてもらうと、ミニスカートで跳ねるように歌い踊っていたり……。
「そうですね。でも今回はシンガーとして認めてもらえるようなライブにしていきたいです」
--それこそ『玉置浩二ショー』にも通じるような。
「まだまだ遠く及ばないですけど、それくらいの意識、気持ちで歌えたらと思います。離れているからこそ、いつもより大きく感情を出さないと伝わらないなとも思ったり、映像を通してでも玉置浩二さんくらい届けられるようになりたいです」
--新型コロナウィルスの収束は、5月半ばの今も見通しが立っていませんが、自粛が徐々に解除されていっても、“3密”の温床といわれるライブは再開の順番が最後のほうになりそうです。そんな世の中で、どんなふうに音楽活動をやっていきたいと考えていますか?
「今回実施する無観客ライブも一つとしてありますし、配信ダウンロードで楽曲を届けつつ、新しいアルバムを作りたいなと考えています。ライブをできないからといって下を向くというよりは、今何ができるかということを考えて、私なりにどんどん発信できたらと思います。新曲はもちろん、YouTubeでカバー楽曲なども届けられたら」
--特に若い女性アーティストの場合、CDを作ってそれを売るためにリリースイベントをたくさんやって……というビジネスの流れができていましたが、イベントがなかなかできないとなると、それこそ80年代の聖子さんたちの時代のように、本当に歌手としての力や楽曲の魅力があるアーティストでないと、売上につながっていかなくなるのかもしれませんね。
「私もそうなれるように頑張ります! 歌の力だけでどんどん人気が広がっていくような人になれるように。今の状況を私はマイナスには考えていないので、今だからできることもあると思うので、今はとにかくいい音楽を作っていきたいです。その方法をスタッフさんたちと相談しています」
--まだ発表されていない、いろんなプランもある?
「はい。こういう状況だからこそ、私は微力ですが、みなさんの力になったらいいなと思います。だからいろんな形で歌を届けられるように頑張ります、楽しみにしてください!」
撮影/武藤彩未
武藤彩未(むとう あやみ)
1996年4月29日生まれ、茨城県出身。幼少期からキッズモデルとして活躍。2010年からは女子小・中学生によるユニット「さくら学院」の初代生徒会長(リーダー)として活動。卒業後はソロ活動を行い、ライブやCDリリースを行ってきたが、2015年末で芸能活動を休止。海外留学へ。昨年末に活動を再開。昨12月にライブを開催するとともに、5年ぶりの新曲『雨音』をリリースした。

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