「観る」だけじゃなく「参加」して楽
しもう! “ステイホーム”を楽しく
するダンス&合奏&クラフトを紹介

今年のゴールデンウィークは「ステイホーム週間」。いつもなら、「一日中家でゴロゴロしていられる!」と家籠りのために大量の食糧やDVDを借りていそいそと帰宅する連休前夜、心躍る連休のはずが、なぜだか今は違った景色に見えますよね。
緊急事態宣言が出されて早1ヶ月、外出自粛生活に向けて様々なアーティストや劇団・劇場、オーケストラなどが、「おうち時間を楽しめるように」と過去公演映像公開やライブ配信など様々なコンテンツを提供してくれています。海外のバレエ団や劇場も作品を公開し、(字幕がないので理解度はさておき)以前よりもたくさんの作品に出会えるようになった気さえしています。みなさんはどうですか? SPICEでは、こうした自宅で楽しめる舞台作品コンテンツを「テレシアター」として紹介していますが、今回ここでご紹介するのは、「観る」楽しみから一歩踏み込んで「参加する」楽しみ。お子さんも一緒に楽しめるようなコンテンツもご紹介します。ステイホーム週間は、”体験”を楽しんでみては?
なお、ここで掲載する一部コンテンツは、「#テレシアター」でツイッターに情報を寄せてくださったものからご紹介しています。情報をご提供くださった方々、ありがとうございました。
■ブロードウェイ・ミュージカル『アラジン』ダンスレッスン
"Arabian Nights" Dance Tutorial - ALADDIN on Broadway
YouTubeチャンネル「Disney On Broadway」では、ミュージカル『アラジン』より「アラビアン・ナイト」の振付の一部を紹介。実際に舞台に立つダンサーが、ステップからゆっくりかつ丁寧に教えてくれているので、初心者でも、英語がわからなくても大丈夫(のはず)。「アラビアン・ナイト」の音楽に合わせて踊れば、ブロードウェイ・ショーの中にいるようなハッピーな気分が味わえます。ちなみにこの動画、「12歳以下のお子さんは大人と一緒に、18歳以下のお子さんは保護者の許可を取ってから練習をしてくださいね」との注記があるので、動画下部に記載された詳細を読んでからレッスンしてみてください!
ミュージカル『アラジン』は日本でも劇団四季にて上演されています。「あれ?この曲!」とクスっと笑えるジーニーの「フレンド・ライク・ミー」や「ホール・ニュー・ワールド」といった定番曲のほか、舞台版にはアニメーションにはない新曲も追加されています。2019年に実写映画版で追加されたジャスミンが歌う「スピーチレス~心の声」も話題になりましたね。実写映画版は、新曲に代表されるジャスミンの描かれ方が新しい、という声も多く聞こえてきます。ステイホーム週間にアニメーション、実写映画、そしてダンス!と、『アラジン』の世界に浸ってみるのもいいかも。
YouTubeチャンネル「Disney On Broadway」ではこのほかにも今秋から劇団四季にて上演が予定されている『アナと雪の女王』や『ライオンキング』などブロードウェイ・ミュージカルのトレーラーが配信されているので、一部分だけでも観てショーの雰囲気を楽しんでくださいね。
■オープン・カンパニー・クラス with ジジ・ストラレン(マシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズ)
ジジ・ストラレンが出演したマシュー・ボーンの「ザ・カーマン」日本公開 予告編
2020年4月29日(水・祝)10:00(現地時間/日本時間:同日18:00)からマシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズ​インスタライブで配信されるのが、オープン・カンパニー・クラス with ジジ・ストラレン。ジジ・ストラレンは2015年に名作オペラ『カルメン』を元にしたマシュー・ボーンの作品『ザ・カーマン』に出演し、翌2016年の「英国ナショナル・ダンス賞」優秀女性パフォーマンス賞(モダン部門)を受賞。また、2019年10月からウエスト・エンドで始まったミュージカル『メリー・ポピンズ』(リバイバル)で主演を務めるほか、映画『CATS』(2019)にもタントミール役で出演しています。こちらのクラスは、「プロフェッショナルや現在トレーニング中の方向け」となっており、「参加する前に、カンパニーの”健康と安全に関する注意”を必ずお読みください」とされていますので、クラスをのぞいてみようかな、という方は事前にカンパニーが提示する”オンラインアクティビティに関する注意事項”を読んでおいてくださいね(インスタグラムのリンクから確認できます)。
マシュー・ボーンの作品は日本でも人気。今年2020年6月には、アンデルセン童話をもとにしたマシュー・ボーンの『赤い靴』の上演が東急シアターオーブにて予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止が決定。涙を流したファンも多いのではないでしょうか。せっかくなので、同じくアンデルセンの『赤い靴』をモチーフとしたバレエ映画『赤い靴』(1948)を楽しむもよし、マシュー・ボーン作品をDVDで楽しむもよし(マシュー・ボーンといえば男性白鳥を初めて観たときの衝撃が忘れられない!)、エクササイズと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
■『バレエホリデイ@home』より「おうちでエクササイズ」
2020年4月25日(土)~29日(水・祝)に行われている『バレエホリデイ@home』。「バレエと出会おう、バレエで遊ぼう!」というコンセプトで2017年に始まった『上野の森バレエホリデイ』史上初めてのオンライン開催となる本イベントには、開会前日の24日(金)~26日(日)までの3日間で10万人以上がサイトを訪れたといいます。ここで用意されている60以上のプログラムの中に、「おうちでエクササイズ!」として、バレエ・エクササイズやダンスのワークショップも公開されています。上野水香によるフロア・ストレッチやフロア・レッスン(センター)、沖香菜子の「やさしいバレエ・レッスン」、宮川新大の「毎日のミニ・レッスン」に加え、柄本弾の「腹筋チャレンジ!」も。「バーレッスンはともかくセンターは自宅でできるの?!」と思われている方、安心してください。上野のセンター・レッスンも含めてすべて自宅スペースでできるエクササイズになっています。
このほかにも、海外のバレエ団が自宅でできるエクササイズやワークショップを公開しています。例えば、ニューヨーク・シティ・バレエ団(NYCB​)では、「WEDNESDAY WITH WENDY」として水曜日にインスタライブでムーブメントクラスを実施。第一回は4月22日(水)(現地時間)に配信されており、現在はNYCBのインスタグラム内IGTVチャンネルでアーカイブを観ることができます。バーレッスンを60分間みっちり行っているので、最近動いてないな、という方は一度覗いてみてはいかがでしょうか。また、NYCBではZoomを使用したオンラインレッスンやワークショップなども開催されています。
■『佐渡&シエナと演奏しよう♪』(ワンポイント・レッスン動画)
アフリカン・シンフォニーサイト
クラシック音楽業界からは、世界的指揮者の佐渡裕が「全国の吹奏楽部のみなさん! 家で一緒に練習しよう!!」と呼びかけ『佐渡&シエナと演奏しよう♪』としてワンポイント・レッスン動画をmedici.tv JAPANにて公開。佐渡とシエナ・ウインド・オーケストラによるレッスン動画で、公開されている楽曲は、「アルメニアン・ダンス Part I」「エルザの大聖堂への入場 」「アフリカン・シンフォニー」「星条旗よ永遠なれ 」の4曲と、「マンボ No.5」”アーウッ!チャレンジ”。「マンボ No.5」は楽器を演奏しない人でもシエナの「マンボ No.5」に合わせて思いっきり「アーーーウッ!」と叫べる! というコンテンツ。
そのほか、星野源の「#うちで踊ろう」に代表されるようなコラボ取り組みがクラシックでも続々登場。
サックスの上野耕平は自身のインスタグラムにて【みんなで宝島を演奏しよう!】のコメントとともに「宝島」演奏動画をアップ。「コンサートや皆様との共演を含め、合奏の機会が失われている現状。少しでも合奏の楽しみを!ということで宝島を吹きました。ぜひこの動画を引用して、みんなの演奏を重ねたり、それぞれの楽しみ方でコラボしてみて下さい!」と呼びかけています。ハッシュタグは「#上野合奏団」。ちなみに上野は毎日21:00からYouTube公式チャンネルにて生配信を実施中。
また、YouTubeでかてぃんとしても活動するピアニスト角野隼斗も自身のツイッターに【僕とセッションしませんか?】として「#playwithcateen」ハッシュタグのプロジェクトを投稿。角野の場合は、自身の演奏動画をコラボ用にアップするのではなく、ハッシュタグをつけて動画を投稿すれば、角野がそれに合わせて演奏しますよ、という(!)試み。投稿された演奏が角野の”ちょいたし”で変わる様はさすが! この企画の一つとして同じくYouTuberとして活動するマッチョ系ピアニスト・フォルテとのコラボ動画もツイッターにて公開されています。
■「マイピアノ」&「おうち・こらぼ・らぼ」~クラフトワーク
「踊る」「演奏する」とご紹介して、最後は「作る」!
国内最大規模のピアノ・コンクールを主催するピティナ(全日本ピアノ指導者協会)では、「おうちであそぼう!」と題して自分だけの「マイピアノ」をつくれるオリジナルのピアノぬりえや立体ペーパークラフト素材を公開。4月6日(月)より公開されているピティナの特設サイト「今、わたしたちにできることStay at Home, Keep on Music」よりダウンロードできます。「#マイピアノ作品展」としてツイッターでいろいろな方のつくった「理想のピアノ」作品を見ることができますよ。
また、水戸芸術館が4月21日(火)より公開している「おうちで楽しむ水戸芸術館」でも、「おうち・こらぼ・らぼ」と題してタワー塗り絵や「ゆうくんとマットさんのおはなしキャリーボックス」塗り絵などのクラフトを公開しています。ダウンロードできるコンテンツは、今後も増えていくそうです。
なお、ピティナでは4月23日(木)に”ゴールデンウィーク特集”として「子どもと一緒に楽しめる」をテーマにオーケストラや音楽ホールが公開しているコンテンツを紹介する特集記事を公開、水戸芸術館でもクラフトのほか「水戸芸術館サウンド・ライブラリー」として定期演奏会の抜粋動画などの配信をしているので、クラシックファンはチェックしてみてくださいね。

今回は、「観る」だけではなく自分も一緒に「動いて楽しむ」参加型コンテンツを紹介しました。みなさんぜひ、ゴールデンウィークをおうちで楽しんでください!
文=yuka morioka

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