切ない名曲「弱虫モンブラン」が、多くの解釈を生む理由を考察

切ない名曲「弱虫モンブラン」が、多くの解釈を生む理由を考察

切ない名曲「弱虫モンブラン」が、多
くの解釈を生む理由を考察

投稿5ヵ月でミリオン達成!名実ともに大人気のボカロ曲「弱虫モンブラン」

▲【DECO*27】弱虫モンブラン【GUMI】
弱虫モンブラン 歌詞 「DECO*27 feat.marina,GUMI」
https://utaten.com/lyric/jb51101113
『弱虫モンブラン』は2010年4月15日に、ニコニコ動画に投稿されたボカロ楽曲です。
ボカロP「DECO*27」の初となるGUMIオリジナル楽曲でもあり、100万再生を達成した楽曲に与えられる『VOCALOID伝説入り』の称号も手にしています。
投稿から5カ月後にはミリオンも達成し、現在は2014年1月19日に公開されたYouTube版共に500万再生を超え、カラオケDAM&JOYSOUNDでも配信が行われているなど、名実ともに大人気のボカロ楽曲となっています。
そんな『弱虫モンブラン』ですが、実はその解釈において様々な議論が呼び起こされている楽曲であることをご存知でしょうか。
議論が起こる解釈とは、一体どのようなものでしょうか。
多くの解釈。聴く者の数だけ「答え」がある曲?
『弱虫モンブラン』は、バラードのボカロ楽曲です。聴いた人々からは「切ない」という感想が寄せられており、そのメロディー性に加え歌詞の内容をもって、多くの視聴者の胸を切なさでしめつけています。
さらにはMVの内容もかわいらしいイラストのアニメーションに対して、登場人物である女の子や男の子が無表情であるなど、どこか仄暗さも感じさせられるものとなっています。
ただの「切なさ」とは少し一線を引いた不穏な空気のバラード性が、多くの視聴者の興味を惹く理由となっているようです。
そんな『弱虫モンブラン』には多くの「解釈」が存在しています。
「失恋をした少女の曲」や「片思いの楽曲」、「死んでしまった大切な人を思い出す感情の歌」などと言った解釈もあれば、中には「中絶を歌った曲」といった解釈もあります。
その最大の要因としては、不可思議な歌詞でしょう。
不可思議な言葉並び
DECO*27と言えば、思春期の少年少女の等身大の心情、恋愛を歌う歌詞を多く作り出しているボカロPです。
『弱虫モンブラン』もそれに倣った作風の楽曲となっているようです。
「想い」や「愛」という歌詞の中の言葉はもちろんのこと、MVに出てきている男女が学生服を着ている部分からもこの楽曲が「思春期の少年少女」を主役に歌っている事は確かでしょう。
しかし、不可思議なのはその言葉並び。
「ありたっけの想いは これだけの言葉に」と、片思いが連想できそうな歌詞が出て来たかと思えば続く歌詞では「愛したけど重いわ それだけのことなの?」とまるで恋人から別れを切り出された後のような言葉が出てきたり、「「君が死ねばいいよ 今すぐに」」と驚くほどに物騒でどろどろとした想いが詰まっているような歌詞が飛び出してきたりと、その感情の揺れ幅は大きいです。
他にも「コントラクト会議」といった変わった比喩表現らしき言葉も見受けられ、この言葉がどのような意味を指しているのか、この楽曲を聴いた者達の間では討論が行われています。
「弱虫モンブラン」という楽曲タイトルそのものも、何かを比喩しているような表現の言葉並びで、この「弱虫」と「モンブラン」が一体何を現しているのか、様々な解釈が生まれています。

MV内の少年少女の流れる歌詞にあわせて見せる動きも特殊的で、特に空のお皿に少年少女がフォークを振り下ろすシーンなどは、それこそ何か特殊な意味があってもおかしくない言動でしょう。
明確な答えは出てはいませんが、あげられる解釈はどれもが正しい答えであるかのような説得力のあるものばかりとなっています。
さらに共通点として、どの説も「切なさ」という言葉から離れられない内容となっており、失恋も、片思いも、死んでしまった相手を思い出すことも、中絶という別れも、すべて「切なさ」からは離れる事のできない内容となっています。
どんな解釈もその根っこには「切なさ」を抱えている。
もしかしたら『弱虫モンブラン』は、どんな形の「切なさ」にも重なる事のできる、聴く者によって答えが変わるバラードソングなのかもしれません。
黎明期から変わらぬ人気と活動を続ける大人気ボカロP「DECO*27」
「DECO*27」は、2008年に活動を開始したボカロPです。
使用ボカロは初音ミク、巡音ルカ、メグッポイド。くわえ、1stアルバム『奏愛-soi-』にて鏡音リンも使用されています。
活動開始年である2008年はボカロ界でも「黎明期」と呼ばれる、ボカロが一つの音楽ジャンルとして盛り上がり始めて来た時代。
その中においてDECO*27は尋常ではないスピードでの投稿にくわえ、驚きのヒット曲を連発し続けるという成果を出し、大人気ボカロPにまで上り詰めました。
2010年には、レーベル「U/M/A/A」にてメジャーデビューをはたし、同年メジャー初アルバム『相愛性理論』をリリース。
続けて発売した2ndアルバム『愛迷エレジー』ではオリコンデイリーチャートで最高7位を、ウィークリーでは11位と、またまた驚きの結果をはたしています。
2020年現在もその活動の勢いはとどまることを知らず、2020年1月17日に公開された新曲『ポジティブ・パレード』は2週間足らずでJOYSOUNDにてカラオケ配信を開始したり、バーチャルタレントである『鈴代ここね』と『鈴代つきね』が結成したシンガーユニットの初となるオリジナル楽曲の制作を担当したりと、様々な活動を続けています。
ボカロ音楽が盛り上がり出した頃から、変わらぬ人気と活動を行い続けるボカロPです。
「弱虫モンブラン」のおすすめ歌ってみた動画を紹介!
▲【ななもり】弱虫モンブラン【歌ってみた】
ボカロファンの間で大人気の『弱虫モンブラン』となれば、当然歌い手の間でも多くの人気を呼んでいる楽曲でもあります。
多くの歌ってみた動画が、その公開当時から投稿され続けていますが、近年新たに、若手人気歌い手による歌ってみた動画がYouTubeあげられました。
それが歌い手「ななもり」による歌ってみたです。
歌い手「ななもり」は落ちついた芯のある「優しい歌声」に好評のある男性歌い手であり、大人気エンタメグループ「すとろべりーぷりんせす」通称「すとぷり」のメンバーの一人でもあります。
この歌ってみた動画でも「優しさ」は健在で、多くの視聴者から「落ち着く」「ホッとして涙が出る」といった感想がよせられています。
『弱虫モンブラン』が持つ切なさから出る涙を、ホッとあたたかく落ち着く涙に姿変える、ななもりの歌声に注目の歌ってみた動画です。
小説版、発売中! 公式が書く「弱虫モンブラン」の解釈
画像引用元 (Amazon)
『弱虫モンブラン』は、現在KADOKAWAにてノベライズ化がされています。
上下巻に2冊にわかれて発売が行われており、表紙絵は原曲MVの制作を行った「akka」が担当。
MV内の登場人物達が出てくるのはもちろんのこと、楽曲内だけでは謎だった「解釈」の部分にも一つの答えが導き出される形となっています。
もちろんこれはあくまで「一つ」の答えであり、『弱虫モンブラン』という楽曲が持つ、様々な切なさに沿う魅力が変わったわけではありません。
公式が書く『弱虫モンブラン』という楽曲の解釈に、ぜひ目を通してみてください。

TEXT 勝哉エイミカ

UtaTen

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