「三月春のパン(タシア)祭り」で初
の対バンが実現!ネット発を代表する
三パシ・Sou・ナナヲアカリ鼎談

2015年に活動開始し、「フェアリーテイル」(TVアニメ『亜人ちゃんは語りたい』ED)や「ピンクレモネード」(『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』OP)などの楽曲を手掛け、ヴォーカルみあが書き下ろす小説の世界観を、楽曲・イラスト・MVで表現する音楽ユニット、三月のパンタシア(通称・三パシ)。そのユニット名にちなんだ初の主催ライブ「三月春のパン(タシア)祭り」が、2020年3月29日(日)にKT Zepp Yokohamaにて開催される。ライブには、1月に「ミスターフィクサー」(『ID:INVADED』OP)をリリースしたSou、「ワンルームシュガーライフ」(『ハッピーシュガーライフ』OP)など手掛けるナナヲアカリがゲスト出演。今回は、ユニットのヴォーカル・みあと、ゲストSou・ナナヲの3人による鼎談(ていだん)が実現した。同じネット発の若手アーティストとして注目を集める彼らに、お互いの印象やライブのテーマなどについて話をうかがった。
三月のパンタシア
「ダメポップ」✕「ネガティブポップ」✕「ガールズブルー」!
“陰”な組み合わせでライブは“爆盛り上がる”こと必至!?
――今回は『三月春のパン(タシア)祭り』ということで、まず開催の経緯や、ゲストにSouさん・ナナヲアカリさんをオファーされた理由をうかがいたいなと。
みあ:はい、まず三月のパンタシアだから、毎年3月は何か特別なこと、ライブをやりたいって思いがずっと前からありました。今年ようやくそれが形にできるという中で、「3月と言えば……パン祭り?」かなと(笑)。それもスペシャルゲストをお呼びして、賑やかなことができたらと、私が個人的に以前からずっと聴いていたアーティストのSouさん、ナナヲアカリさんをお呼びすることになりました。お二人ともボーカロイド文化など背景にネットカルチャーがかなり色濃くあるアーティストなのかなと思っていて、私もすごく影響を受けている方々です。お互いに共通する部分があるお二人と一緒なら、何か面白いことがあるんじゃないかという期待も込めて、今回オファーをさせていただきました。
Sou: オファーを受けてびっくりしました。僕はオリジナル楽曲での活動というよりは、わりと「歌ってみた」でのカバー曲をメインで活動していて、活動拠点が別の場所だと思っていたので。誘ってもらったときはすごく嬉しかったですね。
みあ:Souさんについては、去年「愚者のパレード」を聴いて、好きになって。Souさんの名前はそれ以前からも知っていたんですが、それをきっかけに楽曲をたくさん聴くようになりました。どこかでご一緒できたらいいなという思いが出てきて、今回「チャンスだ!」と。
ナナヲ:ナナヲの方は、音楽界隈で表立ってはあまり友達がいなくって……クリエイターの方とかはいろいろいたりするんですけど。今回誘ってもらったとき、「ナナヲにもオファーがくるんだ!」と思いました。しかも三パシちゃんだ! と。またSou君にも声をかけているらしいと聞いて、「やったー、友達ができそうかもしれない!」っていう喜びがありました(笑)。ありがとうございます。
みあ:嬉しいです。ナナヲさんも、きっかけを覚えてないくらい、以前から楽曲を聴かせてもらっていて。「ダメだ」「頑張れない」みたいな作品性がすごく私も好きです。人となりについても、とっても気になっていたので、今回お声かけさせてもらって。私もそんなに友達がいないから(笑)、今年は「友達をたくさん作る」っていうのを三パシのみあとして目標にしていて。(声を小さくして)ちょっとこの2人は、どうにか友達になりたいと思っているんで……よろしくお願いします!
――どうにか友達に(笑)。Souさんも、人見知りだとおっしゃっていますもんね。
Sou:たまに会うぐらいの人は、少しはいるんですけど。友達って、また何か違うじゃないですか(笑)。友達ってなると結構、うーん……。(数えても)片手で終わっちゃった、みたいな。
――じゃあ今回のオファーとしては、「友達になりたかった人」……?
みあ:そうですね、裏側にはそういう邪(よこしま)な気持ちも……。
――邪ですか(笑)。逆にオファーをいただいたお二人の方は、三パシというアーティストや表現について、どういった印象をお持ちですか?
Sou:僕も去年の3月にオリジナル楽曲をリリースして、自分で曲を作っていまして。その挑戦の中で、周りにいるネットアーティストをチェックしていて、気になっていた方の一人でした。先日のワンマンライブに行ったときに初めてライブを観させてもらったんですが、みあさんも顔出しされていないのでどういう方か分かってなかったのですが、すごくキラキラしていました。
――そうですよね、キラキラしていますよね。
Sou:キラキラって言葉が一番合うのかなって思いますね。
みあ:すごい気持ち良くしてもらって……ありがとうございます(笑)。
ナナヲ:ナナヲは、ネット発の女性ヴォーカルとしてすごく近しいところにいるアーティストの方だなということは知っていて。MVも見ていましたし、先日のライブに行かせていただいたときに、ライブの形式とか、何か似ているなと感じました。もちろん楽曲の方向性や歌詞の世界観はぜんぜん違うんですけど。
――ナナヲさんは、「ダメでポップ」っていうところをテーマに推し出していますもんね。
ナナヲ:そう、ダメな人ですね(笑)。
みあ:ナナヲさんのワンマンに足を運ばせてもらったことがあって。全身で「ダメだけど、イクゾー!」みたいな……。
ナナヲ:振り切れてるんですよね(笑)。
みあ:それが、いちリスナーとして励まされると言うか。聴き手との距離が近いライブだなって感じて。そういう熱狂があるライブを、私もライブを作っていく中で目標の一つにしているので。「いいライブだなー」と思いながら観させていただきました。
ナナヲ:えへへ、ありがとうございます。
――今の三パシのテーマは、青春? なんでしょうか。
みあ:そうですね、今大きなテーマとしては「ガールズブルー」っていう、女の子の憂鬱や青春の青臭さみたいな、思春期の女の子の揺れている感じを、イラストや楽曲で表現して伝えていけたらいいなって思いがあって、やっています。
――Souさんは、今で言うとTVアニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』のOPも歌っていらっしゃいますが。
Sou:アニメ主題歌の「ミスターフィクサー」もそうなんですけど、自分の一貫したテーマみたいなものは無いと言うか。「歌ってみた」の文化って、自分で好きな曲を選んでどんどん歌うので、一つのテーマで曲を作っているのではなくて、いろんなところからその要素を持ってきているんですよ。そこが新しい感じがあるのかな、とは思います。
――Souさんの歌い方は、かっこいい感じですけれど、あんまり自分の歌に酔いしれているような感じともまた違うのかな、という印象があります。
Sou:そうですね、ちょっと"陰"のオーラが多めで歌っていますね。
みあ:私は勝手に「ネガティブポップ」って呼んでいるんですよ(笑)。私はそれがすごく好きで、いいなと思っていて。
――「ダメポップ」と、「ネガティブポップ」と、「ガールズブルー」……しかも2/3が顔出しNGっていう(笑)。そこをチョイスしたのがみあさんで、何だか面白いですね。
みあ:ライブ、爆盛り上がると思いますよ(笑)。
ナナヲアカリ
3者とも初スリーマン! それぞれの新しい活動にも注目!
みあ:あの、インタビューの途中なんですけれど、お二人にお願いしたいことがあって。この日限りの特別なステージとして、ナナヲさんとSouさんにも三月のパンタシアの歌を一緒に歌ってもらえると大変嬉しいんですけど。
Sou:僕、ぜひやりたいです。
ナナヲ:私もやりたい。
みあ:お、本当ですか! ありがとうございます!
Sou:折角3人で出るから、一緒にやる何かあればいいなと思っていたんで、めっちゃやりたいです。
みあ:うれしい! じゃあ、歌詞は私が振り分けておくので(笑)。
――すごいですね、この場で企画会議(笑)。
みあ:良かったです。これはどこかで言わなきゃって思って。インタビュー中に言うと、断れないかなと思って(笑)。
――なるほど! どんどん使ってってください、文字に残りますからね!
みあ:ライブの内容については、まだこれからも詰めて、いろいろ考えていこうとは思ってるんですけど、三パシは対バンをやること自体が初めてで。
――そうか、フェスとかは出られたりしていますけど……。
みあ:そうですね。なので、自分の中でも未知数なところは大きいんですけど。でもきっと楽しいお祭りとして、賑やかな日になったらいいなと思います。
――Souさんは「歌ってみた」の文化的に、何人かでライブをやる機会が結構多いですよね。
Sou:そうですね、でも出演者が多いんですよ。だから僕的には対バンってイメージはあまりなくて。一つのライブの中で、ちょいちょい出て歌うみたいな感じで。一度、仲のいいEve君とツーマンライブやったりしたことはあるんですけど、それ以来、結構久しぶりな感じです。3人で対バンって形も初めてなので、楽しみですね。
――ナナヲさんは、対バンの経験は?
ナナヲ:ナナヲは少し前まで、対バン企画・自主企画を2か月に1本ぐらい打っていました。ただ今回スリーマンっていうは多分初めてなので。しかもZepp横浜だから、これまでナナヲがやってきたどの対バンやワンマンライブよりも一番広いところで初めてやる企画なのかなと思っていて。ぜんぜんどうなるかわかんないんですけど、もう「三月春のパン(タシア)祭り、盛り上がってますかー」って言う自分が今、見えています。
――もう見えてる(笑)。
ナナヲ:絶対言わなきゃ、って(笑)。すごく楽しみですね、もう妄想が始まってる。
――Souさんも今後ライブが増えてくると思うんですが、どういうものを作っていきたいと思いますか? 今まではどちらかと言うと、ネット発信だった印象も強いですが。
Sou:そうですね、僕はライブよりも動画派なんですよね。でも動画では自分の思いなどは発信していなくて。逆にライブになると、会場内で実際に面と向かうわけじゃないですか。だからその空間でしか伝えられないようなことだったり、自分の思いを伝えたりとか、盛り上げたいっていうのがあって、ライブも増やしていけたらいいなと思っています。
――みあさんの方は、最近小説も書かれていて、特にここ2年ぐらいで表現の幅をぐっと広げられているような印象がすごくあります。
みあ:はい、2年くらい前から小説っていう形で文章を書き始めたり、今年はいっぱい歌詞も書いてみたりとかもしています。三月のパンタシアって、一応音楽ユニットなんですけど、私、みあがヴォーカルとして世界観をちゃんと伝えなきゃいけないと。その中でやっぱり、自分の言葉で伝えた方が、距離が近くて、一番早くて一番伝わりやすいんじゃないかなって思っていて。今年は文章を書いたり、より沢山チャレンジさせてもらえたらいいなあと思ってます。
――ナナヲさんは、FGO(『Fate/Grand Order』)の舞台にも出られていますよね。マシュキエリエライト役として。
ナナヲ:ああ! ありがとうございます! いーやー(笑)!
みあ:えーっ、びっくりした!! ゲームの舞台……しかもFGOで、舞台やっていたんですね。私もゲームをやっているので!!
ナナヲ:そうなんですよ。ちょっとやってしまいましたね(笑)。FGOに関しては本当にただのオタクだったので、舞台化すると聞いて軽率にオーディションに顔突っ込んだら、決まっちゃった、みたいな(笑)。
Sou:すごい……。
――あのマシュってキャラクターは、「ダメだー」とは言わないタイプの子じゃないですか。
ナナヲ:そうですね。役作り、難しかったです。「こいつぜんぜん弱音吐かないじゃん!」って思って(笑)。自分との差異を埋めるのが大変だった記憶があります。
――3者それぞれ、次のステップに向かっていると。新しいフィールドに一歩ずつ踏み出していっている3人が集まっているような印象もありますね。
Sou
3者ともネット発! 音楽を始めたきっかけにも意外な共通点が……?
――お三方とも、スタートがネット発じゃないですか。それでも、もう幼いときからネットを点けたらニコニコ動画がある、という世代で。ネット発信っていうのがもう新しいことではなくて、今のスタンダードになっているのかもしれないですけど。
Sou:そうですね。もう最初から、いろいろありましたね。
――YouTubeもツイキャスもあるし、発信しやすくはなっているとは思うんですけど。Souさんたちよりもっと若い10代の子とかも、発信したいという子たちが多分いると思うんですよ。そういう子たちへのアドバイスや、今の自分たちの環境などを話すんだったら、どういったものを伝えていくのか、ちょっと訊いてみたいなと。
みあ:アドバイスって言うほど、なんか……(笑)。ちょっと「ネット発」とは、1回話がズレちゃうんですけど、以前、YEN TOWN BAND(イェン・タウン・バンド)の、Zepp Tokyoのライブに行ったことがあって。『スワロウテイル』って90年代の映画に出てくる架空のバンドで、後から映画を見てファンになったんですけど、ライブももちろんやってないし、CDや映画の中でしか観ることができなくて。それが映画から20年経って、現実でライブをやることになって。「これ絶対行かなきゃ!」と。それも対バンで、映画『リリィシュシュのすべて』に出てくる架空のアーティストLily Chou-Chouも出ていたんですよ。
――岩井俊二監督祭りですね(笑)。
みあ:そうなんです。もう最高じゃん! って思って。それで私、画面越しに観ていたグリコ(キャスト・Chara)が本当に立ってる! って大感動して。ライブってそういう、「本当に実在するんだ!」みたいなことを体感できる場所なのかなって思います。私はネットを中心に主に活動を広げているので、もしかしたらお客さんにも、ライブを見て「あ、いたんだ! 実在したんだ!」みたいな衝撃があるかもしれない。「しかも、ライブの方がめちゃくちゃ楽しいじゃん!」「音楽を体感できるって、こういうことなんだ!」ということを、ライブでは実感してもらえたら嬉しいなあ、とか考えますね。
――なるほど、それはあるかもしれないですね。特に「三月のパンタシア」って、個人名ではなくユニット名ですから、どんなアーティストなんだろう? みたいなところで衝撃を受ける人もいるかもしれないですね。Souさんは、どうですか?
Sou:そうですね、僕もSouって個人名ではやってはいるんですけど、やっぱり同じように「現実に存在するのか?」みたいなところはあるので。そこの衝撃や感動を与えたいって思いはあるし。最近はインターネットの文化も表立ってはきているんですけど、僕自身は割とアンダーグラウンドなところにいたのは事実で。そういう水面下に隠れていた人も、Zeppってすごい規模の会場でライブして、現実の世界でもできるんだぞ、みたいな(笑)。そういったところは、何か見せていきたいですね。
――ナナヲさんは、バンド出身ですが……。
ナナヲ:私、大阪ではバンドを組んでいたんですけど、解散した後一人で曲を背負える自信がなかった時期があって。それでも、「あ、でも初音ミクとか、ボカロ好きだったな」と。一人になったんだったらニコニコ動画で歌いたいなって思って、東京に来て始めたのがきっかけですね。最初は独りよがりの楽曲が多かったけど、それを一緒に背負ってくれる人の母数がどんどん増えていったからこそ、ライブもすごく楽しく思えるようになったし、責任を持って歌っていきたいなって。三月のパンタシアみたいにユニットではないけれど、ナナヲアカリという一つのプロジェクト、チームだなと、最近思い始めています。もっと若い10代の子たちへアドバイスできるほど大それた人間ではないんですけど、1回やってみたらいいんじゃないかな? と。きっとSou君やみあちゃんも、やってみて、今ここにいると思うし。「動画の上げ方わかんないし、私の歌声、あんま良くないし」みたいに思っている時間があるなら、1曲でも投稿してみたら。バンドを一から集めなくても、インスト音源だって上がってる時代だから誰でも歌えるし、どんどん上げてみたらいいんじゃないかなぁって、今考えていて思いました。
――まずは、ちょっとやってみるのがいいんじゃないかな、と。それは確かに、そうかもしれないですね。皆さんそれぞれ、歌い始めたきっかけは何だったんですか?
みあ:音楽自体は、小っちゃいときからずっと聴いていたし、ライブも好きだったんですけど、あんまり自分が表現する側に立つとは思っていませんでした。2015年に初めて、YouTubeにオリジナル楽曲「day break」を投稿して活動をスタートしたんですけど、その時期、そこに至るまでめちゃくちゃ落ち込んでいて。何やってもうまくいかないし。そういうときにたまたま、「声質がいいよね」って言ってくれる人がいて、歌を聴いてもらう機会があり、「もし音楽が好きで、何かやってみたい気持ちがあるんだったら、一緒にやろう」って言ってもらって。本当にすごいご縁だなと思うんですけど、その人が、実際にいまのスタッフの一人ですね。そういう風に声を褒めてもらえて、自分でも求めてもらえる場所があるんだと純粋に嬉しくて。ぜんぜんできる自信も無かったけど、そうやって言ってくれる人が一人でもいるんだったら、まずはその人に恩を返すような気持ちで頑張ってみようって始めた感じですね。
Sou:僕は何かがきっかけで歌い始めたってことはあんまり無くて。僕が投稿を始めたのが中学2年くらいなんですけど、その頃からニコニコ動画は流行っていて。普段からちょくちょく見たりしていたんですよ。そのときに好きだったのが「歌ってみた」と、「ゲーム実況」の動画で。最初は僕、ゲーム実況者になりたいと思ってました。
――へーっ、意外!
Sou:でも、ぜんぜん機材とか動画編集とかわからなくて、辞めちゃったんですよ。動画編集って、パソコンのスペックとか必要じゃないですか。当時僕が使っていたパソコンでは無理で。「歌ってみた」ならできんのかな? みたいな感じでやったのが、きっかけですね。
――ゲーム実況を諦めていなかったら、歌ってなかったかもっていう(笑)。
Sou:そこで奇跡の選択をした感じはありました(笑)。でもその頃は別に、有名になりたいとか、CDを出したい、ライブしたいとか一切思ってなくて。人がオンラインゲームするみたいな感覚でやっていたんですよ。パソコンがあってゲームできるような環境だと、帰ってすぐパソコンを起動してゲームやったりするじゃないですか。そういう趣味の一つとして、たまたま「歌ってみた」が選ばれたっていう。
ナナヲ:めっちゃカッコイイじゃん!
――スタートはそういうところだったと。ナナヲさんの場合は?
ナナヲ:んー? なんだろうな。音楽はもちろん好きだったんですけど、バンドっていうものの存在を知ったのが、小学5、6年生ぐらいのときで。小学6年生のときにYUIさんが、赤のテレキャスターを弾いている「Rolling star」のMVが流れてきて。そのとき漫画『BLEACH』の信者だったので、「アニメのテーマ曲歌っている人、こんなカッコイイ女の人なんだ! これがやりたい!」と思って。そのとき習っていた習い事をぜんぶ辞めて、お母さんに「赤の、同じギター買って!」って言って、始めたんです。誕生日が近かったので買ってもらえて。それから後々バンドを組むんですが、解散してなかったら、もしかしたらまだ大阪にいたかもしれないです。
――そう考えると、ちょっと共通点ありますね。ゲーム実況を諦めーの……。
ナナヲ:バンド解散しーの(笑)。
Sou:共通点なのかな……?(笑)
――悩んで、人生の転機を迎えたと言うか。そこで選択しなかったら、今に至っていなかったっていうのが明確にある3人と言うか。そういうのが結実して、ここに3人そろっているのが、すごく面白いですね。
三月のパンタシア
ライブがきっかけでコラボも……? 楽曲制作についての話も訊いてみました
――今回集まったことがきっかけで、何かコラボが生まれる可能性は無きにしも非ず……?
みあ:面白そうですね……。
――それとはなしに、みんなそれぞれ目を見てないっていうのが(笑)。
一同:(笑)。
――まだね、そこまでね(笑)。
みあ:でも、ありがちな言葉ですけれど、化学反応みたいな? 起きるかもしれないし。コラボやってみたさは、私、ありますね。
Sou:そうですね、僕もやってみたいとは思います。
――ナナヲさんとSouさんはコラボ楽曲も出されてますもんね。
ナナヲ:あ、そう、2月5日にリリースの「チューリングラブ feat.Sou」(TVアニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた』ED)で、つい先日に対談もしました。
みあ:実はそのコラボされるっていうのを知る前に、今回のオファーをしていて。後からコラボするって聞いて、すごいご縁だなあと。
――そうなんですね! お二人は、コラボしてるときはどんな印象だったんですか?
ナナヲ:もう想像以上というか。これはナナヲからSou君にオファーさせていただいて。データ上のやりとりで、お会いしたのは先日が初めてだったんですけど。
――あ、そうなんだ!
ナナヲ:今回アニメのタイアップってこともあったからデュエットソングにしようってなったんですけど、データ上のやりとりで、(天を見て拍手しながら)「Sou君スゴイ!」って(笑)。やっぱり一人で歌うのと、デュエットソングってまたぜんぜん違うなぁって思っていて。本当にSou君に歌ってもらえて良かったなぁ、って心の底から思った作品になったので。それでまた、みあちゃんとSou君と、こんな近いときに、3月に一緒にライブができるっていうのは、すごい、神の思し召しかもしれないって思います。
Sou:僕もコラボするってなって、先にナナヲさんの歌が入った音源が送られてきて、僕が後から録るって形だったんですけど。自分で歌ったものを後で聴いてみて、やっぱりすごい、相性はいいなあと自分でも思っていて。今回のコラボをきっかけに、またこれからも何かやってみたいな、っていうのもありますね。
――データ上のやり取りで完成させていくっていう形なんですね。
ナナヲ:それが、ニコニコ動画っぽいなぁと。でもSou君、「歌ってみた」とかで結構コラボされるじゃないですか。そういうときも、(面と向かって)ドン! で録るんじゃなくて、データ上だったり?
Sou:そうですね、その場で一緒に録るっていうのは一回もしたこと無いですね。基本、どっちかが先に録ってみたいな感じが。歌った、ドンッ、って投げて、「これに合わせて録って」みたいな。
ナナヲ:ニコニコっぽい製作ですね。
――みあさんは、楽曲制作的には、データ上のやりとりだけということはありますか? イラストなども付けるわけですが……。
みあ:そうですね、最初のゼロのときに直接会って、「こういうのをやりたい、こういうのを作りたい、だからこういう感じでお願いします」みたいな話をして。イラストはわりとデータでやり取りをすることが多いんですけど、楽曲制作していく中では、最初に1回直接会ってお話しをして、そこから進めていくことが多いですね。

ライブのテーマは「元気いっぱい」!? 来場される方へ向けてのメッセージもいただきました!
――改めて今回、お話しして、どういうライブにしていきたいというものはありますか?
みあ:そうですね、うーん……元気いっぱい……「元気いっぱい」!
――ええっ、テーマが、ですか!?
みあ:そう、私も含めてみんな根明(ネアカ)ではない、と思うんですよね(笑)。人見知りを抱えているとか……それでも、ライブで歌うと「元気いっぱい」! 私のワンマンライブでも話していることですが、三月の輝きを届けられるライブにしたいと。それも今回は、3人みんなで一緒に届けられるお祭りにできたら、けっこう面白いんじゃないかと。輝きって、光には色が無いと思うんですが、今回の3人はそれぞれ3色が違うと思うので、それをお客さんにも感じてもらえるだろうし、私もどんな輝きになるのかなと改めて楽しみになりました。
――では、『三月春のパン(タシア)祭り』のテーマは、「元気いっぱい」……。
みあ:「元気いっぱい~三色の輝き~」で(笑)。
――「~」を付けて(笑)。お二方はどうですか、主催からテーマが明らかにされましたが……。
Sou:そう言われたら、やっぱり「元気いっぱい」になるしか……。
ナナヲ:「元気いっぱい」……すごい、ダメポップ、ネガティブポップって言われていたのに、「元気いっぱい」(笑)。
みあ:がんばりましょう!(笑)
ナナヲ:すごい……楽しそう。
――面白くなりそうですね(笑)。裏テーマとして、2020年のみあさんの、友達をいっぱいつくるっていうのも……。
みあ:ふふふ。「友達100人作れるかな」っていうのがテーマです。
ナナヲ:すごい!
――じゃあ、そのスタートラインをここで……みんなでご飯を食べに行くところから(笑)。今後のライブの内容もそうですし、コラボとか、もしかしたらここから生まれるご縁が増えていく可能性もあると思うので、それをすごく楽しみにしています。最後にお一人ずつ、この記事を見て、ライブに興味を持ってくれているそれぞれファンの方へ向けて、コメントいただければと思います。
Sou:そうですね、僕は「歌ってみた」出身で、ちょっとまた界隈が分かれているような気がしているんですけど、それを感じさせないような「何か」を来てくれる方には届けられたらなと思って、「元気いっぱい」に頑張りたいと思います(笑)。会場で盛り上がりましょう。
ナナヲ:多分、1組は知っているけど、あと2組は知らないな、っていう人も、もちろんたくさんいらっしゃると思うんですけど、この対バンを逃したら、もうこんなネット発の3組が集まることなんて無いんじゃないかなと。たくさん見れる欲張りな夜だと思うから、「ナナヲアカリ知らないし……」って人もいると思うんですけど、迷っているなら、来た方がいいんじゃないかな? って思います。「元気いっぱい」にがんばります(笑)。
みあ:三パシ主催のライブということで、お二方に来ていただいて。もしかしたら三パシ初めましての方もいるかもしれないし、そういった方にも、「三パシってこういうライブやるんだ」「みあってこういう人なんだ」みたいなことを、より知ってもらえたらいいなと思うし。あと最近は、「輝き」を自分のライブでのテーマにしていて、今回は「輝きがあふれる夜」ということで、三パシのワンマンでは見られないような、すごくいろんな色の輝きを感じてもらえる特別なお祭りになるんじゃないかなと思っています。まだチェックしてない方は、いろんなお友だちと一緒に来てもらえると楽しいライブだと思うので(笑)。お誘いあわせの上、遊びに来てもらえたら嬉しいです。三月の終わりの三連休の最後の日、三月を惜しむように、三月がずっと続けばいいみたいな気持ちで、楽しんでもらえたらいいなって思っています。
取材:加東 岳史・平原 学、構成:平原 学

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