L→R とだげんいちろう(Ba&Cho)、大武茜一郎(Vo&Gu)、カニユウヤ(Gu)

L→R とだげんいちろう(Ba&Cho)、大武茜一郎(Vo&Gu)、カニユウヤ(Gu)

【突然少年 インタビュー】
“辺りを見渡せば
きっと側に誰かいる”は
この先も突然少年を
つなぎ止める言葉

この数カ月は
何かが欠けた時間ではなく、
バンドにとって
大事な忘れちゃいけない時間

レコーディングで先輩ドラマーからアドバイスをもらうことはありましたか?

とだ
直接アドバイスはもらってないけど、ドラムを通して伝えてくれる感じがありました。楽器はコミュニケーションというか、会話で伝え切れないこととか、恥ずかしくて言えないピュアなことが分かる。「ギター」を録ってる時、マシータさんからピュアな気持ちがすごく伝わってきたんですよ。僕らより年齢も技術も大先輩だけど、ドラムに向き合う気持ちは僕らよりもずっと少年だった。遠慮がないというか、すごく純粋なビートで。僕らは23歳だけど、今のことって全然分かってないんですよね。でも、マシータさんは20代の自分のことを知ってるから伝えてきてくれたのかな。

「ギター」は純粋で猪突猛進な感じと、やけくそっぽいのがすごくいいし、危うさを秘めている気もしました。

とだ
あの時はマシータさんが全力で来てくれていることに対して、“僕はそれに対してちゃんと返せるだろうか”と悩みに悩みましたが、それが良い方向に録音にも入ったと思います。その危うい感じとか、前向きになり切れない感じが音になったのかな。この感覚は初めてだったから、忘れられないレコーディングでしたね。
大武
ドラマーが違うことでやっぱり一曲一曲の聴こえ方が違うんですけど、それがちゃんと突然少年になっていたので、そこに先輩ドラマーが注いでくれた愛情も感じました。

あと、「フロムアンダーグラウンド」でドラムを担当した岡山健二さんとは、大武さんが散歩友達という(笑)。

大武
西友で一緒にホットドッグ食べたり、行きつけの喫茶店に連れて行ってもらったり。いつもバンドの話は3割で、あとは恋バナをしています…(笑)。

デートじゃないですか(笑)。そんな仲の良い健二さんとのレコーディングはどうでした?

大武
マシータさんと川崎さんはすごくいい緊張感があったんですけど、どうしても健二さんには安心感がありました。そういう人の印象とか関係性って演奏にも関係するんだなって思いましたね。演奏してる時も心強いというか、井の頭公園のベンチで缶のお酒を片手に話しているような感覚。これも初めてのことだったので良い経験でしたね。

川﨑 昭さんとはどんなコミュニケーションがありました?

とだ
川崎さんは僕らが聴いてきた音楽を至近距離で理解してくれたような気がしていて、一緒にいる時の感覚がすごく良かったです。初めてのライヴのあとも“もう1回やりたいね”って話してくれたり、レコーディングの時もお互いの好きなバンドを出し合って“こんな感じにしたいね”って話したり。友達みたいに音楽のことを話しながら作れたと思います。

配信ではソロ曲も入っていますが、3人の頭の中を見ているような感じがしました。

とだ
3人になって僕らそれぞれが考えていることを凝縮しました。僕らだけでやれることでもあるし、この3人って何なんだろうっていうを楽しんでもらえたら嬉しいです。

話してもらったことを踏まえても、今回のタイトルは今の突然少年だからこその説得力がありますね。

とだ
このタイトルはレコーディング中に決まりました。3人とも自分のことしか考えられない状態から、自分は突然少年としてどんなことをやったらいいのか、どんな演奏をしたらいいのかっていうのを、各ドラマーと一緒にやることで見つめ直す機会になったんです。それまでは一緒にいてもバラバラになっちゃうんじゃないかと思ったけど、それをつなぎ止める言葉を考えた時に“辺りを見渡せばきっと側に誰かがいる”っていう言葉が出てきました。今もドラマーが決まっていない中で、突然少年をつなぎ止めるっていうのが大事だと思っていて。それは演奏だったり、言葉だったり、新曲だったり。今作のタイトルは今だけではなくて、この先も何かがあった時につなぎ止めるもののひとつになったらっていう想いがあります。
大武
うん。“突然少年ってどういうバンドなんだろう”って自分自身が考える時間がすごく増えた。その答えはこのタイトルもそうだし、突然少年の曲をいろんな人の力を借りてレコーディングしたり、メンバーの感覚を持ち寄ることで突然少年の曲ができていることが分かりました。1stアルバムのインタビューの時に“僕らが自慢できることって今まで出会った人たちのこと”って話したんですけど、改めてそれも突然少年を作るひとつの要素だと思うし。たくさん悩んで考えたけど、この数カ月は何かが欠けた時間ではなく、バンドにとって大事な忘れちゃいけない時間になったと思います。それを作品にできて良かったです。
とだ
僕らは本音で話せる唯一の手段が音楽なんです。だから、こうやって協力してくれる人たちに真摯に向き合いたいし、絶対に手を抜いちゃいけないと思いました。誰かを置き去りにもしたくないし、まだ僕たちのことを認めてもらえてない人もいて、この作品を出すけど何も終わってない。今はまだまだやることがたくさんあるっていう気持ちです。

取材:千々和香苗

ミニアルバム『辺りを見渡せばきっと側に誰かいる』2020年2月14日発売 Sony Music Entertainment
    • RED-014 ¥1,200(税抜)
    • ※配信およびライヴ会場限定リリース

ライヴ情報

『『辺りを見渡せばきっと側に誰かいる 』レコ発 突然少年企画(ワンマン)スタンディングスティックス-ヴァレンタイン劇場-』
2/14(金) 東京・新代田 FEVER

『僕らの夢や足は止まらないツア』
2/22(土) 徳島・club GRINDHOUSE
w)Hump Back

『彼岸 pre. DRESS DOWN』
2/23(日) 高知・BAY5 SQUARE
w)彼岸、愛ヲ菓子、THE BIG FAN LADY、HEADSETSHOP

『新春 of LIFE』
2/24(月) 高知・四万十SILVER
w)THE NOZI、WACK MAN、ダイゴandシコウ

『環七フィーバーズ Vol.2』
3/21(土) 東京・新代田FEVER
w)TENDOUJI、崎山蒼志、突然少年、ステレオガール、THE ティバ、MINOR THIRD(O.A.)

『SANUKI ROCK COLOSSEUM』
3/22(日) 香川・会場複数

『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2020 酔杯2 〜The Song of Apple ~』
6/11(木) 福岡・Zepp Fukuoka ※O.A.出演
w)ASIAN KUNG-FU GENERATION

突然少年 プロフィール

トツゼンショウネン:2012年に高校の軽音楽部で結成されたロックバンド。全国各地でアツいライヴを展開しながら、時にはマラソンに挑戦したり、米農家で田植え&稲刈りをするなど音楽以外の活動で身も心も鍛え続ける。『FUJI ROCK FESTIVAL』の新人登竜門ステージ『ROOKIE A GO-GO』で勝ち抜き、『FUJI ROCK FESTIVAL '19』のメインステージに出演。20年7月に岩本斗尉(Dr)の加入を発表した。突然少年 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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