後藤恭路、松田凌らが手に汗握る白熱
の試合を魅せる 舞台『はじめの一歩
』稽古場レポート

講談社『週刊少年マガジン』にて、1989年から連載中している森川ジョージ作のボクシング漫画『はじめの一歩』。2019年に連載30周年を迎えたこの作品は、同誌不動の看板作品と言われるほどのヒットを飛ばしている。現在は単行本126巻を超え、累計発行部数9600万部(2019年8月時点)という売り上げを誇っているほか、2000年にアニメ化された際も深夜帯の放送ながら驚異的な視聴率を叩き出し、6クール全75話の長期シリーズとなるなど、多くのファンに愛されている名作だ。
これまで3つの連続テレビシリーズとOVA作品が制作された本作が、2020年1月にはついに舞台化され、『リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!』として新しい歴史を刻む。開演まで間近に迫った先日、稽古場を取材した。その様子をお届けしよう。
左から 千堂武士役の松田凌、幕之内一歩役の後藤恭路

リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
<Story>
内気でいじめられっ子の幕之内一歩はひょんなことからボクシングに出会い、熱中していく。
「強いってどういうことだろう?」という素朴な疑問を抱えながら、持ち前の頑張りで過酷な練習に耐え抜き、強くなっていく一歩。ハードパンチを武器に、数多の強敵との死闘を勝ち抜き、チャンピオンを目指す!!
この日行われていたのは、主人公である幕之内一歩(後藤恭路)と、「浪速のロッキー」として知られる好敵手・千堂武士(松田凌)による試合シーンの稽古。
試合で行われる攻防を、一手ずつしっかりと確認していく。打ち合いのテンポはゆっくりでありながら、お互いに向ける眼差しは鋭く力強い。二人の試合を見守り、時にアドバイスや意見を出す他キャストたちの瞳も真剣そのもので、緊張感が高まっていく。
また、リアルな試合を見せるためには、打つ側だけではなく、打たれる側の演技も重要。繰り出されるパンチの重さ・鋭さに合わせた反応や表情にまで丁寧な指導が入っており、タイミングを合わせた打ち合いの様子には、本物の試合が目の前で行われているような錯覚を覚える。稽古が進むうちに息が合い、攻防のスピードも速くなっていくため、白熱した戦いに思わず息を呑んで見入ってしまった。
後藤恭路
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より

舞台である以上、迫力のあるシーンやドラマチックなカットを編集して観せることは不可能。ステージ上で行われる試合に全員が注目する、「本物のリング」に近い環境だ。その制約の中で、原作の魅力やボクシングの面白さを伝える苦労は想像に難くない。しかし、物語としての面白さ、キャラクターの個性や人間ドラマ、ボクシングというスポーツの迫力や美しさを全て実現するという難易度の高い作業に果敢に挑むキャスト・スタッフ陣からは、確かな情熱と説得力が感じられる。
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
松田凌
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
また、基礎を大切にする愚直で力強い一歩、冷静さと熱さを併せ持つ宮田一郎(滝澤諒)の才能を感じさせる戦い方、作中屈指の強さを誇る鷹村守(滝川広大)の自信に溢れた姿、「死神」の異名を持つ間柴了(岡本悠紀)の凶悪な佇まい、カリスマ性を感じさせる千堂の剛腕、ベテランらしい風格を漂わせる伊達英二(松本寛也)、スピードスターらしい俊敏さで相手を翻弄する冴木卓麻(山口大地)、優しい性格とは裏腹の獰猛な戦い方をするヴォルグ・ザンギエフ(才川コージ)……と、個性溢れる選手たちと、それぞれ異なるファイティングスタイルも本作の魅力だ。
休憩中にも各々が原作を読み込み、描かれている表情や細かな動き、台詞を確認しながら、それぞれのキャラクターらしいスタイルや空気感を作り上げている様子が印象的だった。
試合や練習、特訓以外のシーンにおいても、一歩を心配しながらも見守り支える母・寛子(久下恵美)のあたたかい眼差しや、ヒロインであり間柴の妹でもある久美(未来)との初々しく微笑ましいやり取り、かつては一歩をいじめていた梅沢(神坂優心)と一歩の友情、一歩たちを導くジム会長・鴨川(高木渉)の厳しくも優しい指導など、選手たちを取り巻く登場人物たちの物語が魅力的に描かれている。
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
多くの試合の見所が凝縮して描かれ、原作における名シーンや名台詞もふんだんに盛り込まれているこの舞台。息つく暇もなく物語に引き込まれるはずだ。その一方で、作中のムードメーカーともいえる青木勝(塩田康平)と木村達也(髙橋奎仁)の息の合った漫才のようなやりとり、鷹村による悪ふざけ、女性人気を誇るイケメンボクサー・速水龍一(橋本真一)と取り巻きたちのコミカルなシーンをはじめとする清涼剤のような場面も多くある。熱さと笑いのメリハリにおいても原作へのリスペクトが感じられると言えるだろう。
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!稽古場より

原作が持つ魅力を舞台ならではの方法で熱く楽しく魅せてくれる本作。『はじめの一歩』やボクシングのファンにとっても満足度の高い作品になるのではないだろうか。
本作は2020年1月31日(金)より2月9日(日)まで、品川プリンスホテル ステラボールにて上演される。
取材・文・撮影=吉田沙奈

ニコニコ生放送にて2月1日(土)夜公演の独占生中継が決定!
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!! の2月1日(土)18:00~の夜公演がニコニコ生放送にて配信されることが決定した。生中継では、舞台本番後の小山力也、喜安浩平、後藤恭路、滝川広大によるスペシャルトークショーの模様も配信される予定だという。配信URLは、下記、放送情報をチェックしてほしい。

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