首輪、タトゥー、マスク、医療フェチ
が熱い ファッションとアートが集う
『フェチフェス18』レポート

2020年1月19日、『フェチフェス18』が東京・日本橋の綿商会館にて開催された。熱気に包まれた会場の様子をレポートしよう。
フェチなファッションが集結する
D/3
毒×惑
フェチフェスでは、フェチな感性に火をつけるファッションが集結する。サイバーファッションブランドD/3は昨年、新ブランド「Δ-ASYL」が好評を博した。今年はD/3自体も新展開を計画中だ。“厨二病設定魔道具”をリーズナブルな価格で販売する毒✕惑では、ぽよるが「いろんな方におしゃれを楽しんでもらいたいです」と語る。
Liebe Seele
Liebe Seeleは高級素材の本格グッズを制作する。「違った愛の形もある」がコンセプトの首輪などは、カップルや夫婦のマンネリ解消にも役立つそうだ。メーカーの強みを活かし、今後はオーダーメイドも受け付けたいという。DR.FEELGOODは医療をテーマにした首輪やマスクなどを販売する。ファッション性を重視したアイテムは、フェチ入門者が気軽に身につけるのに最適だ。
個性豊かなフェチグッズが大好評
アーニトル
Kitanya Design Factory
SUNGUTS FACTORY
個性豊かなフェチグッズが多く、アーニトルブースでは、カニペンホルダーなどのかわいらしいアイテムが人気を集めていた。Kitanya Design Factoryの屏風つきミニフィギュアは、いろいろな屏風があるだけでなく、「干支シリーズ」以外も増える予定だという。SUNGUTS FACTORYブースには、「ぽっちゃりラバー娘」など、フェチフェス限定のフェティッシュソフビが並ぶ。
ドレス
かける堂
ドレスのビキニアーマーや装飾品は、素材が発泡ポリエチレンボードであるため、軽くて身につけやすく、価格も抑えられている。素材のユニークさでは、かける堂のお面も引けを取らない。“他のものになれる楽しみ”と“見る人をおもしろがらせる喜び”を紙で実現。「現地組立・現地解体」が可能なお面は長期保管を想定していないので、朽ち果てるまで楽しんでもらいたいという。
フェチなアートが見る者を魅了する
SWEETRUBBERBERRY(GENk)
フェチフェスはフェチなアートと出会える場だ。SWEETRUBBERBERRYのGENkは、オカルトやホラーと美を織り交ぜた独自の世界観を表現する。フェチフェスでは、画集やグッズの他、血やピアスなどのフェチ要素が魅力的な描き下ろし色紙も販売。GENkは「年内の個展に向けて活動しながら、海外展開も目指します」と意気込む。
雪駄
Haruka Takaoka(でび子)
雪駄は“和”や“クリーチャー”をテーマとするが、フェチフェスでは、フェチアパレル・缶バッジの「あんぐら」、初の女性モチーフとなるネオヤンキーTシャツ、他のアーティストとのコラボなど、新たな挑戦を披露した。Haruka Takaokaはデジタル画と水彩画で耽美を追及する。Haruka Takaokaの描いた女性をよく見ると、“綺麗なグロ”に気づくだろう。
フェチフェスで非日常を垣間見る
ケロッピー前田・身体改造
フェチフェスでは非日常を垣間見ることができる。身体改造ジャーナリスト・ケロッピー前田の右腕に見えるのはフィリピン・カリンガ族のタトゥーで、首狩りの成功を「ゴング(銅鑼)を鳴らしてお知らせする」ことを意味する。前田がゴングを打つと、首狩り族の村に喜びを伝える音が鳴り響いた。今年は『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)も刊行予定で、身体改造の最前線から目が離せない。
St.FeLair
St.FeLairはマスクに特化したオンラインショップだ。マスクをかぶる楽しさを広めるため、造形のおもしろいラバーマスクや純正のガスマスクなど、日本にはないビザールなデザインの商品を輸入販売する。ラバーフェチだけでなく、ミリタリーマニアにもファンが少なくない。
C-ROCK WORK
朝川総合病院
会場では医療フェチと遭遇する機会も多かった。写真を中心とした紙媒体作品集の制作するC-ROCK WORKは最近、医療系へ活動の幅を広げつつある。ゲノム分析の分野とコラボし、啓蒙の場として写真展を開催する構想もあるという。朝川総合病院は、メスや人工皮膚、血のりなどを使ってリアルな医療現場を再現しつつ、「あくまでもフェイク」というスタンスは崩さない。合法の範囲でさらに本物らしさを追及するため、「次回は精度を上げていきたいです」と語る。
“許し”の空間としてのフェチフェス
はちんこすろっと(ふあ×はち)
人が鍼に触れるきっかけ作りに勤しむ鍼灸アイドル(ハリドル)のふあ✕はちは、フェチ活動における健康の大切さを強調し、「自分の体に目を向けてほしいです」と訴える。はちはフェチフェスを「人が許し合っている場所」と表現したが、フェチフェスの魅力はまさにこの言葉に集約されている。誰がいても、何であっても、温かく受け入れる“許し”の空間がフェチフェスである。現代社会においてフェチフェスが果たす役割に今後も期待したい。

取材・文・写真=みみずく

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