Creepy Nuts「よふかしのうた」から溢れ出るラジオへの想い

Creepy Nuts「よふかしのうた」から溢れ出るラジオへの想い

Creepy Nuts「よふかしのうた」から
溢れ出るラジオへの想い

元々は「オードリーのオールナイトニッポン」のために書かれた曲
画像引用元 (Amazon)
Creepy Nutsの『よふかしのうた』は、2018年12月に配信限定シングルとしてリリースされました。
この曲は元々ラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」の10周年全国ツアー・公式テーマソングとして制作されました。
しかも、オードリー若林から直接オファーを受けて実現したコラボだったのです。
MVはオードリー春日が20年間住んでいたというむつみ荘というアパートで実際に撮影されており、オードリーの2人も出演しています。
この曲にはCreepy Nutsのラジオへの想いが溢れんばかりに詰め込まれているのです。
歌詞を見ていきましょう。
「よふかし」の魅力、「夜」への興味
よふかしのうた 歌詞 「CreepyNuts」
https://utaten.com/lyric/mi18120714
子供にとってよふかしというのはちょっとした冒険のようなもの。
クリスマスや大晦日など、特別な日に今日だけはいつもより遅く寝てもいいと言われた時に何とも言えないワクワクを感じた人もいるのではないでしょうか。
早く寝なさいと親に言われているのに布団の中で起きている背徳感。
ちょっとだけ大人になったような気分。
大人は夜遅くまで起きて何をしているのだろうという興味。
色々なものが子供にとってはすべて好奇心を刺激するものでしょう。
「夜」に対する興味がこの部分では描かれています。韻の踏み方も実に見事です。
よふかしのうた 歌詞 「CreepyNuts」
https://utaten.com/lyric/mi18120714
「お前」というのは夜のことでしょう。
特にその前の歌詞「12オクロック」にかけて12時、つまり日付をまたいだという意味。
夜12時を「お前」と擬人化するところがにくいセンスですね。
14歳ということは中学2年生、ちょっと背伸びして大人のふりをしたい時期なのでしょう。
思春期の人間にとって「夜」というのは抜け出せない底なし沼のようなものかもしれません。
自分を救ってくれたラジオへの「恩返し」

よふかしのうた 歌詞 「CreepyNuts」
https://utaten.com/lyric/mi18120714
ラジオやテレビの深夜番組というのは大人の遊び場です。子供が見てはいけないようなエッチなものもありました。
そしてラジオと言えば音楽です。
人によっては全く知らなかった音楽に出会い、人生が変わるほどの衝撃を受けることもあるでしょう。
もしかしたらCreepy NutsのDJ松永やR-指定もそうだったのかもしれません。
大人が寝静まってからがよふかしの本番です。
隠れていけないことをしてしまうこともあるかもしれません。
そんな誘惑も含め、若者には抗えない魅力なのでしょう。
よふかしのうた 歌詞 「CreepyNuts」
https://utaten.com/lyric/mi18120714
よふかしの結果集まった場所には、自分と同じような人間がたくさんいたということが歌われています。
「お前」というのはやはり「夜」のことでしょう。
「土曜日の溜まり場」というのは、土曜日に放送されている「オードリーのオールナイトニッポン」。
ラジオの深夜放送というのは様々な人が聞いています。
その中には学校などで居場所がなく孤独を感じている人もいるでしょう。
しかし、番組を聞いていると自分と同じような人間がリスナーに居て、メールを読まれていたりします。
クラスになじめない、社会に適合できないという悩みを抱えた仲間が自分の他にもいることを知り、彼らと繋がったような気持ちになれる。
そしてそのことに勇気をもらえるのです。
DJ松永は現在ラジオパーソナリティーとしても活躍しています。
その中で「オードリーのオールナイトニッポン」を聞いて救われたという話をしています。
自分は他人とコミュニケーションが取れないダメな人間だと思っていたのが、オードリーはそれをラジオで話すことで笑いに変えていたというのです。
自分のダメな部分を隠すことはないんだ、このままでいいんだと励まされたような気持ちになったのです。
そんな経験があるからこそ書ける歌詞なのでしょう。
彼らはラジオ番組の中で「壮大な伏線回収」と語っていました。
自分たちが若いころ聞いて救われた番組のために恩返しができたのです。
ミニアルバムは「ラジオ盤」?
Creepy Nuts「『よふかしのうた』は彼らのラジオ愛をストレートに表した曲です。
そしてこの曲を収録したミニアルバム「よふかしのうた」もラジオリスナーに向けた仕掛けがあるのです。
アルバムの通常盤は「ラジオ盤」と呼ばれ、曲と曲の間にCreepy Nutsのトークが入った「疑似ラジオ番組」のような設定になっているのです。
彼らは現在「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」のパーソナリティーを担当しています。
こういう部分にも彼らのラジオ愛が溢れていますよね。
ぜひ、Amazonなどで商品をゲットして聞いてみてください。

TEXT まぐろ

アーティスト

UtaTen

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