【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#131
歌手・杉良太郎の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

自分がこの世に生まれてきた痕跡を善意
で残すべき

より

今回の名言は、この杉良太郎へのインタビューの中で若い世代への伝言として語られた言葉からの抜粋である。東日本大震災における被災地支援、170人以上にもおよぶ里子の支援、刑務所や少年院の慰問をはじめ、数多くの善行やボランティア活動で知られる杉の言葉だけに重みがある。杉はこれらの活動を自ら「偽善で売名」とさらりと公言しつつ、自腹で数十億円も使っているのだ。そして杉は、「ひとつでいいから、人のために何かしてあげて」と切実に呼びけるのである。役者として歌手として、この世に生まれてきた痕跡を十分に残した杉が、人間としてさらに重要と考えたことが今回の名言に表されている。

杉良太郎 (すぎりょうたろう)
1944年8月14日生まれ、兵庫県神戸市出身。俳優、歌手。1965年、「野郎笠」で歌手デビュー。1966年、東京12チャンネル開局記念番組『燃えよ剣』で俳優デビュー。1967年、『文五捕物絵図』(NHK)に主役として出演。それ以降、『遠山の金さん』、『右門捕物帖』、『新五捕物帳』、『一心太助』、『大江戸捜査網』など、時代劇を中心に俳優として活躍していく。1969年、京都・南座で初座長を務める。それ以来、舞台でも活躍の場を広げていく。1975年、CBSソニー移籍。第一弾シングル「なやみ」を発売。1976年、「すきま風」を発売。以降、同曲は10回リリースされるロングヒットを記録。1997年、ベトナム社会主義共和国より友誼勲章を受賞。2008年、受刑者更生支援等奉仕者として、芸能人として初の緑綬褒章を受章。2009年、芸能活動45周年を記念して初の作詞作曲集を発売。同年、紫綬褒章を受章。2013年、『杉良太郎演劇塾』を設立。同年、外務省日・ASEAN特別大使として日本とASEAN友好協力40周年を記念した音楽祭を開催。2018年、警察庁より「特別防犯対策監」の委嘱を受ける。2020年9月5日(土)~20日(日)、新歌舞伎座新開場10周年記念 杉良太郎プロデュース錦秋特別企画『伍代夏子藤あや子新歌舞伎座公演』を開催。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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