AI歌唱・美空ひばり、30年ぶりの新曲
『あれから』MVで平成の30年を振返る

AI(人工知能)によって歌声を蘇らせた世界初の試みとして話題になっている30年ぶりの美空ひばりの新曲「あれから」 のミュージック ビデオ映像が完成し 、元旦0時より公開された。

平成元年に美空ひばりが亡くなってからの30年間を、日本や世界で起こった出来事とともに振り返る内容となっている。美空ひばりのセリフの パートでは、2019年大晦日の紅白歌合戦で使用された3D美空ひばりの映像も使用されている。

MVは1989年(平成元年)に天皇陛下が崩御され元号が「平成」に変わる様子から始まり、バブル崩壊とソ連崩壊(1991年)、阪神淡路大震災(1995年)、たまごっち(1996年)、ミレニアムカウントダウン(2000年)、9.11米同時多発テロ(2001年)、リーマンショック(2008年)、オバマ就任(2009年)、東日本大震災(2011年)、東京スカイツリー開業(2012年)、トランプ大統領就任(2017年)、最後の築地市場(2018年)等々、懐かしい出来事からまだ記憶に新しい映像まで様々な様子が時系列で描かれている。

平成初期にフジテレビで放送されていた深夜番組「19xx」を彷彿させるようなMV。平成時代の世界と日本の映像が満載で、美空ひばりの歌声と『あれから』の歌詞にマッチしており見ごたえ十分。 

よみがえった美空ひばりの歌声

新曲「あれから」は、NHKのドキュメンタリー番組内の企画から生まれた楽曲で、作詞とプロデュースを秋元康氏が担当。最新のAI技術によって、美空ひばりの声を現代によみがえらせ、 AI美空ひばりの新曲が誕生した。

番組放送後には大きな反響を呼び、多くのファンからのCD化の要望を受け、CDリリースも決定。2019年12月18日にリリースされた新曲「あれから」は 、1989(平成元年1月に発売された美空ひばりの生前最後のシングル「川の流れのように」以来 30 年ぶりの新曲。

2019年大晦日に放送されたNHK 紅白歌合戦でAI美空 ひばりとして 40年ぶりにその歌声を響かせ大きな話題となった。

また、美空ひばりと親交があり、同じ1989 年(平成元年)に国民栄誉賞を受賞した横綱・千代の富士の引退の様子も描かれている。MVの最後に紹介される「又逢える日を楽しみに私もがんばります」という美空ひばり直筆の文章は1987年(昭和62年)に入院していたひばりをお見舞いに訪れた千代の富士へのお礼の手紙から取られたもの。

「あれから」の曲中では美空ひばりの「セリフ」もAI技術によって忠実に声が再現されているが、セリフ部分の映像では2019年末の紅白歌合戦で使用された 3D 美空ひばりの映像もいち早く見ることができる。

佐藤仁

日本だけでなく欧米やアジアのポップカルチャーやエンターテイメント、メディアの動向を幅広く取材。放送作家・番組制作協力も多数。

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