BURNOUT SYNDROMESのワンマン初体験
。それは深淵なる沼。

ネタバレなしでBURNOUT SYNDROMESのワ
ンマンライブを語ります。

極力ね。わずかなはみ出しは許容範囲だと思ってご容赦下さい。熱が入ると理性のブレーキが若干壊れますからね。

12月20日(金)、Zepp Tokyoにて開催された同バンドのワンマンライブに行ってきました。全国7か所を回るツアーのうちの2本目(初日は愛知)。筆者は彼らのことはフェスで何度も見かけてますし、彼らの曲が使われたアニメ(無論『ハイキュー!!』含む)も見ております。しかしワンマンライブは今回が初めて。長いこと友達であったがその人のお家にお邪魔したことはなく、この度満を持してそのチャンスが巡ってきた。…的な心境であります。しかも会場はZepp Tokyoですから、人もたくさんです。勢いあまって1時間も早く現場に着いてしまい、バンドのグッズを買うお客さんを眺めるなどして過ごしました。

端的に申し上げて、BURNOUT SYNDROMESは沼であります。圧倒的コンテンツ力。15年も同じバンドを続けられるアーティストですから、そもそもの地力が違いました。

1本の映画を観たような爽快感・達成感

たっぷり予習はしてきましたから、彼らのライブに多くのギミックが施されていることは知っていました。「劇場型のストーリーが展開される、映画的なライブ」ぐらいの認識だったのですが、予想の範疇を遥かに超えるスケール感。これは、映画です。「いやいや前段に自分でそう言うてるやないか!」とツッコミが入りそうですが、“映画的”などと言った形容詞ではなく、映画そのものなわけです。え、このクオリティでツアーごとに毎回テーマや設定を変えてるの…? 今やミュージシャンは音楽だけでなくプラスアルファで何かスペシャルなものを求められる時代ですが、アイデア次第で抜きんでることは可能であります。彼らがその証明。

もう少し具体的に申し上げますと、ステージ上で起きていることと、スクリーンに映し出される映像がリンクし、ひとつのストーリーになってゆく。そんな構成です。年季の入ったBURNOUT SYNDROMESファンにとっては、これが平常運転なのかもしれませんが、全くもって異質。映画のテイストは内田けんじ監督の(『アフタースクール』、『鍵泥棒のメソッド』など)の作品に少し近いですかね。テンポが良いのにストーリーが緻密。クスクス笑ってしまうシュールな雰囲気は三木聡監督(『時効警察』など)っぽい。
何が凄いって、その演出がライブの内容と結実してくるところです。それは単純に観客参加型であることだけではありません。テーマそのものとも繋がってくる。今回のツアーは「Who am I?」だったわけですけれども、まさかあんな形で決着するとは…。複雑な演出をかましておきながら、彼らからオーディエンスに伝えられたメッセージはシンプルで熱いものでした。そもそも「Who am I?」とは、彼らの4thシングル『Good Morning World!』の歌詞から引用されたフレーズなのですが、それだけではないのですよ…!伝わりますかね?伝わってますかね!? もちろん『Good Morning World!』は今回のライブでもすこぶる大事な役割を果たしておりますよ!! そう、ヒントはこの曲だ!!
「一体コイツは何を言ってるんだ?」。そう思うあなたは、近くにいるBURNOUT SYNDROMESファンにこの記事を見せていただきたい…!“ネタバレなしで語るとこうなるサンプル”として、きっと機能することでしょう。あるいは、筆者に深く賛同して下さるはずです。むしろそれが一番嬉しい。

あ、もちろん「ヒカリアレ」や「FLY HIGH!!」などの代表曲も披露されます。流石にこちらは許容範囲と思いますので、お知らせです。個人的に好きな「Ms. Thunderbolt」も聴けまして、音楽面でも大満足。
最後にひとつ興味深かった点を。それは海外からのお客さんの多さ。彼らのMVのコメント欄を覗きに行くと、英語を筆頭とした多言語が半分以上を占めています。昔からアニメ関連の動画のコメント欄はインターナショナルな言論空間でしたけども、それがリアルな現場にも出現しつつあるように思われます。細分化が著しく、“ガラパゴス”と呼ばれ続けた日本の音楽ですが、最強コンテンツであるアニメはひとつの突破口になりそうです。そういうポジティブな目線も、今回のライブでは得られました。BURNOUT SYNDROMES(燃え尽き症候群)、名前のわりに我々を勇気づける天才集団です。
Photography_Jumpei Yamada
Text_Yuki Kawasaki

■ BURNOUT SYNDROMES 全国ワンマンツアー15th ANNIVERSARY TOUR 2019→2020『Who am I?』
1月11日(土) [宮城] 仙台Rensa
1月12日(日) [新潟] CLUB RIVERST ※sold out
1月24日(金) [福岡] BEAT STATION
1月25日(土) [広島] LIVE VANQUISH
2月11日(火・祝) [大阪] なんばHatch

リリース情報
NEW SINGLE
「PHOENIX」
2020年2月12日発売

TVアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」オープニングテーマ
https://erj.lnk.to/phoenix_cd

<バンド公式サイト>
https://burnoutsyndromes.com/

BURNOUT SYNDROMESのワンマン初体験。それは深淵なる沼。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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