《前編》タレント出身監督が撮った映
画はなぜつまらないのか!?

実は欽ちゃんも映画を撮ってた!

 ビートたけしが、映画監督北野武として成功したこともあってか、松本人志や内村光良、木村祐一に板尾創路に品川祐など、お笑い界を中心に映画監督を志すタレントは後を絶たない。
 しかし、この流れは今に始まったことではない。先行例として青島幸男(『鐘』『二人でひとり』)も萩本欽一(『手』『俺は眠たかった』)など、1960~70年代から玄人筋に受けた作品を放ってはいる。お笑いは総じて映画との相性がいいようだ。
 実際、島田紳助の『風、スローダウン』は案外まともな作品として、映画ファンからも評価されている。ディティールが気に入らず、紳助監督がブチ切れている様子は、今もYoutubeなどで確認できる。それほど気合いの入った作品だったというわけだろう。
 俳優出身の映画監督といえば、佐分利信や山村聰、勝新太郎などが上げられる。彼らは、俳優としても監督としても認められている。最近では、奥田瑛二、竹中直人、津川(マキノ)雅彦は通好みの作品を撮って、映画通をうならせた。

俳優出身の監督はコケやすい!?

 しかし、演技ができるからといって、監督ができるというわけではない。
 たとえば、桃井かおりの『無花果の顔』。そのシュールさが賛否両論をよんだと言いたいところだが、残念ながら否の方が多い。2006年に発表された『無花果の顔』は、その年の最低映画を決める賞「蛇いちご賞」の作品賞を受賞してしまった。不名誉きわまりない。
 最近だと、小栗旬の『シュアリー・サムデイ』が酷評の嵐。映画に造詣が深いライムスターの宇多丸は、自身のPodcastで「ツッコミどころのオンパレード」「初監督だからつじつまがあってなくても良いでしょという感じがカチンとくる」「説得力がまるでなく小学生並みの発想」と、まさにこれでもかとコキおろしている。
 それでも利益が出たのならまだ良い。しかし、映画ファンの評価はやはり厳しいのだ。小出恵介や小西真奈美など豪華キャストを揃え、さらに制作費5億円をかけて制作されたが、興行収入は2億8千万円。2億を越える赤字となってしまった。もう小栗がメガホンを持つことはないだろう。

(文・編集部)

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