『伏見の清酒まつりin大手筋商店街2
019』が京都の酒どころ・伏見で開催
、毎年賑わう現場に潜入取材

11月16日(土)京都・伏見大手筋商店街にて、今年で6回目となる『伏見の清酒まつり in 大手筋商店街 2019』が開催された。
京都の酒どころである伏見の蔵元16蔵が伏見大手筋商店街内に特設ブースを設置し、各蔵元厳選の日本酒を提供。さらに商店街内の店舗や近隣の人気店が日本酒に合うフードも用意する(別途有料、現金支払い)。新酒のシーズンに先駆けて、伏見の蔵元さんと対面で交流できるとあって、毎年大人気のこのイベント。SPICE編集部も早速潜入レポートを敢行した。
イベントは、第1部14:00~15:20、第2部15:30~16:50、第3部17:00~18:30の3部制で開催(各部1200人)。今回は、前売券が過去最高の売れ行きだったとのことで、当日券は若干枚数のみ用意されたが、前売り券、当日券ともに受付開始前には予定枚数以上のお客さんが列をつくり、すぐにチケット販売終了となる盛況ぶり。
受付開始前からたくさんのお客さんが来場
参加チケット(前売1800円、当日2000円)は、100円✕10枚のお酒券+オリジナルお猪口と引き換えることができるので、まずは会場内に2ヵ所ある前売券、当日券受付ブースへGO! 事前に前売り券を購入済なら、各回開催時間の30分前より交換できる。お酒券がなくなったらお酒券10枚を1000円で追加購入も可能だ。(チケットなしでお酒券のみの購入は不可)イベントロゴがはいった可愛いお猪口はお土産にもなってうれしい。毎年落として割る人が多いので気をつけて持ち運ぼう。
お猪口とお酒券(写真はチケット2枚分
お酒券・トレイ販売ブースでは、お酒や食べ物をのせられる便利なお盆トレイが用意されている。お猪口と食べ物を持つとあっという間に両手が塞がってしまうので、これは必須アイテム。お酒券1枚と交換制になるので、最初にGETしておいたほうがよさそうだ。追加のお酒券(10枚1000円)を買うときもこちらへ。
お酒券・トレイ販売ブースでトレイを購入
会場は京阪電車「伏見桃山駅」からのびる伏見大手筋商店街内で、約400mにわたって商店街の真ん中に各蔵元のブースが設置されている。フードは商店街内の参加店舗が自店の軒先や指定の位置にブースを出す形になっているので、とにかく活気に溢れている。1部がスタートすると蔵元ブースはあっという間にどこも大行列。
会場マップ
蔵元ブースは大行列
今回の参加店舗は下記となる。
酒ブースは、伏見の蔵元16ブースの酒蔵が参加
黄桜/北川本家/京姫酒造/キンシ正宗/月桂冠/齊藤酒造/招德酒造/宝酒造/玉乃光酒造/ 鶴正酒造/豊澤本店/平和酒造/増田德兵衞商店/松本酒造/都鶴酒造/山本本家
飲食ブースは、全19店舗の飲食店が参加
旬彩遊膳 えんり庵 大手筋店/かつくら 伏見桃山店/京洋菓子司 ジュヴァンセル 桃山店/ お好み焼き ごん平/京極屋/京菓子處 鼓月 大手筋店/そば処 伏見さらしな/ セブン-イレブン 伏見大手筋店/阿津満寿司/茶寮油長 油長茶舗/吟醸酒房 油長/ 天輪焼の高貝商店/伏見 からあげ屋 やす/グリルうさぎのかくれ家/ 餃子ノ酒場いっちゃん/鳥せい本店/サラダの店 サンチョ伏見店/肉匠 森つる/京料理・寿司 松廣
早速、順番に試飲をスタート! お酒は各蔵元2~5種を用意していて、種類によってお酒券が何枚必要かが看板に書かれているので指定の枚数のお酒券と交換しよう。まずは一番伏見桃山駅側に位置する「豊澤本店」で京纒 純米大吟醸を。年間500本しか詰めないという限定もので、鮮やかなブルーのボトルも素敵。やや辛口でスッキリとした味わいで美味しい。お酒券5枚が必要だが限定という言葉に弱い(笑)。なみなみと注いでくれるのでこぼさないように注意。
京纒 純米大吟醸(豊澤本店) 
次に大行列となっていた「北川本家」で、富翁 大吟醸純米ささにごり生原酒を。ラベルや瓶のデザインもかわいくて女性受けしそう。「社員みんなで意見を出し合って考えた自信作です。かわいいでしょ?」とスタッフさん。早速いただくとほどよい発泡が心地よく、にごり酒のまろやかさと生原酒のフレッシュさを兼ね備えた一杯で何杯でも呑めそうな口当たり。その場で1本買いたくなる美味しさだった。
富翁 大吟醸純米ささにごり生原酒(北川本家)
2杯呑んで上機嫌となったところでお酒に合うおつまみを探しに。商店街内で和洋酒、京つけものを扱う「京極屋」で漬物盛り合わせ(200円)を購入。茄子、きゅうり、沢庵など色鮮やかな5種のお漬物はやさしい味わいで日本酒と合わない訳がない。ポリポリつまみながらお酒をグビりとやるのが最高。フードは現金での支払いとなるので各店でその都度お会計を済ませる。
漬物盛り合わせ(200円)(京極屋)
京極屋のスタッフさんに「これは飲んでおいた方がいいよ!」と熱くオススメされたので、すぐ隣の「月桂冠」ブースにて、伝匠月桂冠 百年酵母仕込み 純米吟醸 紅熟を試飲することに。月桂冠の蔵付酵母「きょうかい2号酵母」で醸したお酒で、平成31年の年明けに搾ったものを、低温で約200日間かけて熟成したという。まるい甘みと果実感のある酸味が口の中に広がる。こんな風に地元やお酒のことを熟知する人から直接オススメを教えてもらえるのもこのイベントならでは。
伝匠月桂冠 百年酵母仕込み 純米吟醸 紅熟(月桂冠)
今回は商店街以外の近隣の飲食店からも4 店舗が特別出店し、このイベントだけの特別メニューを提供していたので、順番にご紹介。商店街から徒歩3分のところにある創業47年のレストラン「サラダの店 サンチョ伏見店」では、ご主人が目の前で焼きあげる照焼ステーキ(350円)が大人気。サっと焼き上げた希少部位カイノミの牛ステーキは驚くほど柔らかく、白味噌を使ったやさしい甘みのソースがまた美味しい。常連さん大好物のお店の名物でもある。ご主人と奥様の接客も息ぴったり!
照焼ステーキ(350円)(サラダの店 サンチョ伏見店)
肉懐石や創作肉料理を楽しめる「肉匠 森つる」は、写真左から国産黒毛和牛牛しぐれ煮(500円)と国産黒毛和牛炙りステーキ風(500円)を提供。どちらもA5ランクの鹿児島産の黒毛和牛を使った贅沢な味わいで、炙りステーキはとろける柔らかさ。大根おろしでさっぱりいただける。肉好きにはたまらないメニューで、どちらも日本酒との相性抜群だ。

写真左から 国産黒毛和牛牛しぐれ煮(500円)、国産黒毛和牛炙りステーキ風(500円)(肉匠 森つる)

創業50年以上の老舗「京料理・寿司 松廣」は、写真の松茸おにぎり2個(500円)、鰆のたたき(500円)のほかに、鯛の皮せんべい、からすみ、ふぐの唐揚げなど乾物からご飯ものまで日本酒との相性を考えたバラエティ豊かな品揃え。どれも日本酒のお供にピッタリなものばかりだ。大きな松茸おにぎりは、松茸の香りが口いっぱいに広がりお腹も満たせて幸せな気分に。あれもこれも食べたくなるメニュー数で、お土産に買って帰る人も多数。商店街を利用するお客さんにも好評だ。
鰆のたたき(500円)、松茸おにぎり2個(500円)(京料理・寿司 松廣)
酒蔵を改装した広い店内で多彩な鶏料理を提供する「鳥せい本店」ではアツアツの粕汁(300円)を用意。蔵元直営ならではの自慢の酒粕を使った粕汁は、ほっこりやさしい味わいで体もポカポカに。ちょうど汁ものが欲しいな、と思っていたところにシメ的にいただく具沢山の粕汁は体にじんわりと染みる。
粕汁(300円)(鳥せい本店)
常に大行列となっていた「増田德兵衞商店」では、月の桂 祝米・純米大吟醸にごり酒が大人気。艶やかな着物に身を包んだ女性グループの姿も。常連と思わしきご婦人は、なみなみと注がれるお酒がこぼれないように、持参した升にお猪口をセット。見た目も素敵でスマートなので次回からは是非真似したい!
月の桂 祝米・純米大吟醸にごり酒(増田徳兵衛)
「山本本家」では、樽から直接注がれる新酒 無濾過生原酒も。濾過、熱処理、加水の工程を省いた新酒の絞りたて生原酒で、フレッシュな味わいを堪能できる。本来は蔵人だけが味わえる貴重なものだとか。そして神聖 超辛口 特別純米原酒は熱燗で用意。旨みと辛さを兼ね備えた京都府産の酒米「京の輝き」を100%使用。そのふくよかな味わいに唸る。

神聖 超辛口 特別純米原酒(山本本家)
食べ歩きながらいろいろ試していると、いつの間にかすっかりほろ酔いに。適度に水を飲まないと酔っぱらうので注意しよう。今回は当日券も即完売となり、参加できなかった人も多く、約4000人を動員した『伏見の清酒まつりin大手筋商店街2019』は、3部ともかなりの賑わいを見せた。爽やかな秋晴れの中、伏見の美味しいお酒とグルメを満喫できた1日。商店街の馴染みのお客さんも一緒にみんなで盛り上げる一体感が楽しく、伏見の魅力を再発見することができた。

取材・文・撮影=岡田あさみ

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着