ARの活用で渋谷の街がデジタルアート
の美術館に!『MUTEK.JP 2019』との
コラボレーション『INVISIBLE ART I
N PUBLIC』体験レポート

12月11日から15日までの5日間、渋谷の街を舞台に開催されるデジタルアートと電子音楽の祭典『MUTEK.JP 2019』。そのプログラムの一環として、KDDIら3者によって組織される「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」が開催するアート展『INVISIBLE ART IN PUBLIC Vol.2“Synthetic Landscapes”』を一足先に体験した。XR(仮想空間技術)を活用し、渋谷の街の中にデジタルアートを出現させる試み。スマホひとつで誰でも体験できる革新的アートイベントの中身をレポートしよう。
ARの活用で渋谷の街がデジタルアートの美術館に
『MUTEK』は2000年にカナダのモントリオールで始まった芸術フェスティバル。最新テクノロジーを駆使した電子音楽やオーディオヴィジュアル・アートの文化芸術活動の普及を目的に、モントリオールのほか、メキシコシティー、バルセロナ、サンフランシスコなど世界7都市で開催されている祭典だ。『MUTEK.JP』を行う日本はアジア唯一の開催地。2016年に第1回以降、4回目の開催となる今年は渋谷の街を舞台に多彩なプログラムが展開される。
今年の『MUTEK.JP』の中で、とりわけ誰でも気軽に楽しめるイベントが『INVISIBLE ART IN PUBLIC Vol.2“Synthetic Landscapes”』だ。「渋谷の街自体を美術館にできたら」という発想から生まれたこのイベントでは「『見えない』を価値に」をコンセプトに、AR(拡張現実)の中でしか見られないデジタルアートが街中の5エリア8か所に登場する。
『INVISIBLE ART IN PUBLIC Vol.2“Synthetic Landscapes”』の会場のひとつ、稲荷橋広場
ARアートが楽しめるのは、渋谷ストリーム2階のCITYSHOP PIZZA、渋谷リバーストリートの金王橋広場と稲荷橋広場、渋谷スクランブル交差点、LINECUBE、渋谷スクランブルスクエア11階のau 渋谷スクランブルスクエアの計5エリア。話題のスポットが続々オープンしている渋谷を回遊しながらデジタルアートが楽しめるのもこのイベントの醍醐味だ。
無数の光線がスクランブル交差点を駆け巡る
さて前置きはこの程度にして、まずはとにかく該当エリアに足を運んでみよう。これらの場所に行くと、地面や橋の欄干にQRコード(STYLYマーカー)が設置されている(ちょっとわかりづらいが、渋谷スクランブル交差点はハチ公前に置かれている緑の電車の窓)。スマホやタブレットでそのQRコードを読み込むと、まずは専用アプリ「STYLY」のダウンロード画面が表示される。そしてアプリに再びQRコードを通せば、アートと連動するサウンドトラックがダウンロードされる仕組みだ。
金王橋広場のQRコード(STYLYマーカー)
スマホを前方にかざし、画面にあるスタートの表示をタップすると音楽が流れ始める。それと同時に空間上にデジタルアートが出現し、音楽とシンクロした動きを見せる。画面の下部にある1から4のボタンはドラム、シークエンス、エフェクトなどのレイヤーになっており、その組み合わせによってアートの姿も変わる。人とアートと音楽が双方向のコミュニケーションを取りながら、見える世界と見えない世界の融合が生まれていく。
渋谷ストリーム・CITYSHOP PIZZAの《delicious track》 Synichi Yamamoto & Intercity-Express
なお今回の作品は、池袋や新宿のパブリックアートプロジェクトなどを手がける「superSymmetry」がアート部分を、音楽家・大野哲二によるサウンド/ビジュアルプロジェクト「Intercity-Express」が音楽部分を担当。

金王橋広場の《float monument》 Takuya Aoki & Intercity-Express

金王橋広場の《ether river》 °F & Intercity-Express
《delicious track》《float monument》などと題された作品は、キューブ体のオブジェクトだったり、文字列だったりと多彩な表現を見せてくれる。金王橋広場の《ether river》は川の上空に端末をかざすと、浮遊するオブジェクトが現れる。そして特に圧巻だったのは渋谷スクランブル交差点に現れる《line rain》。地上からも上空からも無数の光線が飛び交い、雑多な人の流れと混じり合う。渋谷の象徴的な都市空間と相まってSFの世界にも似た印象を覚えた。
稲荷橋広場の《main floor》 Seiichi Sega & Intercity-Express

渋谷スクランブル交差点の《line rain》 Seiichi Sega & Intercity-Express

今回の試みは、街の風景をキャンバスにするというアートの新しい可能性を十分に感じさせてくれるものだった。ちなみに「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」では、まもなく実用化される5G(第5世代移動通信システム)を見据えたクリエイティブ活動を推進しているが、高速大容量の5Gが普及すれば、より精密な仮想空間をより多くの人が同時に楽しめるようになり、さらに高度な体験が可能になるといい、今後の開催にも大きな期待感を抱かせる。
自分のスマホでも体験可能
音と融合したアートなのでイヤホンもしくはヘッドホンの持参はもちろんマスト。また、いずれのアートも人の動線に配慮された場所に設置されているが、周りの通行の邪魔にならないように心がけよう。また、開催期間中は毎日16時から20時まで特別ガイドツアーも開催される(渋谷ストリーム2階のCITYSHOP PIZZAにて順次受付)。タブレットとヘッドホンも貸してくれるので、スマホしか持ってないけど、もっといい音&大画面で楽しみたいという人はぜひ参加してみて。
『MUTEK.JP』では、このほかにもテクノロジーと多彩な表現活動を融合した革新的なオーディオビジュアルライブの上演やワークショップが開催される。詳細は公式ホームページ等で確認してほしい。『INVISIBLE ART IN PUBLIC Vol.2“Synthetic Landscapes”』は、渋谷ストリームなど渋谷各地で12月11日から15日まで開催。渋谷で行われる5日間限定の貴重なアート体験を楽しもう。

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