水樹奈々

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【水樹奈々 インタビュー】
“CANNONBALL”は弾丸のように
駆け抜けてきた私自身を表す言葉

水樹史上最多曲数の17曲を収録する約3年振りのアルバム『CANNONBALL RUNNING』。歌手デビュー20年という経験を物語る多彩な曲調を収録し、まだまだ突っ走るというメンタルも込められた一枚となった。

今という時を積んでいくことで、
最高の未来を勝ち取る

“CANNONBALL RUNNING”というタイトルは、どんなイメージで付けたのですか?

“CANNONBALL”は弾丸のように駆け抜けてきた私自身を表す言葉として選びました。2020年は歌手デビュー20周年という節目を迎えますが、その後も変わらず“走り続けていきたい!”という気持ちを込めた、自分の決意表明的なタイトルでもあります。同時に、一瞬一瞬を大事にしていきたいという気持ち、そして20周年というお祝いムードに浸るのではなく、だからこそ気を引き締めてさらに改めていきたいという気持ちも込めています。保守的になることなく、これからも新たなチャレンジを積極的にしていきたいです。

今作でも初対面の作家さんをはじめ、本当に多彩な楽曲との出会いがありましたね。今までになかった挑戦的な曲も多数収録しているし、「カルペディエム」は上松範康さんっぽくなくて衝撃でした。

アルバムには毎回“変態曲枠”というのがあって(笑)。“これまでの上松さん曲にはなかった切り口の変態曲をお願いします”とリクエストしました。今作にも「METANOIA」や「FINAL COMMANDER」という振り切った曲が収録予定だったので、個性をしっかり色分けするべく、“ピアノを基軸にした歌謡ロックにしてください”とお願いしました。

早口のメロディーが特徴的で、舌を噛みそうです。

いかに滑舌良く畳み掛けるように歌えるか、声優魂が燃えました!(笑) 聴いていると大変そうに感じるかもしれませんが、実際に歌うとすごく気持ち良いんですよ! ぜひカラオケで歌ってほしいです!

ヨシダタクミさんの歌詞はどんなイメージでした?

これまでにヨシダさんが作詞してくださった「レイジーシンドローム」(2015年11月発表のアルバム『SMASHING ANTHEMS』収録)や「Rock Ride Riot」(2016年12月発表のアルバム『NEOGENE CREATION』収録)に登場したような、現実に絶望している主人公が、いかにして光を見出していくのかという心の葛藤を書いてほしいとお願いしました。

「カルペディエム」は今を大事にするみたいな意味ですね。

今という時を全力でいき、それを積んでいくことで、最高の未来を勝ち取るんだという気持ちを込めています。私のモットーでもあります。

「Love Fight!」は今までになかった曲ですね。

ダンス曲ですね。映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のようなダークファンタジーの世界観に惹かれました。EDM的な要素が入った、アレンジの面白いダンス曲を作ってもらいたいとお願いして生まれた曲です。

後半で中東っぽくなるところが格好いいです。

そこにどんな振りが付くのか、今から楽しみです。マーチング的なリズムなので、きびきびとした動きになるのではと予想しているので、身体のキレをアップさせておきたいと思います(笑)。

歌詞は強めの女子の気持ちですね。

「恋をすると大人になっても、まるで学生時代のように胸が高鳴ってしまう…そんなピュアさもありつつ、“好き”と悟られたら負けという勝ち気さもあって、駆け引きをしていく女性の裏腹な心を歌っています。

そして、「glitch」は4つ打ちのギターロックで。

ギターを何本も重ねたスリリングな仕上がりで、私は“サスペンスロック”と呼んでいます。同じ言葉と同じメロディーが繰り返されるところが印象的で、1度聴くと病みつきになる魅力があります。

タイトルの“glitch”は“誤作動”という意味ですよね。

はい。恋愛で心がかき乱され、冷静な判断ができなくなっている状態を表現しています。歌い方もどれが一番狂気的に聴こえるか…、冷静なのか、乱されているのか、どちらか分からないような紙一重のところを攻めていけたらと思っていました。低音で構成されたAメロは、寝ている彼の耳元でボソボソと囁いているところを想像して(笑)。

「Love Fight!」も含めて、女の子の心の深い部分を抉ったような歌詞は、アニソンや声優のシーンを越えて、幅広く聴いてもらえる入口になりそうで。女性ファンの反応が楽しみですね。

これまでも女性の深層心理が見える曲では、女性陣から大きな反響をいただきました。“こういう曲をもっと歌ってほしい”という声も多かったので、今回はどんなリアクションをいただけるか楽しみです。

今作の新曲には恋愛モノの歌詞が多いとも思ったのですが。

曲を聴いたイメージで作詞家さんにお願いしたり、自分で書いたりしているので、狙ったわけではないのですが、出来上がってみると恋愛をテーマにしたものが多くなりました。ファンの方からも“結婚しました”というハッピーなお便りをいただくことが最近はすごく増えて。披露宴で流してもらえたり、花嫁さんに歌ってもらえる曲を作りたいという気持ちもありました。

まさしく水樹さん作詞の「マーガレット」がそれですね。

これはぜひ花嫁さんに歌ってほしいです! 前回のアルバム『NEOGENE CREATION』に収録した「絶対的幸福論」は男性から女性へのプロポーズの歌だったので、そのアンサーソングのようなものが作りたくて。3月に開催した『NANA MUSIC LABORATORY 2019 ~ナナラボ~』で、私の声とひとつの楽器だけで構成するライヴを行なった経験から、今作には音を極力削ぎ落としたバラードを入れたいと思っていました。

“マーガレット”という花にも意味があるんですよね。

花言葉が“真実の愛”なんです。この曲を聴いた瞬間、小さなチャペルでささやかに式を挙げている温かい風景が浮かんだので、女性らしいかわいらしさのあるタイトルにしたいと思いました。

作曲は浜崎あゆみやBoAなどで知られるBOUNCEBACKで。シンプルなサウンドで歌で盛り上げていく感じがある中、裏にフェイクが入るなど、BOUNCEBACKらしいR&Bのエッセンスもありますね。

アコースティックバラードですが、これまでになかった雰囲気ですね。自分の歌の表現の幅が広がってきた今だからこそ、チャレンジできた曲だと思っています。ストレートだけど、良い意味でひと癖あるので構成力が試されました。
水樹奈々
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OKMusic編集部

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