L→R 藤田亮介(Dr)、中村未来(Vo&Gu&Key&Manipulator)、松本駿介(Ba)

L→R 藤田亮介(Dr)、中村未来(Vo&Gu&Key&Manipulator)、松本駿介(Ba)

【Cö shu Nie インタビュー】
地に足を着けて生きている
実感を音楽にしている

分かりやすいことをしたら、
分かりにくいこともしたくなる

いい意味で予測不能な展開が続くので、1曲の情報量が多いとも感じる分、アルバム『PURE』は全体の収録時間は33分程度で比較的短い作品ではあるんですけど、聴き終わるとちょっと脳が疲れるんですよね。

中村
疲れますよね(笑)。聴き流せるタイプの音楽ではないですよね。自分は飽きっぽいところがあって、音楽にワクワクしたい。だから、今のこのCö shu Nieの音楽を楽しんで作っています。

自分自身にとってもっとも刺激的だという。

中村
そうなんでしょうね。作り続けているわけだし…作る過程がすごく楽しいというところはありますが、“これを聴いた人はどう心が動くだろう?”みたいなリスナーとのつながりを楽しんでるところもありますね。

そうですか。あと、メロディーに関しても面白いと思ってまして。俗に言うJ-POPとは異なるし、レンジも広くて抑揚もあるんですけど、今のR&Bとも違う。その辺も予測不能なんですよね。

中村
歌メロが結構動くからでしょうね。

それは中村さんにとっては普通のことですか?

中村
普通です。自然に歌えばこうなる…そういう感じです。
松本
たぶん、それはメロディーから作ってないからだと思います。頭に浮かんだメロディーをつなぎ合わせて曲にするというやり方だと、やっぱり聴いてきた音楽とか情報から作ってしまうことが多いと思うんですけど、自分から出て来るまったく新しいもので作っているから、今まで自分の音楽歴の中にある“こういうメロディーで来るんだろうな”という予測が付かないんじゃないですかね。自分もそう思っていて、前に分析したことがあったんです(笑)。昔、僕も曲を作っていたんですけど、どうしても鼻歌で作ったものにコードを乗せると、どこかしら似た曲があって…まぁ、学生の頃なんでそれも当然なんですけど、中村の曲に対して“それがまったくないのに、それでも馴染むというのは何でなんだ?”と。きっと誰かのオマージュではなく、ゼロから自分の作品として真摯に向き合っているからだと思いますね。

なるほど。実際、中村さんの曲作りはそういう感じなんですか?

中村
そうですね。鼻歌から作ることはほぼないです。結構バラバラですけど…オケの世界観を先に作って、それに合ったメロをあとで付けたりもするから、聴く人によっては予想通りのものじゃないのかも。

まぁ、予測できないとは言っても、耳馴染みは悪くないという。

中村
多少の違和感を残したまま、現世で地に足を着けて生きている実感というものをちゃんと音楽にしようとしているので。だから、今回の『PURE』もそうですし…2作前くらいからかな、バランス的には、刺激的かつ馴染みの良いものになればと思ってます。

アルバム『PURE』の先行シングルでもある3rdシングル「bullet」は特に歌メロがキャッチーであるようにも思ったのですが。

中村
そうですね。これは歌詞とメロディーが同時に出来ましたね。

歌詞にメロディーが呼ばれましたか?

中村
音からのクリエイトというより、シンガーソングライターっぽかったかもしれません。キャッチーなのはサビですよね?

サビは分かりやすいですよね。

中村
私、そういうキャッチーな曲を書くと、他の作曲との兼ね合いでCö shu Nieという存在のバランスを取るんです。
藤田&松本
ははははは。

アルバム全体で自然とバランスを取ると(笑)。

中村
バランスを取ること自体が楽しかったりするので、いい感じですね。

この「bullet」はTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』のエンディングテーマになりましたが、歌詞の世界観はアニメとリンクしたものなんですか?

中村
そうですね。自分自身とアニメとがリンクする部分を書きました。《おまえの欲しいものは何だ》《くだらない潔癖で籠城》で始まってるんですけど、これは自分の体験で、精神的な潔癖というか愚かなことが許せないというすごく難しい時期があって。結局そういう自分を救ったのは自分自身で、その時のことを書いたんですけど、世界観や精神性はリンクしているかなと思います。

アニメに影響されたというと少し違うかもしれませんが…

中村
少なからず影響は受けています。もともと大好きなアニメなんですよ。リアルタイムで観てますから。だから、「bullet」がエンディングテーマになったことは夢みたいな話です。

OKMusic編集部

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