市川海老蔵が「守り、攻め、挑戦する
」 新橋演舞場の『初春歌舞伎公演』
会見レポート ぼたん&勸玄も登場!

歌舞伎俳優の市川海老蔵が、1月3日(金)に開幕する『初春歌舞伎公演』(会場:新橋演舞場)に向けて記者懇親会に出席した。新橋演舞場でのお正月公演で、海老蔵が座頭を勤めるのは7年目。会見の後半には、長女の四代目市川ぼたん(日本舞踊、市川流)、そして長男の堀越勸玄も登場した。囲み取材でのコメントも、あわせてレポートする。
『初春歌舞伎公演』の演目は、次のとおり。
昼の部
一、『金閣寺』
二、『御存鈴ヶ森』
三、新作歌舞伎 NINJA KABUKI『雪蛍恋乃滝』
夜の部
一、『め組の喧嘩』
二、『雪月花三景』
秋元康演出の新作歌舞伎 NINJA KABUKI
昼の部では、秋元康が初めて歌舞伎の脚本・演出を手掛ける新作歌舞伎 NINJA KABUKI『雪蛍恋乃滝』が上演される。照明デザインは、トニー賞ミュージカル照明デザイン賞に13度ノミネートされ、1998年に「The Lion King」で、2008年に「South Pacific」で、受賞をはたしたDonald Holderが手掛ける。舞台美術は、Mikiko Suzuki McAdamsが担当する。
ーー新作歌舞伎 NINJA KABUKI『雪蛍恋乃滝』のきっかけは?
秋元さんとは、以前から面識がありました。サウナなど思いがけないところでよくお会いするんです。「いつか機会があれば歌舞伎を」とお話をしており、その機会が。秋元さんは、様々なことを演出をされている方です。今回、海外の美術家の方や照明デザイナーを招聘されますが、このようなことは、歌舞伎をものすごくよく知っているか、歌舞伎を全く知らないかでないとできない挑戦。秋元康という人物ならば、それができるのでは、と期待しています。
ーー忍者歌舞伎のアイデアはどこから?
秋元さんに聞いてください(笑)。まだ多くは話せませんが、「ロミオとジュリエット」のような雰囲気があるのかな……? という印象です。忍者と聞いた倅がどうしても出たいと言い出しまして、先ほどSNSでちょっと連絡し、秋元さんに確認したところ「2パターン、考えてあるよ」と言われました。どちらのパターンでも行けると思いましたので、勸玄は(夜の部だけでなく)昼の部にも出ることになると思います。ようやく台本ができてきたところですが、面白そうな内容でした。彼(勸玄)にもご満足いただけるのではないでしょうか(笑)。
囲み会見において、勸玄が昼の部に出演するのは決定で良いか確認をされると、海老蔵は「そうですね。だって、出たいんでしょう?」と勸玄に問う。勸玄は、満面の笑みでハーイ! と元気いっぱいに答えていた。
成田山新勝寺での修行を終えて
ーー今月3日から始めた成田山新勝寺での参籠修行を無事に終え、本日、東京に戻ってこられたそうですね。
新勝寺さまと市川宗家は深いご縁があります。初代団十郎はこの道を通ってきたがゆえに、今の芝居のもとを作ったのだなと。実際に体験し、ぼんやりと感じていたことが、ずいぶん確信に変わったことが大きな変化だったと思います。色々と勉強になりました。
海老蔵襲名前に、父・團十郎との修行を終えていましたので、今回はより厳しい修行でした。その中には成田屋として知らないといけない知識が宝庫のように詰まっておりました。それを満了したことは、私にとって価値のあることです。人はすぐには変われませんが、変化するきっかけの一つになれば。
ーー襲名に向けた意気込みを。
意気込みという気負ったものではなく、やるべきことをやる。名前が変わるからといっていきなり人や芸が変わるわけではありません。良くなるように少しずつ努力を重ねていきます。
海老蔵、新橋演舞場で7回目のお正月公演
ーー新橋演舞場での座頭公演に、どのような思いがありますか?
1月は私が成長していく段階で、最も大きな月といっても過言ではありません。若いころから歌舞伎公演を任されてきた中、團十郎を襲名する年だからといって気負うことや新しいことをしようということはありません。
ーー演目の並びに、テーマはありますか?
テーマはないですね。お客様に楽しんでいただける古典と、現代的なものを交えた、演目の構成を考えています。古典をしっかり受け継ぎ、先輩方から継承する演目もあり、新しい挑戦をする意欲もある。現代の演出家の方々にお力を賜るものもあり、新歌舞伎十八番「仲国」をいままでやってきたものではなく、舞踊仕立てで作るという挑戦もある。守っていく、攻めていく、挑戦していく。様々な意味がある公演です。
ーー『鈴ヶ森』の長兵衛は、初役です。
僕は白井権八のタイプなのですが(笑)、今回は長兵衛の役を勤めさせていただきます。成田屋として避けて通れないお役の一つですし、やはり先輩に教わってやることは、とても大切です。教えていただく先輩のお名前を出すことについて、まだ確認していないためここでは控えますが、その先輩に教わったとおりに演じられればと思います。素晴らしい先輩であり、「うちの型とおまえさんちの型は、違うがいいのか?」とも。私は、ぜひおじさまの形で演じたいと思っています。
ーー『神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ) め組の喧嘩』について、お聞かせください。
一昨年、大阪で勤めた際は、音羽屋のおじさま(尾上菊五郎)に教えていただきました。今回も先輩に。通し狂言に近い、序幕『品川島崎楼の場』からやります。もともと正月の話であり、その部分を付け足すといいますか、もとに戻します。辰五郎がいきなり酔っぱらっている、というところから観ていただくのではなく、酒をのめない辰五郎がなぜそんなに? という経緯も伝えたい。物語として、通るものにしていきたいです。
ーー『雪月花三景』では、ぼたんさんと共演されます。
新歌舞伎十八番『仲国』の中の、『雪月花三景』という舞踊仕立てのところを、新しく作り変えてご覧いただこうと。新歌舞伎十八番を、踊りで構成したものにして復活させるということで。古典らしいけれども今までの歌舞伎では見たことのないものを作ろうと、打ち合わせしている最中です。

「市川ぼたんでございます。夜の部に父と共演させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」としっかり挨拶するも、お父さんとの共演については「本当にとてもうれしいです…」と恥ずかしそうにコメント。
『牡丹花十一代』で、「Happy Birthday dear パパ~♪」
なおこの日は、市川海老蔵42歳の誕生日。会見後半、記者が「勸玄くんは、クリスマスプレゼントに何がほしいですか?」と問いかけると、海老蔵が「皆さん忘れているみたいですが、今日僕の誕生日です。プレゼントは、これから逆に僕が」と割って入った。
そのタイミングで会場に「♪Happy Birthday to you」の音楽が流れはじめ、バースデーケーキ搬入。「なんだこれ! なんだこれ!」と慌てる海老蔵を、ぼたんと勸玄は嬉しそうに見上げ、手拍子とともに「Happy Birthday dear パパ~♪」と歌っていた。
ケーキの登場に驚く海老蔵。
誕生日プレゼントとして、ぼたんから海老蔵に手編みのマフラーが贈られたことが明かされると、海老蔵は「宝物になっちゃいますよね」と頬を緩める。制作期間を問われると、ぼたんの横から、なぜか勸玄が「朝からお昼ぐらいまで」と即答。海老蔵が「そんな簡単にできるの?!」と爆笑し、ぼたんが慌てて否定する一幕も。
「2019年は芝居しかしていなかった」と振り返り、「スケジュール的には大きな大役もあります。市川團十郎白猿ということで、自分の中で積み重ね、それにふさわしい人間にゆくゆくなれるようがんばっていく」と語る海老蔵。成田屋にとって節目の1年のはじまりを飾る、新橋演舞場『初春歌舞伎公演』は、2020年1月3日(金)から24日(金)までの上演。
歌でお祝いするぼたんと勸玄。
2019年1月に新橋演舞場で上演された、『牡丹花十一代』の写真。海老蔵、ぼたん(当時堀越麗禾)、そして堀越勸玄の三人がそろっている。

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