シイナナルミ×安岡洋一郎(編曲)×三
浦英之(作曲)対談

わたし自身が「すきぴホリック」にホリックしてました(笑)

9月に「君のパンツを食べたい」を発売し、メジャーデビュー。11月20日(水)には、早くも2ndシングル「すきぴホリック」を発売するシイナナルミ。この楽曲は、「YouTube×音楽×ドラマ」をテーマに定期的に制作しているYouTubeドラマ第三弾「仮面彼氏」の主題歌として配信している。
今回、「すきぴホリック」の作曲者である三浦英之とアレンジを手がけた安岡洋一郎を迎え、3人で対談を行った。その日の模様を、ここに紹介したい。
何事もテキパキを進めていくように、頭の回転の速さはさすがだなと思わされました。
――ナルミさんは9月にメジャーデビューを飾りました。環境の変化はいろいろと感じています?
シイナナルミ:一番感じているのは制作環境の変化だと思います。たとえばMVを作るにしても、これまでは監督さんと監督さんのアシスタントなど、わたしを含め数人規模で作っていたんですけど。「君のパンツを食べたい」や「すきぴホリック」では現場に20人以上のスタッフさんがいれば、自分のアイデアをさらに膨らませてくれる環境へいれてることに違いを感じています。それこそ「わたしの100%の発想に100%の技術を持った人たちが加わる」ことで、「今まで自分一人で頑張って100%にしていたものが、どれも200%の作品に仕上がっていく」。その環境があることがすごくありがたいし、表現していくうえでとてもやり甲斐を持って向きあえています。
――めちゃくちゃ…。
シイナナルミ:パワーアップしています!!
――今回集まった3人は、「すきぴホリック」の楽曲制作チームになります。
シイナナルミ:チームナルミンです!!!
――三浦さんと安岡さんは、楽曲制作面でタッグを組むこともあるように制作チームとして以前からの繋がりですが、お二人とナルミさんとの接点は…。
シイナナルミ:「すきぴホリック」のアレンジを手がけてくださった安岡さんとは、キー合わせやレコーディングのときにお会いしたのと、あと「すきぴホリック」のMV撮影でバンドのベーシストとして参加もしていただけて撮影現場でもお会いしたので、今日で4回目になります。三浦さんは、レコーディング現場でお会いして以来だから2回目ですけど。お二人とも波長が合うのかすぐに打ち解けたように、チームナルミンのメンバーです。ただ、こういう形でお話をするのは初めてだから、ちょっと緊張しています。
安岡洋一郎:(かしこまった場ということもあり)僕も緊張しています(笑)。
三浦英之:僕はまだお会いするのが二回目なので、とても新鮮なんですけど。最初にYouTubeを通してシイナさんを観たときは、きっと世代の差もあるんでしょうけど「異次元の人」という感覚だったし、初めてお会いしたときもその印象が強かったんですよ。
シイナナルミ:異次元(笑)。わたし、何処にでも居るぜんぜん普通の女の子ですよ。
安岡洋一郎:僕も最初、異次元ってイメージはあったけど。実際にお会いすると、とてもしっかりとした方なんだというのがわかりますからね。しかも、何事もテキパキと進めていくように、頭の回転の速さはさすがだなと思わされました。
「これ,中毒性が強い!!」と思えば、まさに「すきぴホリック」は自分の求めたイメージにピッタリでした!!
――「すきぴホリック」が生まれるまでの過程も、ぜひ教えてください。
三浦英之:最初にドラマ「仮面彼氏」のプロットや資料とテーマ、楽曲のイメージをシイナさんからいただいたのが、作曲に関しては始まりでした。
シイナナルミ:今回の楽曲はドラマ「仮面彼氏」の主題歌ですし、カップリングも最初からドラマの挿入歌として使おうと思っていたから、作品の内容とも歌詞や楽曲の雰囲気をリンクさせたかったので「こういう楽曲をイメージしています」という参考資料も送りながら。そのうえで、今回の作詞のテーマは「恋は盲目」ですということをお伝えしたのが始まりでした。実際に三浦さんから上がってきたのが、まさにホリックな楽曲。とくにサビのフレーズは最初に聴いたときから耳から離れなくって「これ,中毒性が強い!!」と思えば、まさに自分の求めたイメージにピッタリでした!!
三浦英之:その言葉、嬉しいです。「すきぴホリック」のサビ歌は、ドラマの粗筋を読んだとき瞬時に湧き出た部分なんです。それくらい僕にインパクトを与えたから、刺激を引き出してくれたんだと思います。
シイナナルミ:えーっ、それ運命だ!!わたしも楽曲をいただいたときに、最初にサビの歌詞が思い浮かびました。まさに、これって運命ですよ!!
三浦英之:嬉しいなぁ。僕自身ドラマ「仮面彼氏」の内容に強く惹かれたこともあったからでしょうね。イメージはとても膨らみやすかったです。じつは僕も「中毒性のある感じ」をこの曲に求めながら。そのうえで、ドラマティック感を意識して曲を作っていました。
シイナナルミ:わたし、本当にサビメロが大好きで。だから、「すきぴホリック」という印象的な言葉も思い浮かんだんです。しかもサビで、指でハートを描きながら「あたし かなり すきぴホリック」と歌うんですけど。ファンの子たちもすぐにサビを覚えてくれて、一緒に同じフリを楽しんでくれてます。それがすごく嬉しくって。
安岡洋一郎:「すきぴホリック」という言葉も含め、歌詞はすごくインパクトがありますよね。だからアレンジを行う際にも、「歌詞の印象やインパクトを崩さないように」と強く心がけました。加えて、昨今のボカロ曲のようなソリッドでタイトな表情ではなく、もっと懐深くも余裕を抱かせる四つ打ち感を、とくにサビ歌の部分では意識して作りました。さらに、三浦さんの作ったデモトラックの時点から中毒性の高いコーラスなどが入っていたことからそこも引き立てつつ、楽曲全体に今感の中へ懐かしさも覚えたこともあり、その辺も巧みに反映させています。でも一番は、シイナさんが歌うと、どんな楽曲でも新鮮かつ独自な表情に染まっていくこと。そこに関しては安心感も覚えていましたね。
シイナナルミ:ありがとうございます。わたしの場合、その曲ごとの物語のヒロインになって歌声の感情も変えてゆくタイプなんですね。「すきぴホリック」のときは意思の強めな女の子という感じを歌声にも出せば、そこを上手く反映していただけたのもとても嬉しかったです。
わたし、「盲目にならない恋」って本当の恋じゃないと思っています。
――ナルミさんの書く歌詞には、女の子の素顔というか、隠し持った本性が赤裸々に描かれていきますよね。とくに恋したときの女性の心情は、男側からしたら「女性ってこんな風に考えてたんだ」と勉強になるのと同時に、良い意味で女心の怖さ?も感じます(笑)。
シイナナルミ:わたし、「盲目にならない恋」って本当の恋じゃないと思っています。「すきぴホリック」やカップリングに収録した「好きな人の好きな人になりたい人生」も、そう。どの歌詞にも、自分が恋愛を経験しながら、思うことや考え方を盛り込んで書いています。しかも、どの曲も一本の映画や一冊の本を作る感じといいますか、物語を描くように書きました。
――ナルミさんは、「この人が好き」となったら、他を投げ捨ててまでその人へ身を投じていくタイプ?
シイナナルミ:そうです。すべてを投げ捨ててでも、その人にわたし自身を注ぎ込む。まさに「すきぴホリック」な状態になります(笑)。わたしからもお聞きしたいことがあるんですけど。「すきぴホリック」って、まさにわたしが求めた「中毒性」や「ロックでアップテンポ」さが反映されています。そこは最初から見えていたのですか?
三浦英之:いただいた資料や言葉を目にしていたときから鋭い切り口や、どこかシリアスさを感じていたように、同じアッパーでも、パリピな感じではなくちょっとマイナーなイメージをというのはすぐに浮かびました。あと、「中毒性があるものを」も自然と意識していましたね。
安岡洋一郎:僕も、女性のいろんな深層心理をテーマに曲制作していくことに強い感心があるように、この歌詞を楽曲の面で具現化してゆくのはとても楽しかったです。
シイナナルミ:嬉しい!!やっぱこのチームは運命で集まっていますよね!!!
安岡洋一郎:今回、一緒にレコーディングを行って「すごいな!」と思ったのが、この「すきぴホリック」、最後の転調部分で歌のキーがいきなり半音ガッと上がるんですけど。普通、アレンジを行うときって、歌い手もそこを意識できるようにと何かしらのきっかけを作るんですね。でも、この曲に関してはそれを入れないほうが格好いいと思い、「きっと歌うの難しく苦労するかな」と思いながらもあえて入れなかったんです。なのにシイナさんは、レコーディングのときからその難しい場面を何事もなかったように、当たり前にクリアしていたんですよね。あのときは、「この子は凄い!!」と内心驚いていました。
シイナナルミ:わたし、この歌が好き過ぎて毎日歌っていたので、完全に身体の中へ刷り込まれていたからだと思います。それくらい、わたし自身が「すきぴホリック」にホリックしてました(笑)
――「すきぴホリック」のMVもドラマ性と格好よさをミックスしていますよね。
安岡洋一郎:MV撮影って、あんなにも大変なんですね。シイナさんもヘドバンしすぎて、ちょっと酸欠ぎみになってしまうときもありましたよね。
シイナナルミ:「すきぴホリック」は長時間の撮影でしたもんね。しかも今回は、好きすぎて頭がおかしくなっちゃっている女の子の世界観を描いているから、歌いながら頭を振りすぎてちょっと目眩を覚えたこともありました(笑)。
MV撮影で嬉しかったのが、わたしの頭の中に描いていたイメージを監督さんやスタッフチームの方々へ具現化していただけたことなんです。「背景をピンクの照明にしてください」「サビの歌詞を映像に入れてください」など、わたしがお願いしたアイデアを、どれもわたしの予想以上の形で返してくださるんです。それこそ歌詞を反映させるうえでも、薄いカーテンの上にプロジェクターで歌詞を映すことでわたしの姿に歌詞が透けて重なるように見えるなど、めちゃめちゃ格好良い仕上がりになったように、本当にみなさんの知恵や気持ちを集結して作った感覚はとても強かったです。
「わたしのほうが絶対幸せに出来るのに、なんで、その女が好きなのよ」という気持ちは、恋した女性ならあること。
――カップリングに収録した「好きな人の好きな人になりたい人生」も明確なイメージを持って作り始めたのでしょうか。
シイナナルミ:この歌も「仮面彼氏」の挿入歌として使おうと思っていたように、ドラマのストーリーとリンクしてゆく歌詞などを心がけました。「好きな人の好きな人になりたい人生」はちょっと片思いの歌というか、失恋の曲なんですけど。少し切なくもエモい感情を自分なりのワードや表現を使って歌詞に投影しています。
わたし、落ちサビで流れる音がめっちゃ好きで、ライブで歌っていると自然に気持ちが入ってしまい、つい悲しくなって泣いちゃいそうになります。それくらい、歌詞と曲調が合っている、とても感情移入していける楽曲になりました。
三浦英之:「好きな人の好きな人になりたい人生」は、A/B/サビメロなどの場面展開を聴いてる人たちにもはっきりとわかる形へ仕上げましたからね。加えて、楽曲全体に切ない感を出したといいますか、「恋愛をしてゆくうえでのピュアな感情をメロディや曲調に出せたらいいな」と心がけたところ、シイナさんの書いた歌詞が乗ったことで、より印象が深まったというか。一つ一つの言葉のパワーが強いから強烈に胸へ響いてきたんですよね。個人的にグッときたのが「君の好きな人は 見るからに 可愛い 黒髪清楚系 私にはわかる、浮気するよ」の歌詞なんです。その言葉には強烈なパワーが籠もっているなと感じました。
シイナナルミ:わー、そこの歌詞に注目してくれるとはすごく嬉しいです。「わたしのほうが絶対幸せに出来るのに、なんで、その女が好きなの?よ」という気持ちは、恋した女性ならあることですからね。
三浦英之:「好きな人の好きな人になりたい人生」は女性の視点ですけど、この気持ち、男性だってありますからね。
安岡洋一郎:そう。男は女々しい存在のようにこういう風に言えないだけであって、内心みんな思っています。
三浦英之:思ってますよ。
安岡洋一郎:「好きな人の好きな人になりたい人生」のアレンジに関しては、もともと三浦さんの作った楽曲がエモかったうえに、そこへシイナさんの書いた歌詞がさらにエモさを加えたように、僕もそのエモさを活かしました。とくに展開の変わり目となるところは僕も、より際立たせた表情にと心がけたところでした。
シイナナルミ:ほんと、エモさが出ていますよね。歌詞も片思いなのか失恋なのか…という内容だから、自分の心情と重ねながら聴いてると自然と感情移入しちゃうんでしょうね。落ちサビの部分で泣いて聴いてる子とかいますし。それくらい歌の世界観に浸って聴いてくれるのが、わたしは嬉しいんです。
これからもチームナルミンでやっていきましょう!!!
――完成した2ndシングル「すきぴホリック」の手応えも、それぞれ聞かせてください。
シイナナルミ:「すきぴホリック」も「好きな人の好きな人になりたい人生」も一つ一つ物語を持った楽曲になったなと思います。ぜひ「この人はこういう心情だから、こういう人が好きなのかな」など、歌詞を読みながら登場人物たちの関係性や背景、そのまわりにいる人たちのことまで想像を巡らせ聴いてください。
今回の2曲は、女の子の心情を記しているように、歌詞をスクショして「この曲めっちゃいいよ、とくにこの歌詞が」と気になる人にメールで送りながら間接的な告白にも使ってください(笑)。それくらい、女子の背中を押す作品ですから。
三浦英之:どちらも完成度の高い楽曲になりました。しかも、2曲とも自分の好きな曲調のままに活かせたのが嬉しいんです。あと、シイナさんとの出会いはとても大きな財産になりました。
安岡洋一郎:僕も、そう。シイナさんってアーティストでありながらもプロデューサーの視点も持っている方だから、シイナ監督と一緒に作品を作りあげられたなという喜びを覚えていますからね。
シイナナルミ:これも運命だと、わたしは思ってます。ぜひ、これからもチームナルミンでやっていきましょう!!!
安岡洋一郎/三浦英之:ぜひ!!!
TEXT:長澤智典
シイナナルミ2ndシングル「すきぴホリック」11月20日発売
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