【レポート】<コロムビアマンスリー
歌謡ライブ>でこまどり姉妹、清水節
子、早瀬ひとみ、村木弾、門松みゆき
と豪華な顔ぶれ

10月9日、東京・代々木上原の古賀政男音楽博物館 けやきホールで、<第63回コロムビアマンスリー歌謡ライブ2019 〜コロムビア花のステージ〜>が開催された。2014年4月から、コロムビアに縁のあるスターが結集し、毎月開催されている<コロムビアマンスリー歌謡ライブ>。この日は、歌謡界のレジェンド・こまどり姉妹をはじめ、演歌界の期待のゴールデンルーキー・門松みゆき、船村徹の最後の内弟子・村木弾、スナック経営から芸能界に転じた異色経歴の歌手・清水節子、文化放送のオーディション企画『スターは君だ!』でグランドチャンピオン(1980年)に輝いた実力派・早瀬ひとみといった独自性の高い豪華な顔ぶれが揃った。
こまどり姉妹
司会は、コロムビアマンスリー歌謡ライブではすっかりおなじみとなった、懐メロに造詣が深い落語家・林家たけ平。まずは、こまどり姉妹の「ソーラン渡り鳥」(1961年)が披露された。今から58年も前の曲を、ご本人である二人が元気に歌う姿を観られるとあって、会場はしょっぱなから盛り上がる。こまどり姉妹が「♪ヤーレンソーラン ソーラン ソーラン」と歌えば、「ハイ! ハイ!」と客席からも合いの手間が入り、温かい雰囲気のスタートとなった。
門松みゆき
芸歴70年のこまどり姉妹から続いて登場したのは、デビューしてまだ半年の門松みゆき。林家から「どうでしたか? こまどり姉妹の歌を聴かれて」と訪ねられ、「本当に尊敬しますね。長く歌われるというのは大変なことだと思います。これから私も頑張っていきたいと思います」と、決意を胸に、デビューシングルから「濡れてめぐり雨」と「みちのく望郷歌」を2曲続けて披露した。作曲家・藤竜之介の元での10年間に及ぶ修行や『第一興商カラオケガイド』でガイドボーカルを150曲以上も担当しているという実績を存分に発揮。「みゆきちゃん!」という声がかかる中、新人とは思えない堂々たる歌いっぷりに大きな拍手が贈られた。
村木弾
続いては、今回の出演者ではただ一人の男性歌手となった村木弾の登場。村木は、まだデビュー3年目だが、林家は「村木さんは貫禄があり、デビュー60周年という感じがする」と笑いを誘い会場を和ませる。村木も負けじと、「秋といえば、やりたいことはなんですか?」という林家のフリに「海水浴」とボケてみせる。落語家でもある司会との軽妙なやりとりにも、もはやベテランともいえる余裕を感じた。会場がすっかり温まった中、1曲目に披露したのは、船村徹が、村木のデビュー(2016年)のために用意していたという曲「親父の手紙」。2曲目は、2019年7月31日発売の新曲「さんざし恋歌」。この曲は、村木弾のデビューを後押ししたプロデューサーでもある歌謡界の大先輩・舟木一夫が作詞し、美空ひばりの「おまえに惚れた」や増位山太志郎の「そんな女のひとりごと」でも知られる徳久広司の作曲による作品。村木の代表曲のひとつとなりそうな印象を強く与えていた。

ここで、「生前に田端義男さんがおっしゃっていました。自分のヒット曲を他の歌手の方が歌ってくれた時にはじめて名曲になる」と懐メロ研究家でもある林家が、田端義男の名言を紹介しつつ、「この人にこの曲を歌ってもらいたい」という、名曲コーナーにつなげる。門松みゆきが、2004年の楽曲で小林幸子の「いそしぎ」、村木弾
が1976年にちあきなおみが歌い1983年に細川たかしにより大ヒットした「矢切の渡し」、清水節子が1937年の楽曲で淡谷のり子の「別れのブルース」、早瀬ひとみが1965年の楽曲で越路吹雪の「ろくでなし」をそれぞれ見事に歌い上げた。
清水節子
ここで15分の休憩をはさみ、再び、清水節子がファンキーな出で立ちで登場。2018年に歌手活動開始10周年を記念して発表した、吉幾三による提供曲「人生ブルース」と2019年7月17日発売の新曲「男に生まれたら」を2曲続けて披露。「男に生まれたら」を作詞した、そうまはやとが来場している中、魂の込もった歌を聴かせた。3曲目は、「男に生まれたら」のカップリング曲「運命(さだめ)」。女のせつない愛情を情感たっぷりに歌唱した。
早瀬ひとみ
続いては、早瀬ひとみが登場。まずは、1983年にリリースしてヒットし『第17回日本有線大賞』の上半期奨励賞を受賞した「ちょっと待って大阪」を歌い、会場は手拍子が沸き起こりヒートアップ。そして、2014年にリリースした浜圭介の作曲によるシャンソンの雰囲気を漂わせた名曲「別離〜さよなら〜」をしっとりと聴かせた。3曲目は、浜圭介プロデュースによる第3弾シングル「京都一人」(2017年)。編曲にも大御所の川口真を起用した、王道ともいえる大人の恋愛を歌った曲で魅了した。
そして、オオトリは、再びこまどり姉妹の登場。81歳とは思えないパワフルな歌声で、デビュー曲の「浅草姉妹」(1959年)から、「三味線姉妹」(1959年)、1963年の第14回「NHK紅白歌合戦」で披露した「未練ごころ」、そして、2014年にデビュー55周年を記念して18年ぶりにシングルカットした「こまどりのラーメン渡り鳥」の4曲を熱唱。デビュー60周年、門付芸人として歌い始めてから70年、こまどり姉妹のその歌謡人生を語りつつの<こまどり姉妹ヒストリー>ともいえる構成に、会場から温かい拍手と声援が贈られた。
ラストは、1936年の楽曲で藤山一郎の「東京ラプソディ」を出演者全員で歌い、古き良き昭和の世界へとタイムトリップ。昭和、平成、令和と世代を超えた歌い手が一同に会した貴重な時間に、歌謡界の明るい未来を感じさせるコンサートとなった。

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