the engyのこだわり抜かれた”かっこ
いい音楽”の裏側

京都発の4人組バンド、the engy(ジ エンギー)。洗練されたメロディと感情豊かな歌詞でリスナーを魅了する彼らは様々な音楽シーンで名を上げ、アルバム『Talking about a Talk』にて待望のメジャーデビューを果たしました。東京と大阪でのワンマンライブも決定し、ますます注目を集めることが期待されるthe engy。今回はギター&ボーカル、そして楽曲制作を手がける山路洸至に曲づくりへのこだわりやワンマンライブへの意気込みを聞きました。

Photography_Kae Honma
Interview&Text_Misaki Ito

とにかくかっこいい音楽を追求するバン
ド、the engy

――まずはバンドの紹介をお願いします。

山路洸至(以下:山路) : the engyは、2014年に僕と大学のサークルが同じだったベースの濱田を中心に結成したバンドです。初めは学内で活動していましたが、2016年ごろからはライブハウスでもライブをするようになりました。2017年の5月に今のメンバーになって、自主音源を出したりライブをしたりして今に至ります。ずっと京都や大阪を拠点にしていましたが、最近は東京での活動も増えてきました。

――the engyは曲によって様々な表情がありますが、バンドのコンセプトは決まっていますか?

山路 : 当初からずっと、僕らの軸はとにかくかっこいい曲を作ることです。「こういうロックを!」みたいなのは一切ないですね。強いていうなら、最近は自分たちの音楽をソウルミュージックに例えることが多いです。そこからロックっぽくしたり、ダンスっぽくしたりして奏でているのかなと感じていますね。

――とにかくかっこいい音楽、いい音楽にこだわっているんですね。歌詞が英語なのはなぜですか?

山路 : 元々洋楽ばかり聴いていたので、曲を作るときも英語を使うのが自然だったんですよね。ギターを始めたとき、近所に後輩が住んでいて、日本語だと何を歌っているかバレるので英語にしたのもあります。歌詞の内容から「あいつフラれたんか?」とか思われたら困るし(笑)。中学生のときから「いつか英語で歌うようになるかもしれない」と思って発音の練習だけは頑張っていましたね。
――曲はどのように作っているんですか?

山路 : ギターを始めた中学生のときから曲を作っているんですけど、息をするのと同じようにずっと考えてます。普段ひとりでいるときは、絶対何か音楽を流してますね。フレーズだけだったら今まで1000曲くらいは作っていると思います。テーマに縛られないので、アルバムの曲の系統もバラバラなことが多いです。かっこいいフレーズが思いついたら、すぐ制作を始められるので楽しいですね。

――1000曲はすごい……! どんなときに良い曲が思いつきますか?

山路 : 一番思いつきやすいのは作業が煮詰まったときですね。煮詰まってきたときでも、疲れ果てるまで絶対に曲作りはやめません。何日もずっと作業していたら、ふっと出てくるときがあるんですよ。今回のアルバムでいうと、作っていた曲がダメなってしまって必死に新しいものを作っていたときに思いついてできた曲が『Sick enough to dance』。あとは電車に乗ってるときも思いつきやすいですね。でもその場で録音ができないので、電車を降りてから改札までのエレベーターの中で急いで歌うことはよくあります(笑)。

――曲作りにおいて影響されているものはありますか?

山路 : 影響を受けていないものはないと思っています。「好きじゃないかも」と思った音楽でも「好きじゃない」という影響を受けているわけなので、好き嫌いせずにいろんなものを見るようにしています。ただ、作り手側にとってはすごく意味があっても、聴いてる方にはあまり伝わってないことがあるというのは忘れないようにしたいですね。

――聞き手の感覚を忘れないことは大事ですよね。山路さんがかっこいいと感じたものがあったら、すぐメンバーに共有しているんですか?

山路 : 僕がいつもデモを作るんですけど、メンバーが感動しないレベルの音楽はやりたくないんです。前はドラムが目立ちそうな曲やベースが好きって言ってたような曲を書いても、あまり喜んでもらえないことがあって。「こいつらなんやねん」と思いながら「これは遊びで作ったやつだけど、どう?」って聞いたら、すごく反応が良いこともあって(笑)それからはメンバーに聞かせてテンションの上がるかっこいい曲を作るようにしていますね。

――ご自身がいいと思って作った曲でも、メンバーの反応が良くなかった場合にぶつかることはないですか?

山路 : 僕は曲を作るのが好きで、何曲でも作れるんです。だからメンバーのテンションが上がらなくても「あ、そうなんや」と受け入れています。いずれソロで演奏するときに使ったり、曲が欲しい人にあげたりすればいいや、みたいな。長くバンドをやっているとメンバーとテンションが上がるポイントが似てくるので、「これ絶対いいって言うだろうな」というのがわかってきましたね。

――それでも音楽の世界観を合わせることは、なかなか難しいですよね。

山路 : 「静かな曲の中に激しいビートがあるのがいい」と思ってメンバーに聴かせても、「静かな曲だから穏やかに演奏したほうがいいな」となりがちなので、世界観のすり合わせは時間がかかりますね。オリジナリティはリスペクトだと思っているので、参考になる曲をいくつか持ってきてイメージを共有しています。

メジャーデビュー・ミニアルバムのテー
マは「会話」

――10月30日にメジャーデビュー・ミニアルバム『Talking about a Talk』がリリースされましたが、どんなアルバムに仕上がってますか?

山路 : テーマは「会話」ですね。さまざまな会話について歌ったアルバムになっています。

――なぜ会話がテーマになったのでしょうか?

山路 : 今までアルバムを作るときに、テーマを決めて1つの作品にすることがなかったんです。6月にデジタル・シングルでリリースした『Touch me』のテーマが「会話」だったので、色々な会話を取り入れたら面白いかなと思って作りました。
the engyのこだわり抜かれた”かっこいい音楽”の裏側はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

アーティスト

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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