スキマ、sumika、King Gnuにフジファ
ブ×バカリズムも 『バズリズムLIV
E 2019』最終日レポ

『バズリズムLIVE 2019』最終日公演が11月10日(日)に横浜アリーナで開催され、4時間30分に渡って6組のアーティストが競演、14000人のオーディエンスを沸かせた。以下、その公式レポートを掲載する。
King Gnu
激しいインダストリアル・サウンドのSEの中、King Gnuの4人が静かにステージに上がる。身体の隅々にまで響くような重量感あるサウンドが奏でられ、常田大希(ギター)と井口理(キーボード)が交互に歌う「飛行艇」でパフォーマンスは始まった。「白日」では井口の透き通るようなファルセット・ヴォイスを聴かせ、「The hole」では常田の荘厳なピアノから、切なくエモーショナルに淡々と歌う井口のボーカルが重なっていく。彼方にはパイプオルガンのような音色も響き、さながら教会音楽を聴いているような壮大なサウンドを紡ぎ出す。
King Gnu
「Slumberland」では、常田が拡声器を持ってアジテーションするように煽り歌い、うねるような合唱が被さり、そのままドラム・ソロに移行する。ラストは常田と井口のボーカルに轟音のギターと重量級のリズム隊が畳み込むように重りあう「Flash!!!」。この間、MCは一切なし。最後に井口が『サンキュー!』と一言だけ呟いて舞台を降りていった。オーディエンスを見惚れさせる清々しいまでの潔ぎよいステージであった。
KEYTALK
2番手はKEYTALKの4人。オープニングSEの中、勢いよくステージにあらわれ、左右の花道まで走り回り、のっけからサービス精神100%のボルテージ。その溢れんばかりのパワーで1曲目から会場をグイグイと盛り上げる。もっともKEYTALKの魅力は勢いだけではない。なんと言ってもギターの寺中友将とベースの首藤義勝、ふたりの掛け合いツイン・ボーカルだ。「Love me」での美しいハーモニーは秀逸モノ。そんなふたりを支えるのが小野武正のメロディアスなギターと重量級のリズム隊。彼らの繰り出すファンク、ディスコ・ビートやEDMは卓越した技術の演奏があってこそ。
KEYTALK
中盤のKEYTALK恒例のギター小野武正による『ペーい!』のコール&レスポンスで、会場を十二分に温めると、いよいよ本領発揮。『お祭り騒ぎの準備出来てますか!』と始まったのは、和のテイストを盛り込んだパーティー・チューン「MATSURI BAYASHI」。"もういっちょ!"の掛け声に合わせ14000人がその場でジャンプし、"祭りじゃ!祭りじゃ!"のコールに酔いしれる様は、まさにお祭り。そこへ畳み掛けるように『今日いちばんのダンス見せてもらっていいですか?行くぞ〜ラスト!』と「MONSTER DANCE」を投入。これ以上はないというほどに盛り上げ、35分のステージを全力疾走した。
sumika
昨年に続いて『バズリズムLIVE』2回目の参加となるsumikaは、登場のSEなしで最新シングル「イコール」、タイトル通りの弾けるようなポップナンバー「ソーダ」を立て続けに演奏。14000人の観客で埋まった会場を見回し、ボーカルの片岡健太は『2階の横の方までびっしり!』と驚く。sumikaの4人は全員が神奈川出身で、ここ横浜アリーナは地元。それゆえ満員の客席には感激もひとしお。『バカリさんとは地元の川崎で一緒に野球したり、番組スタッフのみなさんはライブに来てくれて、熱い気持ちをちゃんと言葉にして伝えてくださり、みんな"音楽仲間"だと思ってます!』と伝え、『いち"音楽仲間"として最高のライブにしたいと思ってます!』とこの日の気合を宣言する。
sumika
1秒間で世界が変わる曲!と紹介した「MAGIC」、ブラックテイスト溢れる「Traveling」、めまぐるしく変化するリズムとメロディの「ペルソナ・プロムナード」と続け、会場を揺らす。客席もそうだが、何よりもメンバー自身がここで演奏できるのを心の底から楽しんでいる様子が伝わってくる。『ずっと続けばいいのにね』と名残惜しそうに、sumikaのメンバーが最初に作った曲「⾬天決⾏」を歌って35分のステージを締めた。
フジファブリック
トリ前は15周年を迎えたフジファブリック。映画『パルプ・フィクション』のテーマ曲「ミシルルー」が流れる中、メンバーがステージに登場。かつて人気ドラマ&映画の主題歌にもなった「夜明けのBEAT」を1曲目に持ってきてオーディエンスのハートを鷲掴みにすると、「銀河」「LIFE」に「徒然モノクローム」といったパワーポップを次々に繰り出し場内を興奮の坩堝に叩き込む。これにはメンバーにも伝播。山内総一郎は広いステージを左右に動き回り、ボーカル・パートでマイクまで辿り着けない一幕もあったほど。この会場の熱気に山内は『今日ここに集まってる人をみて、みんな未来が見えてる人たちだというのを確信しました!』と感無量だ。
フジファブリック
『最後に、みなさんにこの曲を贈りたいと思います。心を込めて歌いたいと思います』とラストナンバー「若者のすべて」を、横浜アリーナの隅々まで届くよう、じっくりと歌い上げる。先程までの喧騒とは打って変わり、客席も微動だにせず、じっと聞き入っていた。
■フジファブリズム
大きな拍手に包まれた感動のバラードのあと、スクリーンに映し出されたのは『バズリズムLIVE』におけるバカリズムとのコラボ紹介VTR。バズリズムLIVEの恒例企画で、これまでに秦基博との「ハタリズム」、いきものがかりの水野良樹との「いきものばかり」、大原櫻子との「大原バカリ子」と爆笑(大マジ?)コラボ・ステージを見せてきた。そして今回のコラボ相手はフジファブリック! VTRではコラボに至った経緯が流され、新たなユニット「フジファブリズム」がステージに登場。センターには赤いストラトキャスターを抱えたバカリズムが陣取る。
フジファブリズム
新曲のタイトルは「Tie up」。曲はフジファブリック、詞はバカリズムが担った紛うことないコラボレーションだ。山内の弾くイントロのギターリフ。これは紛れもないフジファブリック・サウンド!そこへ♪〜タイアップが取れたらいいのに〜タイアップを愛してる〜♪」とシュールな歌詞をバカリズムと山内が交互に歌う。強烈な違和感があってもおかしくない筈なのに、「♪〜タイ・アップ〜♪」と一緒に口ずさんでしまう。気がつけば客席も大合唱してる始末。あれ?ひょっとしてイイ曲か?歌い終えるとバカリズムはロックスター風に『どうもありがとう』とつぶやいてステージを降りた。
フジファブリズム
ステージ下手に集まったメンバーは佐藤梨那アナのインタビューに答える。バカリズムは満面の笑顔を浮かべ「めっちゃ楽しかった!」とコメント。ただ「緊張しましたよ。だって、あんな名曲のあとに、これ歌うんですもの」と恐縮しきり。山内は「ミュージシャンには憚れて、とても書けない、いい歌詞です!」とバカリズムの詞をたたえた。かくして、恒例コラボ企画は大爆笑のうちに大成功。果たして来年は、どんなコラボをぶち込んでくるか!
フジファブリズム
『バズリズムLIVE 2019』最終日のトリはスキマスイッチ。1曲めから、いきなりの「奏 (かなで) 」で場内はざわつく。前半は大橋卓弥の声をじっくり聴かせるべく、バラード/ミディアム・テンポの楽曲が並ぶ。そんなしっとりとした雰囲気を一変させたのが大橋と常田真太郎の掛け合い。このメンツの中で俺たちが出ていいの?という自虐ネタから始まったトークネタ。King Gnuに同姓のメンバーがいて「今、常田って来てると思う」と自信満々。しかし同じ名字なのに、あっちはセクシーだもんね、読み方が違うからかなぁとぼやく。そこへ大橋が『おまえのセクシーは高2で捨てたもんな!』と突っ込む。こんなやり取りが繰り広げられ場内は大爆笑。
スキマスイッチ
いい感じで温まった頃に「ガラナ」「Ah yeah!!」とアップチューン・ナンバーを畳み掛け、14000人を総立ちにさせるところはさすがのステージング。そしてラストは『知ってる人は一緒に歌ってください!』と鉄板の「全力少年」に突入。中盤、大橋はステージを降り、客電が全開となった明るい会場をアリーナ最後方まで全力で駆け抜けオーディエンスを煽る。これにはお客さんも大喜びで、サビでは14000人の大合唱。
最後は常田のピアノの上に飛び乗り、地上に向かってハイ・ジャンプで怒涛と興奮のステージを締めくくった。どのバンドのファンにも、しっかりと自分たちをアピール出来る力強さがスキマスイッチにはある。改めて彼らの無双ぶりを見せつけられたパフォーマンスで2日間に渡って開催された『バズリズムLIVE 2019』は終了。
スキマスイッチ
なお。『バズリズムLIVE 2019』の模様は11月29日(金)と12月6日(金)の『バズリズム02』、12月21日(土)のCS日テレプラスにて放送される。

撮影=山内洋枝

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