満島ひかり×坂口健太郎出演 舞台『
お気に召すまま』がテレビ放送決定 
満島と坂口のインタビューも公開

2019年11月9日(土)WOWOWにて、舞台『お気に召すまま』を放送することが決定した。本作品は坂口健太郎がオーランド、満島ひかりがロザリンドを演じ、新たな魅力を見せた舞台となった。演出は2010年『おそるべき親たち』が文化庁芸術祭演劇部門大賞ほか各賞を受賞した演出家・熊林弘高。2016年に演出を手掛けた『かもめ』に出演していた満島ひかりと坂口健太郎、中嶋朋子、小林勝也、山路和弘らも再集結した作品となり、坂口が演じるオーランドと満島が演じるロザリンドを中心に、さまざまな恋模様が描き出されている。
公演期間中、坂口健太郎に、公演期間終了後、満島ひかりにインタビューを行った様子が届いたので、紹介する。
坂口健太郎インタビュー
ーー今回、演出家の熊林さんはじめ、スタッフ・キャストで共有されていた一番のメインテーマは?
秩序と混沌の差というのは、皆さん共通認識を持っていたんだろうなと思います。もちろん、エロスだったり、ちょっとセクシャリティな部分だったりというのは、肉体表現も多いし、見て分かるものなんですけど。でも、秩序、固定された宮殿と、そこから森に入った瞬間の差というか、それは稽古中も皆すごく意識はしていましたね。最初本を読んだ時に、良く分からなかったんですよ。隠語もすごく多いし、シェイクスピア作品だからというのもあると思うんですけど、何を意図して、何を意味しているんだろうというのが、凄く分からなかったんですね。だけど皆で少しずつ解釈を進めていくうちに、こういう取り方も出来るし、こういう考えも出来るし、解釈によって、全く違う方向に、アプローチが出来るというか、凄い広い本だなというのは、とても思いましたね。だからその秩序と混沌っていうのは凄く意識はしていたんだなと思いますね。
ーー生々しいテーマに対して舞台上で演じる上で何か躊躇みたいなものはありますか?
僕は無かったですね。でも、美しくは見えていたいなというのは頭にはありましたね。例えば僕が三幕でジェイクスと揉みあうシーンがあったりして、ああいう時って、どうしても役としても男性同士の関係性じゃないですか。だけどジェイクスはそういう男性同士も全く厭わないような存在でもあるし、そういう時に、ただただそのエロスの部分が走りすぎてしまうと、ちょっとお腹いっぱいになっちゃうような気はしていて。だからもう一つ何か、エロスの他に、肉体的な強さでジェイクスは求めてくる、僕は離れたい、そういうエネルギーのぶつかり合いというか、そういうエロスだけではない何かプラスアルファをきっと熊林さんは見せたかったんだろうなと思っています。多分、エロスだけだったら簡単にセックスをする行為を見せればいいだけなんですけど、そこにもう一つ、逃げる追いかける、このエネルギーのぶつかり合いだったりとか、それはきっと一番最初のエロスが発揮されていないレスリングのところとかでも、凄く動きだったりで見せてはいるんですよね。ちょっとハッとしてしまうような息をのむ感覚というか、僕は肉体を出す場面が多く、オーランドは凄く強さを持っている役だと言われてはいたので、やっぱりどこかその強さの裏打ちとして、体重も増やしたりはしたんですけど、まずそれがあって、その裏に見えてくる、エロスの部分、セクシャリティな部分というのは、凄く大事にしないといけないなと思いましたね。
ーー満島ひかりさんとこのお芝居を作っていく中で、お互いの間で会話した事はありますか?
本の話じゃないですけど、やっぱり僕らは解釈して分かっているんだけど、勿論分かってない所もありながら、こういうことなのかなというのを少しずつ進めていく中で、お客様は全く分からないよねっていう話に一度なったことがあったんですよ。もし「お気に召すまま」を知らない人が初見で作品を観た時に、きっと何を伝えたくて、こんな表現をしているというのが、もしかしたら伝わらないかもしれないよねという話になって。だから僕らがやっているから分かるけど、知らない人にもいろんな、全部は教えなくていいと思うんですけど、なんかこういうことなのかもしれないって欠片でも分かるように、セリフのやりとりだったり、体の使い方だったりを満島さんとは話しましたね。

満島ひかりインタビュー
ーー全公演を終えて、今どんなお気持ちですか?
ゲネプロ合わせて33回あったんですね。その舞台上できちんと支度もして全編通すというのが、私が33歳で、一公演ずつ今までの自分にさよならしていく感じで、やっていましたね、ずっと。なんだか何も残ってないです。終わって次の日に、あれ昨日まで何してたんだっけ、と思うくらい、作品がちゃんと最後で終わっていました。もちろん、もっと出来ることはあったなぁとか思うことはありますが、でも、あの日あの場所で出来ることは全てやったという感じはあります。
ーー視聴者の方に、どのようなところを楽しんで観てもらいたいですか?
私もすべての作品を観ていないので何も言えないですけど、日本でずっと上演されてきたシェイクスピア作品とはまた一味違うような翻訳が出来て、それを役者たち自身も混乱しながら、全力で舞台の上に立っていて、かなりフィジカルが大事な舞台だったんですよね。坂口くんも戦ったり、中村蒼くんも客席を使ったり、他の俳優さんたちも皆そうですけど、あの走り回って飛び回って、なのに高尚なセリフを、でもちょっと今時みたいなセリフを言っていると、すごく面白いチャレンジをしたような舞台だと思っていて、本当にあのいろんなことを。演劇の固定概念を外して、お気に召すままに観て頂けたら宜しいかなと思います。なんか上手いこと言ったみたいになっちゃった。 でも本当にお気に召すままにって感じですかね。

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