レキシを聞いて歴史を学ぼう！「最後
の将軍 feat.森の石松さん」のテーマ
は何？

歴史をテーマにした曲のみを歌うユニット、レキシ。毎回どんな人物や事件が取り上げられるのか、そしてどんなアーティストがゲスト参加するのかにも注目が集まっています。そんなレキシの名曲「最後の将軍 feat.森の石松さん」について詳しく解説します！

「森の石松さん」とは誰？
レキシは元SUPER BUTTER DOGの池田貴史によるソロユニットです。

歴史好きが高じて、歴史をテーマにした曲を作っていたらそれがアルバムになりライブをするようになりどんどん広がっていったそうです。

単なる企画ものにとどまらない楽曲のクオリティやコンセプトの見事さ、そしてライブでのMCの面白さも相まってチケットが取りにくくなるほどの大人気となっています。

レキシの曲に参加したアーティストやミュージシャンには「レキシネーム」と言われる別名がつけられます。

今回取り上げる「最後の将軍」では全編女性ボーカルがフィーチャリングされていますが、この「森の石松さん」とはいったい誰なのでしょうか？

もったいぶっても始まらないので、正解をお伝えしましょう。「森の石松さん」とは、女優の松たか子なのです！

女優としての活躍はもちろん、歌手としても多くのヒット曲を持っている松たか子。ディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let it go～ありのままで」の日本語版を歌ったことでも知られています。

松たか子がボーカルをとる「最後の将軍」とは一体どんな曲なのでしょうか？

歌詞とともに、歴史の勉強を始めましょう。

テーマは「大政奉還」
「最後の将軍 feat.森の石松さん」は2016年にリリースされたアルバム『Vキシ』に収録された曲です。

アルバムの最後を飾るにふさわしい、壮大なバラードとなっています。歌詞を見ていきましょう。

最後の将軍 feat. 森の石松さん 歌詞 「レキシ」
https://utaten.com/lyric/sa16062122

歌いだしから歌詞を見ると、歴史を歌った曲とは思えません。ぱっと見は普通のラブソングに見えると思います。

ただ、このカップルの恋愛はうまくいっていないように見えます。二人の関係に終わりが見えていることがほのめかされています。

わがままに言葉を重ね、心も冷え切ってしまっている。
そんな状態で、これからも関係が続いていくとは思えません。
この関係はどうなってしまうのでしょうか。

最後の将軍 feat. 森の石松さん 歌詞 「レキシ」
https://utaten.com/lyric/sa16062122

ここでいきなり「幕府」という言葉が出てきます。

幕府を終わらせる最後の将軍、ということはこの曲の主人公は江戸幕府の徳川第15代将軍、徳川慶喜のことなのです。

徳川慶喜は慶応3年（1867年）10月14日、政権返上を明治天皇に奏上します。

いわゆる「大政奉還」ですね。

関ヶ原の戦いで徳川家康が将軍となって以降、250年以上続いた徳川幕府は終焉を迎えるのです。

そして時代は明治となり、日本は鎖国を解かれ西洋文化を取り入れた新時代に移行することになるのです。これが明治維新です。

「最後の将軍」は大政奉還による幕府の終わりと恋愛の終わりを重ねたラブソングになっているのです。

単純に歴史の勉強をしようと思ってもなかなか頭に入ってきませんが、こうやって曲になると自然と覚えられる気がします。

レキシの曲は実はちゃんと歴史の勉強にもなるのです。

何事にも終わりがある
最後の将軍 feat. 森の石松さん 歌詞 「レキシ」
https://utaten.com/lyric/sa16062122

幕末というのは数々のドラマや小説、映画でも舞台になる時代です。徳川慶喜の生涯というのもいろいろな形で語られてきています。

しかしこのような形で曲になったのはおそらく初めてではないでしょうか。

物事には始まりがあれば必ず終わりが来ます。どんなに愛し合った二人にも別れの時はやってくるのです。

愛が冷めてしまうこともあります。
そして最後まで添い遂げたとしても、死が二人を分かつことは避けられません。人は出会った時から別れる運命なのです。

栄華を誇った徳川幕府でもそれは同じです。永遠に続くものなど無い、世のすべては諸行無常であるというのもこの曲のメッセージなのかもしれません。

もう一度最初から「最後の将軍」を聞いてみましょう。壮大なテーマを歌った曲だと感じられないでしょうか？

レキシで歴史を学ぼう
レキシの名曲「最後の将軍 feat.森の石松さん」について解説してみました。

この曲では大政奉還でしたが、レキシの曲は他にも様々な歴史上の人物や事件について歌っています。

ぜひ、楽しみながら聞いてください。

TEXT まぐろ