ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B
’wayミュージカル非公式ガイド【20
19年11月編】
イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出による『ウエスト・サイド・ストーリー』リバイバルという大作のみを残し、今月で秋の新作ミュージカルがひと通り出揃うブロードウェイ。秋の新作はそもそも期間限定公演だったり、客入りが悪くて年を越せなかったりすることが多いため、最大の開幕ラッシュである春に照準を合わせると、年1回の渡航では観逃がしがちだ。今年もその状況に変わりはなさそうで、『フリースタイル・ラブ・シュプリーム』は1月まで、『アメリカン・ユートピア』は2月までと最初から決まっているし、『パーシー・ジャクソン』は目下のところ大爆死中。『ムーラン・ルージュ!』と『ティナ』は安泰と見ているが、今月オープンの『ジャグド・リトル・ピル』はどうなのだろうか? 「私が行くまで待ってて」と念を送りつつ、そろそろ次の渡航計画を立てたい今日この頃だ。
Q.気を付けたいマナーは?
ブロードウェイの客層は基本的に、奔放なアメリカ人と玉石混交の観光客から成っているので、日本ほどマナーにうるさくはない印象。開演中に喋る、食べる、前に乗り出す、携帯を鳴らす、写真を撮るなどはわりと日常茶飯事なので(もちろん禁止はされているし、客同士で注意しあう光景はよく見かける)、お行儀の良い我々日本人は普段通りにしていれば、目くじらを立てられることはないだろう。逆に、拍手歓声指笛が大好きな人々に混じると大人しすぎて浮いてしまう可能性はあるが、無理して盛り上がる必要もないと思っている。
服装についても、本当に色々な人がいるので、めかしこみたければめかしこんでもいいし、Tシャツにサンダルで行っても追い帰されることはないという感じ。ただし、演目によっては身なりの良い紳士淑女しかいないこともあり、ミュージカルだとヴィヴィアン・ボーモント劇場の演目に要注意だ。オペラハウスやジュリアード音楽院と同じリンカーン・センター内にあるせいか、どの演目がかかっている時に行っても、わりとみんなちゃんとしていた記憶。渡辺謙の『王様と私』も、そんな上品な雰囲気の中で上演されていた作品のひとつだ。
ザ・劇場街からはちょっと離れたところにあるリンカーン・センター
基本的に日本と同じマナーで臨めば問題ないと思っている中で、気を付けたいことが二つほど。一つは単純に、外国人は概して体格がいいので、前を通る人が「Excuse me」と言って来た時には身を縮めるだけではなく立ちましょうということ。そしてもう一つは、寝ないようにしましょうということ…。日本人はもともと居眠りしやすい民族(筆者調べ)である上に、日米間は時差がエグいので観劇中に眠くなりがち。防ぎようのない時もあることは身を持って経験済みだが、せめて舟だけは漕がないよう、万全の対策を施して臨みたい。
【今シーズンの新作】
■11月に始まる作品
『Jagged Little Pill』11月3日プレビュー開始/12月5日開幕
アラニス・モリセットの同名アルバムをミュージカル化。『ピピン』の演出家の最新作。
https://jaggedlittlepill.com/
アラニス・モリセットの同名アルバムをミュージカル化。『ピピン』の演出家の最新作。
https://jaggedlittlepill.com/
■既に上演中の作品
『David Byrne’ s American Utopia』
ミュージカルではなく「一生に一度の」「シアトリカルなコンサート」とのこと。果たして。
https://americanutopiabroadway.com/
ミュージカルではなく「一生に一度の」「シアトリカルなコンサート」とのこと。果たして。
https://americanutopiabroadway.com/
『Tina:ザ・ティナ・ターナー・ミュージカル』プレビュー中/11月7日開幕
ロンドンでの好評を受けてBW入り。オリヴィエ賞ノミネートの主演女優が続投!
https://tinaonbroadway.com/
ロンドンでの好評を受けてBW入り。オリヴィエ賞ノミネートの主演女優が続投!
https://tinaonbroadway.com/
【ロングラン作品】
■日本で既に上演された/されている作品
■日本未上演の作品
【11月のミュージカルイベント】
劇場街から徒歩圏内にある世界最大級のデパート「メイシーズ」の主催により、毎年感謝祭の日に行われる「メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード」。アメリカ国内に数ある感謝祭パレードの中でも特に規模が大きいことで知られ、毎年NBCとCBSで生中継されるほどの“国民的イベント”だ。またニューヨークらしく、毎年いくつかの新作ブロードウェイ作品からキャストが参列したり、メイシーズ前でパフォーマンスを行うことでも有名。果たして、今年11月28日のパレードに姿を現す作品は――? 続報に注意したいとともに、もし当日ニューヨークにいるならぜひとも生で体感したいイベントだ。
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