ラインハルトとヤンがついに戦火を交
える、舞台『銀河英雄伝説 Die Neue
These ~第三章 嵐の前~』​が開

田中芳樹原作のSF超大作「銀河英雄伝説」の舞台の第三章が開幕した。アニメ放送に合わせて、2018年10月より始まった舞台新シリーズは第一章で「アスターテ会戦」、第二章で「イゼルローン攻防戦」を描き、そして第三章では「アムリッツァ星域会戦」からが展開される。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
キャストやメインスタッフは第一章から変更がなく、人間関係もキャラクターの構築も時間をかけてじっくり成長してきたのだろう。ヤンの思慮深く冷静に戦局を見る雰囲気や、ラインハルトの高貴で堂々とした様子、自由惑星同盟軍の空気感、銀河帝国軍の規律や様式美を体現する様などは今までよりさらに深化している。
ストーリーの面で言えば、今までは直接的な対決が少なかったラインハルトとヤンだが、今回は戦火を交える様が描かれており、映像・音響・光を存分に使用して描かれる戦闘の様子は、とても激しくて迫力がある。戦艦に乗り込んだラインハルトをはじめとする指揮官が「Fire!」や「打て!」と号令をかける様はとてもスマートで見入ってしまう。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台挨拶でキャストも話していたが、今回は双璧と言われる銀河帝国のロイエンタールとミッターマイヤーの活躍にも注目すべきところだろう。戦艦を統率しての戦いのみならず、刀・斧などの武器を手にしての戦闘(白兵戦)も繰り広げられる。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより
一方、自由惑星同盟側も銀河帝国軍との戦いの後、緊迫する内部情勢の変化により第十三艦隊にキャゼルヌやアッテンボローなどが加わり、ついに主力メンバーがヤンの元に勢ぞろいする。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより

舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』ゲネプロより

さらに、ヤンとフレデリカの接点、ユリアンの軍属、ポプランの戦闘、ジェシカたち民衆の想い、ラインハルトとヒルダ、オーベルシュタインの暗躍……見どころがたくさん詰まっており、物語が大きく動き出す内容になっている。
ゲネプロ公演前にキャスト14名が舞台挨拶に登壇し、意気込みを語った。一人ひとりが緊張した面持ちで挨拶をする中で、アッテンボロー役の伊勢やキルヒアイス役の加藤が場を和ませていたのが印象的だった。
舞台挨拶~自由惑星同盟~「今回は過去最大の人数」
ーー舞台出演に向けての抱負や意気込みをお聞かせください。
ヤン・ウェンリー役 小早川俊輔:第一章、第二章では同盟軍、帝国軍の軍事的攻防や内部情勢が描かれていましたが、この第三章ではヤンとラインハルトの直接対決が激しくも緻密に展開されていっていると思います。その影響が、その戦果がどう両国に影響するのか。まさに激動の始まりを感じる物語になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
アレックス・キャゼルヌ役 米原幸佑:ちょうど1年前の10月に初演を迎えて、今回で3作目、僕自身も3回目の出演です。今回からのメンバーや前回からのメンバー、いろんな力が集結して第三章を迎えることが出来ました。戦闘では白兵のシーンなどもあり、今回が一番派手なんじゃないかなと思っていますので、楽しみに観に来てほしいなと思います。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ダスティ・アッテンボロー役 伊勢大貴:アッテンボローとして3回目の出演です。(小道具の)メモ帳もだいぶくたくたになってきて、味が出てきています。このメモ帳はアッテンボローの良い相方なので、これが育っていくこともすごく嬉しいです。今回は過去最大の人数なので稽古場も非常に大変でしたが、みんなで力を合わせて「銀河英雄伝説」の世界観を作ってきたので、ぜひ楽しみに観に来てほしいです。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ユリアン・ミンツ役 小西成弥:これまでずっと私服だったんですが、今回からこうして軍服を着られるということで本当に嬉しく思っていますし、まだ慣れていないなという感じもあります。大切にこの服を着させていただいて、しっかりユリアンを演じられたらいいなと思います。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
オリビエ・ポプラン役 碕理人:第一章でジャン・ロベール・ラップという役で出演させていただき、第二章は参加することができず、そして第三章でオリビエ・ポプランという役で戻ってくることができて本当に嬉しく思います。また新たな自由惑星同盟のメンバーと一緒に新鮮な気持ちで第三章を全力で楽しみながら演じることができたらいいなと思っておりますので、ぜひみなさん劇場へ足をお運びください。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ジェシカ・エドワーズ役 汐月しゅう:軍人たちの戦いがメインに描かれている作品ではありますが、その後ろにいる民間人たちの姿や信念を描く役割が自分にはあると思っています。ジェシカはヤンの友人ですが、全ての人物の後ろにこういう存在がいたのかなと感じていただけることで、作品に奥行きを持たせていけるように頑張りたいと思います。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ワルター・フォン・シェーンコップ役 大高雄一郎:第二章に引き続き、この作品で生きれることを大変嬉しく思っております。戦艦シーンや白兵のシーンが多いんですが、今回はそういうところだけではなく、戦艦の中で暮らしている人の日常とか何気ないところも描かれているのでそういうところも楽しみにしていただけたらと思っております。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
フレデリカ・グリーンヒル役 福永マリカ:今回はここに立っている出演者はもちろん、この舞台挨拶に立っていない人物の活躍もすさまじいです。いろんな人の人生が描かれているので、全ての人に注目して観ていただけたらと思います。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
舞台挨拶~銀河帝国~「小説のト書きを表現する」
ーー舞台出演に向けての抱負や意気込みをお聞かせください。
ラインハルト・フォン・ローエングラム役 永田聖一朗:今作はサブタイトルに「嵐の前」とあり、次につながるための作品だと思っております。ラインハルトとしては、とうとう皇帝が崩御して実権を握っていくところのお話です。第一章、第二章を経ての第三章では、追加キャストの皆さんを迎えてさらにさらにパワーアップした作品になっているのではないかと思っております。今回、迫力のあるシーン、見ごたえのあるシーンが多くて、初めて観る方でも楽しんで頂ける内容になっていると思いますし、小説のト書きを表現することを努めていますので、原作を知っている方はぜひ一読してから観ていただけたら、また違う楽しみ方ができるのではないかなと思っております。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ジークフリード・キルヒアイス役 加藤将:やってまいりましたよ! 第二章は「プロージット!」と出撃してめちゃくちゃ良いところで終わったんですよね。その続きが観れるということは! 頭からド迫力の戦闘シーンです! しかも同盟軍と帝国軍がバチバチに戦うわけです。第一章でもアスターテ会戦などの戦闘シーンもありましたが、それ以上に迫力があります。映像もそうですが、艦隊戦ではキャストがたくさん一斉に舞台上に出るシーンもあるので、すごく迫力もあります! キルヒアイスとしてはラインハルト様とどうなっていくのかが見どころです。さっきフレデリカ・グリーンヒル役の福永マリカさんが言ったように、舞台挨拶に出ていないキャストたちもたくさんいます。その人たちも僕たちと一緒でキャラクターの人生を一生懸命生きて、ひと公演で必死にその人の人生を描いてくれているので、「銀英伝」は目がひとつでは足りないと思うんです。なので、たくさん観ていただいて……。
永田:目はふたつあるよ……?
加藤:目はもちろんふたつありますけど! ありがとうございます、ラインハルト様!
一同:(笑)
加藤:目はふたつじゃ足りないので、たくさんいろんな人の人生を、その人が亡くなるまでをしっかり見ていただきたいなと思います。こうして第一章、第二章、第三章とシリーズが続いていくからこそ素敵な作品になると思います。僕はジークフリード・キルヒアイスとして最後まで生きていけたらいいなと思って演じていきたいです。引き続き「銀河英雄伝説」の応援をよろしくお願いします!
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
オスカー・フォン・ロイエンタール役 畠山遼:今までの第一章、第二章で、僕とミッターマイヤー役の釣本南くんはずっと艦隊に乗らずに銀河帝国内で過ごしていましたが、今回から艦隊に乗ることができました。作中最強と言われるオフレッサーとの白兵戦もあり、今までで一番見どころがあるんじゃないかなと思っております。「銀英伝」を愛してやまない演出家・大岩(美智子)さんと共に、スタッフ、キャスト全員で最高の「銀河英雄伝説」の世界を作りあげていきますので、みなさんに銀河の歴史を見届けていただければ嬉しいなと思います。
ウォルフガング・ミッターマイヤー役 釣本南:新しいことにチャレンジしている作品だと思っております。このキャスト、僕らにしかできないことをやるために準備してきたつもりです。今日から千秋楽まで駆け抜けていきます。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ役 君島光輝:私は今回この作品に初めて参加させていただきます。歴史があり、長きにわたって愛され続けている作品に出させていただけることが本当に嬉しいです。第三章でヒルダは初めて登場しますが、私以外にも今回初めて登場するキャラクターもいますので、新しく加わったキャラクターと、この物語がどう展開していくのか楽しみにしていただけたらと思っております。劇場でお待ちしております。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
パウル・フォン・オーベルシュタイン役 藤原祐規:第三章は、帝国側としてはラインハルトが実権を掴むためについに動き出すという話になっております。オーベルシュタインとしてはとにかく暗躍しているという。良くも悪くもオーベルシュタインの参加によって話が進んでいくのがこの回だなと思っております。お話としてもとても大きく動きますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。みんなも言っていましたが、大規模な艦隊戦から始まって、ウチの双璧(ロイエンタールとミッターマイヤー)がオフレッサーと激しい戦いを行いますので、エンタメ的にも強く打ち出していて見やすい舞台となっていると思います。やはり舞台は生が良いと思いますのでぜひご来場ください。
舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These~第三章 嵐の前~』舞台挨拶より
場を和ませる伊勢(右)と思わず笑顔になる小西(左)
目はふたつじゃ足りないので……/元気よく話す加藤(右)とフォローをする永田(左)

(c)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会
取材・文・写真:松本裕美

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