舞台『里見八犬伝』が開幕 初座長の
佐野勇斗「舞台ってこんなに楽しいん
だ!」と笑顔

今注目の若手俳優・佐野勇斗が主演を務める舞台『里見八犬伝』が10月17日(木)、東京・なかのZERO大ホールにて初日を迎えた。初日直前に同劇場にて会見とゲネプロ(通し稽古)が公開され、本番さながらの熱い舞台が繰り広げられた。
本作は、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』をもとに、新たに創作されたスペクタクル時代劇。仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の8つの玉に導かれた8人の犬士(剣士)たちが出会い、悪霊たちに戦いを挑む物語。脚本は鈴木哲也、演出は深作健太が務める。本来は10月14日(月・祝)に原作の舞台・千葉県館山市にて初日を開ける予定だったが、台風19号の影響で中止となり、この日、仕切り直しの初日を迎えた。
注目の八犬士は犬塚信乃役を佐野が務め、犬川荘助役を松田凌、犬田小文吾役を岐洲匠、犬江親兵衛役を神尾楓珠、犬坂毛野役を塩野瑛久、犬村大角役を上田堪大、犬飼現八役を結木滉星、犬山道節役を財木琢磨が演じる。
(前列左から)深作健太、岐洲匠、佐野勇斗、松田凌、財木琢磨、(後列左から)上田堪大、結木滉星、神尾楓珠、塩野瑛久
ゲネプロ前の会見には、佐野、松田、岐洲、神尾、塩野、上田、結木、財木、そして深作が出席。10月14日の公演が台風19号の影響により中止になったことについて、佐野は「実際に館山に足を運び、館山の皆さんの『里見八犬伝』への愛を感じたので、ぜひ観ていただきたかったのですが、残念で悔しいです」と苦しい表情で語りつつも「今回初めて座長を務めさせていただきますが、殺陣の経験も初めてで。“初めて尽くし”で最初は不安でしたが、深作さんやキャスト・スタッフの皆さんにたくさん支えていただき『舞台ってこんなに楽しいんだ!』と思えた作品になりました」と喜びを表した。
佐野勇斗
松田凌
塩野瑛久
上田堪大

以下、松田たちも館山初日が中止となった事に触れながら挨拶。松田は「こういうときだからこそ、座組の力が発揮できると信じていますし、皆の思いも一つなので、少しでも力になれるような作品を届けていきたい」、塩野は「嵐のあとはきっと晴れるはず。晴れるための最初の風が、この東京公演になればいいなと思っています」、上田は「被災された皆さんの思いとか、いろいろなものを背負って本番に臨みたいです」と素直な心境を口にする。
結木滉星
財木琢磨
深作健太
結木は「館山の皆さんを勇気づけられるような作品をお届けしたい。まずは、僕らが精一杯楽しみます」、財木は「劇中でも災害が登場しますが、それでも強く生き続けるということを表現して、皆さんを勇気づけられる舞台にしたい」と意気込みを見せ、深作は「2012年に震災からの復興をテーマに幕を開けた『里見八犬伝』。あれから7年が経ち、今回で4回目の公演になります」と歴史を振り返り、「今回のキャストの皆さんは本当に素晴らしい。リクエストにもすぐに応えてくださるし、芝居全体のクオリティも大変上がっています。早く全国に届けたいです」と胸を張った。
岐洲匠
神尾楓珠
本作が初舞台となる岐洲は、作品に出演する事について「未知の世界です。殺陣もありますし」と緊張から照れ笑いを浮かべる。続けて「舞台上でみせる感情のバランスを取ることが難しかったです。感情を表に出さないといけないけど、感情を出しすぎるとケガに繋がるのでセーブしないとならないし」と気を付けている点について触れた。岐洲と同じく初舞台を踏む神尾は「稽古を通して、今までつちかってきたものだけでは出来ないことや、足りないものが見えました。初めて“初日”を迎えますが、楽しみながら演じたいですね」と笑顔で気合いを入れていた。
ゲネプロの模様も紹介しよう。
浜路(宮﨑香蓮さん)は誤って信乃に斬られてしまい……これが悲劇の始まりに。
塩野さん演じる犬坂毛野、艶っぽくてドキドキです!
よく見ると分かりますが、通路に登場します!お楽しみに!
ステージには可動式の岩山のようなセットが4基。洞のようにくりぬかれていたり、階段上になっていたりと、動かし方次第で様々な表情をみせることが出来るようになっていた。そのセットの上を佐野を初めとするキャストたちが立ち回りを繰り広げながら自在に飛び回っていた。
劇中の音楽がまるで映画のよう。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』『進撃の巨人』『シン・ゴジラ』などのオーケストレーションを手掛けた天野正道ならではの壮大さと奥行きを感じさせた。
日髙麻鈴さん演じるぬいは、結木さん演じる現八にこんなお茶目な事を(笑)
主人公・犬塚信乃を演じる佐野が、まずは自身がいつからか持っていた不思議な玉の存在に気が付き、その玉が引き寄せるように個性豊かな仲間たちと巡り合っていく。仲間たちもそれぞれが苦しい過去を抱え、悩みながら行動を共にする。八犬士の人間関係の形を取りながらも、観ている我々の人生のどこかにも触れる瞬間があり、いつしか8人の誰かに共感しているものとなっていた。
白羽ゆりさんは八犬士を運命に導く伏姫を演じます
玉梓役も白羽さんが演じます。見よこの形相!
山口馬木也さんのさすがの安定感! たまりませんね!
有名な原作故、エンディングをご存じの方も多いと思うが、様々な映像技術や人間の身体を張ったアクション、そして心を揺さぶる芝居を楽しみながら、この舞台ではどのようにそのゴールにたどり着くのか楽しみながら観ていただきたい。
取材・文・撮影=こむらさき

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