【ライヴレポート】BAROQUE × ACID
ANDROID、「yukihiroさんを招いてス
ペシャルセッションを」

BAROQUE主催2マンライブシリーズ<kiss the sky>の第4弾が10月4日、L'Arc-en-CielのドラマーyukihiroのソロプロジェクトであるACID ANDROIDを招き、Shibuya duo MUSIC EXCHANGEで開催された。
初の対バンとなる両者。BAROQUEがリスペクトする存在がACID ANDROIDであることはもちろん、実はACID ANDROIDのサポートドラマーである山口大吾(Dr/People In The Box)をBAROQUEが起用したこともあるほか、それぞれアウトプットは違えどルーツやフェイヴァリットに挙げるアーティストが近しいものだったりと、接点がある。今回はそれぞれサポートメンバーとして、ACID ANDROIDはKAZUYA (G / Lillies and Remains)、山口大吾。BAROQUEは高松浩史(B / THE NOVEMBERS)、KENZO (Dr/彩冷える、gremlins)、佐久間薫(Key&Manipulator)という布陣のライヴとなるが、どんなケミストリーがあるのか楽しみな一夜である。
まずステージに立ったのは、ACID ANDROID。凄まじい歓声に迎えられたが、1曲目「interwine」からその歓声を蹴散らすがごとく、フロアを振動させるような轟音が鳴る。無機質なエレクトロノイズやビートに、迫力のある人力ビートとソリッドなギターが乗っかった強靭なサウンドに、yukihiroのヴォーカルが絡んで独自の色合いを生み出していく。観客をぐっと惹きつけたところで、続くビザールな雰囲気満天のインダストリアルロック「imagining noises」へ突入し、グラインドするビートで観客を一気にACID ANDROIDの音楽世界へと連れて行った。

「precipitation」「division of time」、そして「gravity wall」の連投で、シンフォニックなシンセと耽美なメロディを響かせると、その美しく目まいのするようなサウンドに観客がゆらりと体を揺らす。
実は7月に左手を負傷し、この日が久々のライヴ復帰となったKAZUYA。ケガの具合が心配されていたが、「division of time」でのメロディアスなギターラインや山口による変則ビートとともに、幾何学的なアンサンブルを聴かせる「gravity wall」のような構築的なサウンドでも切れ味の鋭い、かつ空気感のあるギターを響かせている。11月から<ACID ANDROID LIVE 2019 #2>がスタートするが、そちらもまた楽しみである。

chill」からスタートした後半戦は、観客の体温を上げていくアグレッシヴな曲が並んだ。ダイナミックな山口のドラムプレイにyukihiroは大きくリズムをとりながら、アンセミックな歌を響かせる。フロアからは歓声と同時に拳も突き上がり、重厚なギターが曲の士気を高める。その勢いのままに、最高にノcイジーで凶暴なパンクチューン「let’s dance」でフロアを沸騰させた。バンドサウンドも観客の歓声や悲鳴もヴォリュームが上がっていくヴォルテージの高いライヴだ。しかし最高潮を更新するように「daze」のヘヴィで高密度なアンサンブルでフロアをがっちりと掴むと、ダイナミックに揺さぶりをかける。
ラストは、シンセとインダストリアルで漆黒なギターリフが、サビでドラマティックに反転し恍惚感を生み出す「violator」へ。カタルシスたっぷりの高揚感に拍手喝采が起こるなか、お辞儀をし、観客に手を挙げてステージを去ったyukihiro。ツーマンのイベントだが、ストイックに曲を聴かせ、その世界観を作り上げていくACID ANDROIDの手法は変えることなく全うするステージとなった。
そして先輩からバトンを受け取ったBAROQUEは、登場でノイジーに楽器をかき鳴らすと、「PUER ET PUELLA」で幕を開けた。どっしりと刻まれるドラムビートとベース、そしてエレキとアコギの二刀流で広がりのあるサウンドスケープを生み出していく圭、その高揚感のある音に身を委ねて気持ちよく声を伸ばしていく怜。伸びやかな音が観客の手拍子を誘い、のっけから爽快な開放感を生み出していく。ACID ANDROIDの密室的な音楽世界とはまた違った景色が広がり、「STARRY BOY」では怜の掛け声とともに観客がタオルを振って一体感が増した。

怜はMCで「<kiss the sky>に来てくれたみんな、ありがとう。ACID ANDROIDとのツーマン、すげえすげえ楽しみにして来ました」と語り、圭は「ACID ANDROIDのリハを見てたけど、すげえカッコよかった」と、いちロックキッズに返って嬉しそうに語る。その興奮を音に変えるようにして、「ヒトのイロ」「AN ETERNITY」と5人のアンサンブルを濃密にしていく。特に「ヒトのイロ」での、音を細やかに編み上げていくエモーショナルなアンサンブルが美しい。タイトなビートとそのリズムの間を埋めながら、曲のニュアンスを生み出していくベースが冴える。
またそういったリズム隊への信頼度が高いからこそ、自由に伸びやかなギタープレイで魅せる圭。「AN ETERNITY」ではリズムと鍵盤とリリカルなアルペジオを絡ませながら、怜のエモーショナルなボーカルの奥行きを広げるようなレイヤーサウンドも生み出していく。現在、全国ツアー<THE BIRTH OF LIBERTY>の真っ最中でもあり、ライヴを重ねているバンドとしての一体感は抜群だ(ツアーではドラマーにKENZO、山口大吾、satoshiが参加)。

後半へ向かう「PLANETARY LIGHT」「DREAMSCAPE」では眩しいほどの高揚感を放った。会場を温かに導いていくのは、エフェクティヴなサウンドをまとった怜の力強さを内包した優しい歌声だ。自然と手拍子やシンガロングが湧き、同時にフロアには多幸感が満ちていく。続く「GIRL」では、怜がブーケを持ち、圭が真っ赤な一輪のバラをそこに挿すと、ダンサブルなサウンドに乗せフロアへとブーケトス。フロアの温度はもちろん最高潮で、バンドグルーヴに気持ちよくジャンプしながら大きな歓声を上げた。
そしてラストに据えたのは「YOU」。たっぷりとした豊かな怜のボーカルと重なるのは、第二のメロディというにふさわしい圭のギター。この怜と圭というふたり体制となってからは、よりそれぞれの持つキャラクターや可能性、また音楽的な好奇心を最大限の形でぶつけ合い、溶け合わせ、カラフルかつポップ性の高い音楽を生み出している。ライヴではそのエネルギーと爆発力がダイレクトに伝わって、晴れやかなテンションが会場を包み込んだ。対称的な2組のツーマンゆえ、様々に感性が刺激されるステージとなった。

アンコールのMCでは、このツーマンを前にして行なったyukihiroと圭のBARKS対談に触れ、実は対談当日、台風一過の交通事情により圭が大先輩であるyukihiroを40分も待たせてしまったことを明かした。圭曰く「人生終わった……」と思ったそうだが、yukihiroが優しく迎えてくれたことに感謝を述べ、その“懺悔の思い”ではないがアンコールで何か一緒に演奏していただけたらと、yukihiroを呼び込んだ。
そして、BAROQUE + yukihiroでRADIOHEADの「Creep」を披露。これが実に楽しそうなセッションであり、しかもyukihiroはこのために自分のギターを持参し、プレイするというレア度の高さ。観客の興奮も一段と大きい。選曲は、BARKS対談の際にRADIOHEADの話が出たこともあり「Creep」になったが、そもそも今回のツーマンではセッションの予定はなく、2日ほど前に急遽決まったというから、観客はラッキーだ。フロアに笑顔を向け、大きな拍手に送られてyukihiroがステージを去ると、再びBAROQUEが「MEMENTO」「PERFECT WORLD」を披露して<kiss the sky IV>が幕を閉じた。これまでも多彩なゲストを迎えて行なっているツーマンイベント<kiss the sky>。これからの化学反応もまた楽しみになるステージだった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎今元秀明

■<2MAN LIVE BAROQUE x ACID ANDROID「kiss the sky IV」>2019年10月4日@東京・Shibuya duo MUSIC EXCHANGE セットリスト

【ACID ANDROID】
01. intertwine
02. imagining noises
03. precipitation
04. division of time
05. gravity wall
06. chill
07. let's dance
08. daze
09. violator
【BAROQUE】
01. PUER ET PUELLA
02. STARRY BOY
03. ヒトのイロ
04. N ETERNITY
05. PLANETARY LIGHT
06. DREAMSCAPE
07. GIRL
08. YOU
encore
en1. Creep (RADIOHEADカバー) w/ yukihiro
en2. MEMENTO
en3. PERFECT WORLD
■BAROQUE全国ツアー<THE BIRTH OF LIBERTY>

※終了している公演は割愛
10月19日(土) 愛知・名古屋SPADE BOX
10月22日(火/祝) 宮城・仙台darwin
10月26日(土) 岡山・IMAGE
10月27日(日) 静岡・浜松窓枠
11月10日(日) 千葉・柏PALOOZA
11月16日(土) 静岡・SUNASH
11月17日(日) 京都・KYOTO MUSE
11月23日(土) 東京・町田プレイハウス
12月08日(日) 埼玉・HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
12月14日(土) 石川・金沢GOLD CREEK
12月15日(日) 長野・LIVE HOUSE J
12月22日(日) 大阪・ESAKA MUSE
<THE BIRTH OF LIBERTY -FINAL->
2020年1月10日(金) 神奈川・ハーモニーホール座間 (大ホール)
to be announced…
▼チケット
スタンディング ¥5,400 ※ドリンク別
・イープラス https://eplus.jp/baroque/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/baroque19/
・ローソンチケット https://l-tike.com/baroque19/


■<ACID ANDROID LIVE 2019 #2>

11月03日(日) F.A.D YOKOHAMA
open17:30 / start18:00
SOLD OUT
(問)クリエイティブマン 03-3499-6669
11月07日(木) 名古屋UPSET
open19:00 / start19:30
(問)ジェイルハウス 052-936-6041
11月08日(金) 大阪バナナホール
open19:30 / start20:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
11月10日(日) HEAVEN'S ROCK 熊谷
open17:30 / start18:00
(問)クリエイティブマン 03-3499-6669
▼チケット
ALL STANDING ¥5,500 (TAX IN/D代別)
一般発売日:10月5日(土)10:00-
※営利目的の転売禁止 ※未就学児入場不可

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