演技もアクションもパワーアップ 「
ミュージカル『忍たま乱太郎』第10弾
再演〜これぞ忍者の大運動会だ!〜」
ゲネプロレポート

2019年10月14日(月)より東京ドームシティ シアターGロッソにて、ミュージカル『忍たま乱太郎』第10弾再演〜これぞ忍者の大運動会だ!〜」が開幕する(※初日予定であった10月12日、続く13日の公演は、台風19号接近により公演中止)。10月11日(金)にゲネプロ公演と囲み取材が行われ、忍術学園六年生キャストの湯本健一、渡辺和貴、新井雄也、木村優良、秋沢健太朗、反橋宗一郎の6名と、五年生キャストの山木透、佐藤智広、栗原大河の3名、四年生キャストの樋口裕太、大谷誠、三井淳平、高畑岬の3名が登壇。第10弾再演に向けての意気込みや見どころを語った。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
“忍ミュ”の愛称で長らく親しまれているミュージカル『忍たま乱太郎』。尼子騒兵衛原作の漫画「落第忍者乱太郎」(朝日新聞出版刊)のミュージカル作品にあたる本作は、今年10年目の節目をむかえた。第10弾の初演では、総勢29名のキャラクターが登場し、六年生キャストが全員集結したほか、原作者書き下ろしの新曲「忍術学園学園歌」が披露されるなど、豪華な内容になっていた。
第10弾再演の見どころについて、綾部喜八郎役の大谷は、「よりドラマ性が高くなり、観やすい作品になった」とコメント。また、七松小平太役の木村は「殺陣も変更点があり、一人一人のアクションがより大きな動きになったので、ぜひ注目してほしい」とのこと。善法寺伊作役の反橋は、自身の急病により初演の大阪公演が中止になったことに触れ、「あの日からずっと、また伊作としてみなさんの前に立てることを夢に見てきました」と振り返る。「善法寺伊作、完全復活!」と笑顔を見せると、すかさず「おかえり伊作!」と声をかけたのは、食満留三郎役の秋沢。「反さん(反橋)が帰ってきたことで、『ここからもう一回スタートするんだな』と、ふんどしを締めなおすような気持ちになりました」と語った。
新たな曲も追加された再演では、パワーアップしたアクションシーンやギャグシーンも見逃せない。キャスト同士の絆が強まり、芝居にも深みが増した会場より、ゲネプロ公演の模様をお届けしよう。
<あらすじ>
学園長の突然の思いつきで、忍術学園大運動会が開催されることになった。
運動会は委員会対抗で行なわれるらしいけど、本当に本当に大丈夫!?
だって委員会の人数バラバラだし、チーム分けも決まってないし、きり丸はバイト断れなかったし、競技の内容分からないし、ルールもあんまり決まってないし、何故かドクタケ乱入するし・・・
全部学園長先生のその場の思いつきで決まっちゃうから、運動会は始まる前から大混乱!
そしてそこに、最強の暗殺者、万寿烏・土寿烏の不気味な影が近づく・・・
運動会の競技がクライマックスを迎える中、学園長を狙う暗殺者と学園乗っ取りを企むドクタケ忍者隊と学園勢の三つ巴の戦いが始まる!
忍術学園の行方は!? そして学園長の命は!? てゆうか、運動会はどうなっちゃうの!?忍たまの原点!ギャグ満載でお届けする第10弾再演は、「最高に面白いぞ!」

初演と同様、学園長の発案で開催される委員会対抗の大運動会を軸に、ストーリーが展開する本作。学年をまたいだキャラクター同士のやりとりが見どころになっているが、特に大きな変化があったのは、六年生の伊作(反橋宗一郎)と長次(新井雄也)。一年生の乱太郎(石川雄己※津山晄士朗とWキャスト)と伊作のシーンには新たな曲が加わり、情感をこめて歌う伊作の姿が印象的だ。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
「台詞や演技など、細かな変更点がたくさんある」とコメントした新井が演じる中在家長次は、各キャラクターとの接点が増えたことで、より長次の人物像が伝わる内容になっていた。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
再演にあたって、「キャラクター同士の関係性を深く掘り下げられた」と語るのは、潮江文次郎役の渡辺和貴。同じクラス、同じ委員会、同じ運動会チーム同士はもちろん、それ以外のキャラクターとのやりとりの中にも、絆や信頼関係が読み取れるシーンが随所に散りばめられている。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会

玉入れに的当てなど、毎公演勝負の行く末がわからない大運動会は、“くの一”のユキ(秋山みり)が司会をしたり、学園のっとりをたくらむドクタケ忍者隊が参入したりと、にぎやかなシーンになっている。物語前半は、歌やダンスが入ることで、観客も一緒になって楽しめる場面が多い一方、中盤では、学園長をねらう暗殺者と忍たまたちが繰り広げる、スピード感あるアクションシーンに力が入る。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
キャラクターの個性が際立つギャグシーンや息の合ったアクション、仲間同士の友情や固い絆が感じられる人間ドラマがバランスよく構成されていて、あっという間の2時間。舞台上のキャストが見せる笑顔に、観客もつられて笑顔になるような、心温まる作品になっていた。
囲み会見キャストコメント
ーーまずは再演初日に向けての意気込みをお願いします。
■立花仙蔵役 湯本健一
お芝居や殺陣もふくめてわかりやすくお伝えできるように、一生懸命取り組みたいと思います!
■潮江文次郎役 渡辺和貴
初演と同じキャストで、同じご飯を食べて同じホテルに泊まって、過ごした時間がすごく長いので、みんなで楽しく過ごした時間が舞台上でいい形で出ていると思います。
■中在家長次役 新井雄也
再演では細かい部分の変更点がたくさんあります。特にお芝居の変更点は、初演からさらにパワーアップしたところを見ていただけたらと思います。
■七松小平太役 木村優良
再演では殺陣も変わっていて、一人ひとりのアクションがより大きな動きになったり、アグレッシブに動いていたりするので、楽しめるシーンが増えたと思います。初演を見てくださった方は、そうした変化も含めて楽しんでいただいて、再演から見た方は、この作品を観られてよかったなと思えるような作品にしていきたいと思います。
■食満留三郎役 秋沢健太朗
初演では、新しいキャストに新たなキャラクターが加わったこともあり、キャスト同士慣れるまでに時間がかかった部分もありましたが、それが作品の中でうまい具合に活かせていました。今回の再演では、それぞれのキャラクターが深堀りされて、今まで出ていなかった部分が舞台上であらわれたりするので、そうしたことを楽しんでいただけたらと思います。
■善法寺伊作役 反橋宗一郎
初演の大阪公演では、自分の病気で大好きなカンパニーに多大なる御迷惑をおかけしてしまって、あの日からずっと、再演でまた伊作としてみなさんの前に立てることを夢に見てきました。今回戻ってこられたのは、忍ミュのスタッフさんやキャストのみんな、そしてファンのみなさんを含めた“忍ミュファミリー”のおかげなので、感謝の気持ちをステージ上からお返ししていきたいと思います。善法寺伊作、完全復活!おたのしみに!
■久々知兵助役 山木透
忍ミュといえば、アナザーストーリー。初演時は運動会のチームごとにグループ分けされていましたが、再演では学年ごとに分かれています。なので五年生の結束力を高めて、より良いアナザーストーリーをみなさんにお届けできたらいいなと思います。
■尾浜勘右衛門役 佐藤智広
世間は2020年の世界の大運動会(※オリンピック)が目前にせまっているとにぎわっていますが、2019年は、忍者の大運動会で世の中をばちばちに盛り上げていきたいです。ここにいるみんなとお客さま全員で盛り上げていけたらいいなと思います。世界を変えてやりましょう。
■竹谷八左ヱ門役 栗原大河
再演も、みんなで元気に明るく楽しく前向きにスタートできるようにがんばりました。僕ら五年生は今回はじめて尼崎に行くので、おいしいものをたくさん食べたいと思います!
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
■平滝夜叉丸役 樋口裕太
再演では中毒性のある滝夜叉丸、そして進化の最終形態の滝夜叉丸をお見せできたらと思いますので、みなさん乞うご期待。
■綾部喜八郎役 大谷誠
初演と再演で違うところは、お芝居の見やすさが変わったところです。よりドラマ性が高くなって、観やすい作品になったと思います。また、アナザーストーリーで披露する曲は、それぞれの学年に合った楽しくてかっこいい曲になっているので、そちらも楽しみにしていただけたらうれしいです。
■田村三木ヱ門役 三井淳平
再演では初演よりももっとアイドルで、火器が大好きで、会計委員会な三木ヱ門を演じたいと思っております。
■浜 守一郎役 高畑岬
再演も守一郎の大笑いで、みなさんを笑顔にしていけたらいいなと思っております。

(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会

ーー六年生のみなさんに質問です。初演と再演で稽古場の雰囲気に変化はありましたか?
渡辺:それぞれのキャラクター、それぞれの人間たちが己の信念を貫いてがんばっていくストーリーというものを、常にみんなが意識してやってきたので、変わった部分というのはあまり感じなかったです。
新井:僕は結構変わったと思います。初演もお芝居をつくるにあたっていろいろ考えてきましたが、再演では初演で一緒にお芝居を作ってきたぶん、お互い意見を言い合える稽古場になっていました。初演と同じストーリーを追うにあたって、お客様にどう楽しんでもらえるのかということを突き詰めた現場でした。
木村:アナザーストーリーの稽古がめちゃくちゃ面白かったです。各学年の良さが伝わってきて、再演の稽古場は初演時とまた異なる楽しさがあったなと思います。
秋沢:再演の稽古場に行った初日に、反さん(反橋)が帰ってきたというのが一番大きかったです。「ここからもう一回スタートするんだな」と、ふんどしを締めなおすような気持ちになりました。初演と同じ台本を読むというよりは、内容を精査しながら読み進めたので、より一層みんなでディスカッションすることができたと思います。
反橋:再演は初演と比較して、芝居の相談をみんなにしていました。精一杯演じた初演も、再演であらためて詰めてみると、「このシーンはまだこんなふうにできたんだ」という発見が毎日あって、稽古が充実していて面白かったです。細かな台詞やお芝居の変更は、僕たちにとっては意味のある変更で、それがすべてお客さんに伝わるかどうかはわからないんですけども、僕らの内面としてはすごく整理されて、お芝居のレベルが相当上がったんじゃないかなと思います。
ーー第10段の初演と再演では芝居や殺陣に変更点が多かったとのことですが、具体的にどのような点が見どころになりますか?
反橋:僕は乱太郎とのシーンで歌が増えたこともありますし、長次とのお芝居も二人で話し合って細かい所まで詰めたので、ぜひそのあたりを注目して見ていただけたら。
秋沢:一年生のお芝居にも変更があったので、それに対する留三郎の感情の動きなど、細かな部分に変化がありました。
木村:チームどんぐり(※委員会別運動会のチーム名)のチームワークに関しては、再演の際にちょっと変わったのかなと感じます。たとえば、同じチームにいる滝夜叉丸との目配せや、文ちゃん(文次郎)と一緒にいるときの小平太などに変化があったと思います。
新井:演出のみなさまにピックアップしてもらって、初演で登場しなかったシーンに長次が出てきたり、伊作やきり丸との接点が増えたりしたことで、気持ち的な部分にも変化がありました。
反橋:一番変化があったのは長次かもしれないね。
渡辺:これだけ登場人物がいると、関係性というものが大事だと思っていて、同じ「い組」の仙蔵や会計委員の三木ヱ門、チームどんぐりの小平太などは、文次郎とわかりやすい関係性なんですけど、絡みの少ない他のキャストとも、「こういう関係性なんだな」というのがわかるように、キャラクター同士の関係性を深く掘り下げられたと思っております。それぞれのキャストを目で追っていただければ、キャストの人数分、毎回違った目線で今回の舞台が見られると思います。
湯本:仙蔵は台詞が大きく変わった部分はないですが、初演よりも喜八郎との仲の良さ、信頼しあえるようなシーンが伝わっていたらうれしいなと思っております。
ーー今年は第7段から3年ぶりに、忍たまの聖地と呼ばれる尼崎にて公演が行われます。秋沢さんと反橋さんは、以前尼崎公演にも出演されていますが、東京や他の地方公演と聖地・尼崎で公演を行う際の感覚に違いはありますか?
秋沢:尼崎は駅に着いた時に、すごく開放的な空間があるんです。こんな開放的な環境のなかで、「忍たま乱太郎」という作品が生まれたんだろうなと思うと、公演を観に来るお客さんも聖地だけあって、他の劇場で観劇するのとはちょっと違う感覚だと思います。それがわりと会場の空気感で伝わってくるのが、尼崎のすごいところだなと。
反橋:僕は駅に着いた時に感じる開放感は一切記憶にないんですけど(笑)お客さんも聖地で観劇できるということで、いつもよりもっともっと楽しみにして来てくれているなという感じがしますね。僕らにとっても聖地なので、この衣装を着たまま外に出てみたいと、いつも思っています。
(c)尼子騒兵衛/NHK・NEP (c)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
ーー台風で初日公演が中止になってしまいましたが、公演に行けなかったお客様に向けてメッセージをお願いします。
反橋:僕らも初日を目指して頑張ってきたので残念ですが、製作委員会の決断は、忍たまらしくて素晴らしいと思います。お客様の安全を第一に考えての決断ですので、どうかご理解いただきたいですし、初日は中止になりましたが、僕らはそれ以上に楽しんでもらえるようがんばります。どうか初日だけしかチケットを取っていなかった人も、どこかで時間を見つけて来てもらえたら何倍も喜ばせますので、ぜひ来てください!
なお、原作の漫画「落第忍者乱太郎」は単行本65巻をもって完結することが発表されたばかりだが、NHKエンタープライズの澤田隆司氏は、「アニメやミュージカルは続けられる限り続けたいというのが我々の思い。キャストもスタッフもみんな同じ気持ちです」とコメントした。
本公演は10月27日(日)までの東京公演(10月14日(月)12時公演より開幕、17時より追加公演が決定)を経て、その後、11月8日(金)より尼崎・あましんアルカイックホールにて上演される。

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