草彅剛、白井晃と再びタッグを組む 
ギャングが暗躍するショー仕立ての音
楽劇『アルトゥロ・ウイの興隆』の上
演決定

2020年1月、KAAT 神奈川芸術劇場にて、芸術監督・白井晃演出の新作舞台公演として、ドイツ演劇の巨匠ベルトルト・ブレヒトの大作『アルトゥロ・ウイの興隆』を上演することが決定した。
本作品は、ヒトラーが独裁者として上り詰めていく過程をシカゴのギャングの世界に置き換えて描いた問題作に、ファンクミュージックを散りばめた斬新な演出で挑む白井の意欲作で、主演は草彅剛が務める。白井と草彅が初めてタッグを組んだ舞台『バリーターク』(2018年)以来、KAATでの2度目の主演となる草彅は、今回シカゴのギャングに扮し、エンターテイナーとしての魅力を最大限に発揮しする。
白井晃
共演には、古谷一行、神保悟志らベテラン陣のほか、渡部豪太といった若手キャストに加え、『バリーターク』でも草彅と共演した松尾諭、小林勝也など、舞台、TV、映画で幅広い活躍を見せる個性豊かなキャストがそろった。
劇中の音楽は、キング・オブ・ソウルと呼ばれるジェームス・ブラウンの楽曲を中心に構成され、オーサカ=モノレールによる生演奏は本公演の見どころのひとつとなる。ファンクミュージックに彩られた、刺激的で斬新な音楽劇を楽しみにしよう。
草彅剛

【作品について】
「こんなやつがかつてほとんど世界を支配しそうになったのです!/諸国民がやつを屈服させ、やつの主となりました。それでも/ここで勝利を喜ぶのはまだ早すぎます。/やつが這い出てきた母胎は、まだ生む力を失っていないのですから」 ~エピローグより~
1933年ブレヒトはナチスに追われ、15年に及ぶ亡命の旅に出る。アメリカへ渡ったブレヒトは英雄として神格化されるギャングたちの映画に興味を持ち、ギャング団の資料を集めたと言われている。その中で、禁酒法時代にシカゴの高級ホテルを住まいとし、密造酒製造販売、売春業、賭博業を組織化し、勢力を拡大していったアル・カポネにヒトラーとの共通点を見つけ、41年に戯曲の執筆に着手していく。衝撃をあたえた本作の初演は1958年にドイツ・ヴュルテンブルグ州立劇場にて上演。1956年にブレヒトがこの世を去った後だった。
日本では、1969年に田中邦衛主演、劇団俳優座による『ギャング・アルトゥロ・ウイ~おさえればとまるアルトゥロ・ウイの栄達』のほか、2005年に新国立劇場が招聘したマルティン・ヴトケ主演、ベルリナー・アンサンブルによる公演があり、大きな話題を呼んだ。
本作品は、ヒトラー率いるナチスがあらゆる手段を使い独裁者として上り詰めていく過程を、シカゴのギャングの世界に置き換えて描いたという大胆なもので、ヒトラー「興隆」の史劇が劇中にちりばめられている。原題は「アルトゥロ・ウイの抑えることのできた興隆」となっており、ヒトラーのみならず、彼の君臨を許した当時の社会環境を、冷ややかな姿勢で描いている。
今わたしたちの世界は、全体主義の風潮にあふれている。独裁者が世界を席巻する強大な力を手にすることができるのは、特異な人間性によるものなのか。本当の恐怖は、独裁者を誕生させ、許し、蔓延していく空気を生み出した民衆の心なのではないだろうか。

【ストーリー】
シカゴギャング団のボス、アルトゥロ・ウイは、政治家ドッグズバローと野菜トラストとの不正取引に関する情報をつかんだ。それにつけこみ強請るウイ。それをきっかけに勢力を拡大し、次第に人々が恐れる存在へとのし上がります。見る見るうちに勢いを増していくウイを、はたして抑えることができるのだろうか……?

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