【SiM・山人音楽祭 2019】山人に敬意
と狂騒を 前身フェス以来の登場で完
全制圧

山人音楽祭 2019【赤城ステージ】 SiM
SiMは『GUNMA ROCK FESTIVAL 2014』以来となる出演。つまり、『山人音楽祭』になってからは意外にも初登場となる。MAH(Vo)は、バンドの登場にまだ湧いている観客を置いていかんばかりに、すぐさま「オナナナー!」とあの曲のフレーズを口ずさむ。山人への挨拶代わりとなる1曲目は「Blah Blah Blah」だった。曲が始まるや否や、一気に治安が悪くなるフロアの光景は遠くから見ている分には非常に楽しい。音の反響が強い会場の作りのせいか、いつもはもっとヘヴィに聴こえるこの曲が、研ぎ澄まされたナイフのようにエッジが立っており、これはこれでかなりいい。
SiM
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グッとテンポを落としてプレイした初期のレゲエロックナンバー「paint sky blue」では「レゲエロックバンドの後輩として、この曲をG-FREAK FACTORYに捧げます」とMAHは主催者へ敬意を払うも、MCでは一転、群馬県民をイジりまくる。「群馬の人たちは海を見たことがないって聞いたんですけど本当? あ、ごめん。“海”っていうものがわからないよね? 塩辛い水で……あ、怒ってる? 冗談です!」といった具合。でも、スッと真面目な表情になり、こんなに血の通ったフェスがある時点でこの街を誇っていいと称えるところが彼らしい。
SiM
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今日は似たようなタイプの曲を続けないセットリストになっているのが効果的で、全体の流れというよりも、1曲1曲を際立たせるような意識を感じる。その中で大きなアクセントとなったのは間違いなく「KiLLiNG ME」。間奏で観客を全員その場に座らせ、演奏まで止めてしまうSiMの面々。そして、MAHが叫んだ。「『KiLLiNG ME』のギター弾けるヤツ!」フロアですぐさま手を挙げたのは、勇気ある群馬県民男子・ツバサ。SHOW-HATEからギターを手渡され、特に打ち合わせもなく演奏再開。どよめきまじりの歓声が起こるなか、バンドの演奏とMAHのカウントに合わせて一斉に観客がジャンプ。ツバサは見事に弾き切った、というよりもけっこう上手くなかったか?
SiM
ツバサの帰還をフロアが拍手で迎えるなか、「もっと群馬に来ます」とMAH。別フェスへの移動のため、最後のG-FREAK FACTORYのライブが観られないことを嘆いていたが、「俺らの分まで楽しんでいってください!」とバトンを観客へと託し、最後は「Get Up, Get Up」「f.a.i.t.h」と畳み掛けて濃厚な40分のステージを終えたのだった。

文=阿刀“DA”大志 撮影=HayachiN

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