恋心に寄り添うDJ風の歌詞がイイ!「ミュージック・アワー」徹底解剖

恋心に寄り添うDJ風の歌詞がイイ!「ミュージック・アワー」徹底解剖

恋心に寄り添うDJ風の歌詞がイイ!「
ミュージック・アワー」徹底解剖

ラジオDJ目線という斬新な切り口

ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ
https://utaten.com/lyric/ja00008855
『ミュージック・アワー』は歌い出しから斬新だ。歌詞がそのまま、DJの台詞として登場する。登場人物はラジオ番組のDJと、ハガキで恋の悩みをぶつけてくれた「R.N ”恋するウサギ”ちゃん」の2人。
DJが番組に寄せられたお便りに返事をするという体で展開していくという構成が何とも斬新で面白い。新藤晴一の作詞曲には、「天気職人」という架空の職業や「映画監督」「シナリオライター」など、時折職業が登場するが、『ミュージック・アワー』はそうした楽曲の代表といえる。
ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
おそらく10代と思われる初々しく可愛らしい悩みに、真摯に答えていくDJ。恋をすると胸が苦しくなるというのは、誰もが経験するものであり、題材としては平凡だ。だからこそ、より多くの人々の心に突き刺さる。
さらに、胸の苦しさを説明するDJの答えが、何ともユーモラスで新藤晴一らしい。逸る心が蹴飛ばすから苦しくなる。まるで心というものに人格が与えられたような歌詞が特徴的で、かつ「なるほど」と思わせる、上手い説明をしているのだ。
恋の熱と夏をかけた絶妙なセンス

ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
サビでは、”夏がこんなに暑いのは、キミのせいだよ”といっている。恋の火照りと夏の火照り。ダブルの熱を生み出す歌詞が巧みだ。
夏の恋といったら海。火照った体を心地よく包んでくれる海に飛び込んで、まだ始まったばかりの小さな恋をしっかりと捕まえておくようにと、センス抜群のDJがアドバイスしている。
恋とも呼べない程の淡い恋だから、うっかり手を離したら沖へ流されてしまう。でも手を離さなければ、その先にはきっと望んだ未来があるはず。そんな優しさ溢れる言葉で、可愛い恋の背中をそっと押している。
一歩踏み出せない人へのエール

ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
2番では、「R.N ”恋するウサギ”ちゃん」だけでなく、全世界の恋に悩める女性たちに語りかけている。「壊れかけたピンボール」というのが絶妙で、コントロールの利かない不安定な心を見事に言い得ている。
自分の中でどうすべきか道筋が立たないまま、相手に好きな人が現れたり、手の届かない場所へ行ってしまったりして散ってしまう恋もある。そんな恋に破れた女性たちを、力強く後押しするDJが心強い。
ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
サビの歌詞も、告白へと踏み込めない、恋する乙女心に響く。失恋が怖くて思いを伝えられない状態は、まさに「夢のまま」。傷つかない代わりに手に入ることもないのだ。
いつまでも手を触れず、ただ眺めているだけでは恋は成就しない。そんな、厳しくも温かいメッセージが伝わってくる。
そのままのキミが一番素敵

ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
『ミュージック・アワー』の歌詞には、”クヨクヨするな、強くなれ!”というような、強引さは一切見当たらない。不安な気持ちに寄り添い、”分かるよ、でもね?”と、優しく背中を叩く。大好きな気持ちとフラれるかもしれない大きな不安の間で揺れ動く、乙女心はとても繊細だ。
”そのままのキミが一番可愛いよ”といわれたら、構えず、リラックスして恋と向き合えるかもしれない。まさしく、全世界の恋する女性の味方なのだ。
不安を乗り越えた先には…

ミュージック・アワー 歌詞 「ポルノグラフィティ」
https://utaten.com/lyric/ja00008855
傷つくのが怖くて一歩踏み出せない乙女たち。しかし、”キミが本当に願うなら、全力で応援するよ!”と、夏のナンバーに乗せて明るく恋心を元気づける。
まだ始まったばかりの淡い恋でも、諦めず、しがみつき、まっすぐに向き合えば、きっと上手くいく。夏を盛り上げるアゲアゲのメロディーに乗せてポルノグラフィティが届けるのは、そんな温かいエールだ。
最後はラジオのDJらしい挨拶で締めているところもニクい。手を上下左右に振る独特の振り付けがライブの定番となっている『ミュージック・アワー』。
この夏は、そこに込められたポルノグラフィティの心意気まで汲み取って聴き直してみると、新しい魅力を発見できるだろう。夏真っ盛りの今だからこそ映える、至高のサマーチューンである。
▲ポルノグラフィティ 『ミュージック・アワー(short ver.)』
TEXT 岡野ケイ

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