ユニゾンの深みを聴く その先にあるメッセージ「マイノリティ・リポート(darling, I love you)」

ユニゾンの深みを聴く その先にあるメッセージ「マイノリティ・リポート(darling, I love you)」

ユニゾンの深みを聴く その先にある
メッセージ「マイノリティ・リポート
(darling, I love you)」

UNISON SUQUARE GARDENからのメッセージ
UNISON SUQUARE GARDENが2016年に発表した『マイノリティ・リポート(darling, I love you)』は、一聴するとマイノリティがマジョリティを突っぱねて生きることを宣言しているような排他的な印象を受ける。
しかしその奥には、ユニゾンらしい一種の『優しさ』が感じられる。
「マイノリティを切り捨ててしまう現代に息づくマイノリティ達」に向けられたユニゾンからのメッセージとは?
UNISON SUQUARE GARDENとは
UNISON SUQUARE GARDEN、通称ユニゾンは、斎藤宏介(Vo.&Gt.)、田淵智也(Ba.&Cho.)、鈴木貴雄(Dr.&Cho.)が 2004年に結成したスリーピースロックバンドだ。
UNISON SUQUARE GARDENの楽曲は、ロックでありながらポップでもあり、その個性が織りなすグルーヴは、強烈なキラーチューンを多く生み出している。
今年結成15周年を迎えるUNISON SUQUARE GARDENはこれまで多くの楽曲を世に発表してきた。

UNISON SUQUARE GARDENが2016年にリリースしたアルバム『Dr. Izzy』には、『シュガーソングとビターステップ』や『mix juiceのいうとおり』など、いわゆる『ポップなユニゾン』の要素が多分に盛り込まれている。これらのようなポップでキャッチーな楽曲に「ユニゾンらしさ」を感じる方も多いだろう。
しかし、『Dr. Izzy』に収録されている『マイノリティ・リポート(darling, I love you)』には、一概に『ポップ』とは分類できない、ユニゾンらしい『捻くれた優しさ』が盛り込まれている。
『マイノリティ・リポート(darling, I love you)』の歌詞の考察を中心に、一目では分からないUNISON SUQUARE GARDENの深層を覗き見してみよう。
切り捨てられた『異端』の嘆き
マイノリティ・リポート(darling, I love you) 歌詞 「UNISON SQUARE GARDEN
https://utaten.com/lyric/yb16070623

『マイノリティ』と一口に言っても、その中には様々な人が存在する。
例えば、同世代のほとんどが会社勤めをしている中、『音楽』という不確かなものを生業にしているミュージシャンも『マイノリティ』の一つだ。
「世間一般と比較して特殊な人」と言ってしまえばそれまでだが、その中には紛うことなく個人の意志が息づいていることを、マジョリティは失念しがちだ。

「天才肌」「芸術家気質」「特別」そう分類してしまうことは簡単だが、そうして『異端』となったマイノリティに手を差し伸べてくれる存在はあるのだろうか。
マイノリティが切り捨てられた世界は平らになっていくけれど、その平穏な世界に住むマジョリティは、まるで理由のない信仰に従って無実の人間を罪人のように扱っているようにも見える。
『マジョリティ』への警鐘 その先には何が待っているのか
マイノリティ・リポート(darling, I love you) 歌詞 「UNISON SQUARE GARDEN」
https://utaten.com/lyric/yb16070623
母数が増えれば増えるほど、マジョリティの「弱い者イジメ」という自覚は薄れていく。


「みんながそうしているから」
そう言って行動するマジョリティがほとんどだし、もしかしたらその自覚もない者もいるだろう。
それでも、無尽蔵に力と熱だけを増幅させたマジョリティは、次の『異端』を探し出して切り捨てるのだ。

『マイノリティ』でも『独りぼっち』じゃない
マイノリティ・リポート(darling, I love you) 歌詞 「UNISON SQUARE GARDEN」
https://utaten.com/lyric/yb16070623
『マイノリティ』であることへの『嘆き』と『マジョリティ』への『警鐘と皮肉』を歌った「マイノリティ・リポート(darling, I love you)」。
UNISON SQUARE GARDENが『マイノリティ』の側に立って叫ぶメッセージは、「マイノリティを理解してくれる人を待つしか、僕らにはもう手がない」そう分かっていても、聞いて欲しい言葉を訴え続けてしまう、そんなふうに不器用にしか生きることができない『マイノリティ』に対し、「少数派だけど、独りじゃない」と、強く訴えている。
「マイノリティ・リポート(darling, I love you)」は、明確に誰かに向けた応援歌というわけでない上に、一聴すると、マイノリティがマジョリティを突っぱねて排他的に生きていくという鋭利な印象を受ける。
しかし、その実そうやって強がって『マイノリティ』という立場で奮闘している人を優しく鼓舞してくれる曲でもあるのだ。
TEXT DĀ

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