歌、映像、サウンドが一体となったR
eol圧巻のパフォーマンス

昨年から今年初めにかけて、「MADE IN FACTION」と銘打ち日本全国&アジアツアーを開催したシンガーソングライターのReolが、早くもワンマンライヴ「Reol Secret Live 2019 文明ココロミー」を東名阪にて開催(名古屋は追加公演)。東京公演は「東の塔」とサブタイトルが掲げられ、渋谷ストリームホールにて開催した。

「Secret Live」と題された本公演は、もともとファンクラブ会員に向けて行うクローズドなものを予定していたという。そのため会場も、前回の『MADE IN FACTION』と比べるとコンパクト。より近い距離でReolのパフォーマンスを堪能できるチャンスとあって、キャパおよそ700名の会場は多くのファンでひしめいていた。

Photograph_Shinsei.
Interview&Text_ Takanori Kuroda
Edit_Miwo Tsuji

「Reolの軌跡」を網羅するセットリスト

トラックメーカーのギガ、映像作家のお菊とともに結成した「REOL」名義のユニットを2017年に解散し、その後の彼女は現在の「Reol」名義でソロ活動を行なっている。とはいえ、今なお3人のパートナーシップは健在であり、最新作『事実上』の多くのトラックをギガが制作したり、映像をお菊が手がけたりしていることは、ファンの間ではよく知られていることだ。今回のツアーも、ギガが「音響班長」、お菊が「映像班長」としてクレジットされ、さらにもう1人、イラストレーターの秋赤音が「映像副班長」として加わり、Reolの作り上げる世界観を支えている。ちなみに開演前の場内アナウンスはReol本人とお菊が担当しており、それに気づいたオーディエンスの興奮がこちらにもひしひしと伝わってきた。
客電が消え、ステージ前方に垂れ下がった半透明のスクリーンに“文明ココロミー”ロゴのアニメーションが映し出される。その瞬間、フロアからは大きな歓声が上がった。シンコペーションの効いた性急なキックが轟き、トライバルなシーケンスフレーズが宙を駆けめぐる中、ゆっくりとスクリーンが上がっていく。ステージ後方からのバックライトを浴びたReolの姿が現れ「Wassup 渋谷ー!」という力強いシャウトとともに、「ギミアブレスタッナウ」からこの日のライヴはスタートした。
ステージ中央にはデザイニッシュなクリアの小型ステージが置かれ、パラシュートスーツのようなビビッドイエローの衣装に身を包んだReolが、低めの歌声でラップ混じりのメロディを歌う。オーディエンスはそれに応えるように、掛け合いのコーラスパートを全員でシンガロング、あっという間にストリームホールは一体感に包まれた。続く「DetaramE KiddinG」も、REOL名義のアルバム『Σ』からのナンバー。胃がせり上がってくるほど凄まじいベース音が、軽やかなトラップビートとコントラストを描き出す中、粘りの効いた地声と透き通るようなファルセットを表情豊かに使い分け、オーディエンスの心をがっちりと掴んでいく。
その後も『文明EP』をはじめ、『事実上』や『虚構集』などソロ名義でリリースした近年の作品はもちろん、ユニットREOL名義での『Σ』や『エンドレス EP』からの楽曲を披露。また、電波少女との「21世紀難民」や、ギガと連名で参加したTeddyLoidとの「Winners」などコラボ曲も散りばめ、さらにはギガのボーカロイド最初期の楽曲「テトロドトキサイザ2号」のカヴァーも飛び出すなど、まさに「Reolの軌跡」を網羅するようなセットリストだ。

会場ごとに違う曲を入れた「日替わりセ
ットリスト」を用意

Reolの動きと映像をシンクロさせたり(「シンカロン」)、タイポグラフィを駆使しながら歌詞を効果的に伝えたり(「失楽園」)、まるでスターゲートをくぐり抜けているような映像を展開したり(「-BWW SCREAM-」)、サウンド、映像、照明、そしてReolのパフォーマンスを高次元で融合したステージングに、フロアのヴォルテージは高まる一方。きわめつけは「Winners」。
場内が暗転したかと思いきや、フロア後方に設置されたサブステージからReolが現れ、突然のサプライズにオーディエンスは狂喜乱舞。サビのリズムに合わせ、床が揺れるほどジャンプして盛り上がった。

「今回は会場ごとに違う曲をやろうかなと思って、日替わりのセットリストを用意しました!」

ライヴ後半は東京のみで披露した、その名も「ニュータイプトーキョー」からスタート。突き抜けるようなハイトーン・ボイスを含む、抑揚たっぷりのメロディが琴線を震わせる。続く「エンドレスライン」は雅(みやび)な雰囲気のAメロから一転してパワフルなサビへ。さらに転調し、高音のロングトーンを響かせるとフロアからは黄色い歓声が湧き上がった。 ちなみに大阪公演では「drop pop candy」、名古屋公演では「RE:」、そして名阪両公演で「VIP KID」が披露されたという。

歌、映像、サウンドが一体となったReol圧巻のパフォーマンスはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着