有華・女性のさまざまな恋愛観をくみ
あげ、未来図を一緒に描いてくれるよ
うな楽曲の数々ーー魅力あふれるシン
ガーソングライター

2015年、YouTubeにアップした楽曲『バースデーソング』で多くのリスナーの心を掴み、現在までで76万以上の再生回数を叩き出し、コバソロとコラボした『【女性が歌う】100万回の「I love you」/ Rake(Covered byコバソロ&有華)』は320万以上の再生回数を記録。同世代の女性像を中心に、さまざまな恋愛観に触れ、何気ない日常を繊細に見つめ、未来図を一緒に描いてくれるような、そんな親しみやすくて心強い楽曲を生み続けている大阪出身の24歳のシンガーソングライター、有華。Instagram、Twitter、YouTubeの個人アカウントの登録者が総計15万人を超え、注目度がぐんぐんと上がっている彼女が、7月3日に初の全国流通ミニアルバム『キミノサプリ』をリリース。そして7月27日から2か月にわたり、同作を引っさげて12都市をまわる『有華 ワンマンライブツアー2019~このサプリは、あなたの症状にあわせたものです。~』を開催する。見た目は美人、喋ったら三枚目、歌いだしたら超一品。そんな魅力あふれる有華に、ミニアルバムやツアーのことについて訊いた。
――有華さんは「日常にサプリソング(寄り添う歌)を」をコンセプトに掲げていますが、どういうきっかけでこのテーマにしようと考えたのですか。
インスタグラム、Twitterに歌を投稿すると「元気が出ます」「自分に寄り添うような歌、ありがとうございます」というコメントをいただくことが多く、「私の歌はみんなの日常に元気を与えることができているんだ」と気づき、もっともっと、みんなにとってそういう存在になりたいと思ってテーマにしました。
有華
――有華さんはSNSで一気に名前が知られるようになりましたが、インスタなどではいつ頃から歌を投稿するようになったんですか。
歌を載せる形でやり始めたのは、約3年前ですね。
――そこからじわじわと有華さんの歌がSNSを通じて広がっていき、人を癒すようになった。でもその一方で、世の中的には「SNS疲れ」という言葉も出てきた時期ですよね。
私自身もSNSをやりはじめたころ、取り繕っていたところがあって、それが自分自身の疲れにつながっていました。当時は女の子らしさを強調したり、かわいく見える角度だったり、いわゆる盛れた写真を厳選していたんです。人にどう見られるかばかり考えていましたから。だけど、ある時期から「インスタは私にとって日記だ」「もっと自分自身をあらわしていこう」と思うようになったんです。特にこの1年は、ありのままの自分を出すことを意識しています。
有華
――自分自身がSNS疲れを実感していたんですね。自分を癒すために曲を作って、歌っていたところもあるのでは?
それは毎回あります。特に今回のミニアルバムの楽曲を制作していた時期、元気が全然なかったときなんです。(曲を)書いても書いても、どれもパワーがないものばかりになっちゃって。だから、もっと自分を励ますような曲を作ろうって。
――有華さんはどーんと落ちているイメージって持たれないですよね。どうして元気がなかったんですか。
当時いろんな場面で落ち込むことが続いていて……。「捨て猫」という曲もそうですね……。そのときの私の雰囲気はめっちゃ病んでいました(笑)。
有華
――思いっきりダメージが出ているという。
あと「リングノート」は、フッた側に対して「あなたなんか全然気にしていないし!」という曲。とにかく盛り上がるような曲調にし、ライブでは「グッバイ」という歌詞のところでお客さんに全力で歌ってもらう。そのときはもう、「みんなありがとう!」って気持ちですよ。​
――ハハハ(笑)。全員で元彼を吹き飛ばすという。でもやっぱり、人との別れはつらいものですよね。
当然、つらいですよ! え、っていうかどっち側ですか? フるタイプなのか、フラれるタイプなのか。
――フる側が多いです。
うわ、それは私の敵です(笑)。私はフラれたことしかないんです。でも、フる側もしんどいですよね?
――そりゃしんどいですよ。だけど人によっては、フった側にも関わらず、やけに悲しんで、涙を流す人っているじゃないですか。あれはちょっとよく分からない。
あ、それはすごい腹が立つ。フラれた側って、気持ちが本当に追い込まれちゃうから。だから私の場合は、それを楽曲にするようにしています。

有華

――でも有華さんの曲の多くは、そうやって「世の中、そううまくいかないよ」ということも伝えていますよね。結構、シビアな目線が綴られています。
逆に「きっとうまくいくから頑張ろう」という歌を、私はあまり信用できないんです。それはリアルじゃない。うまくいかないから、じゃあどうするか考えたいんです。
――1曲目「Hey girl!!!!」には、フラれた人に対する周囲のありがちなアドバイスへの反発心があるじゃないですか。まさに、「言うのは簡単だけど、そんなにうまくはいかない」という。
「そんなこと、言われなくても分かっているから」という感じですよね。いつも恋愛に失敗している女友だちがいて、一緒にご飯を食べに行ったときに、私が「もう、顔で選んじゃだめだよ」と言っちゃったんです。そうしたら、余計に相手を落ち込ませてしまって。「こんなこと簡単に言っちゃダメだ。やばい。曲を作って励まそう」というところがこの歌のきっかけになりました。
有華
――そうやって誰かの日常、感情をかなりじっくり観察していますよね。そして、みんながどんな物事に疲労しているのか、そういう部分に着目した曲が多い印象です。
すごく人間を見るようにしています。人を見る上でよく想像することがあって、それが「この人には恋人がいるかどうか」なんです。テレビニュースでスポーツ選手の勝利インタビューが流れていても、目を見て、「あー、この人絶対に好きな人ができたな」とか。
――なんですか、それは(笑)
分析が好きなんです。そのあとに熱愛のニュースとか出ると「ほら、やっぱり」と妙に勝ち誇ったり(笑)。逆に、電車に乗っているときもいろんな人を見て、「この人はどうしてこんなに元気がないんだろう」と、その原因を連想することもあります。心のどこかが死んでしまっている人は、今の世の中、決して少なくはない。そういう人たちに、私の曲が届いて欲しい。
――確かにSNSであれば、そういうメッセージもダイレクトに届きますよね。
うん。SNSを更新するのは本人だし、自分が考えていることを発信できる場。魅力的なツールですよね。
――ただ、はっきりと数字が出る残酷さもありますよね。それこそフォロワー数でマウントをとりあうような人もいます。
私も確かに最初は数字が出ることへの怖さがありました。フォロワーの数も気にしていたし。でも、「本当にいいものは、みんなちゃんと見つけて広げてくれる」と信じるようにしています。やっぱり、数字で人を判断するのは嫌。「いいね」と言ってくれる人たちのために更新し続けています。「バズらなきゃ」と意識しすぎてしんどかった時期があったけど、今では「無理をしないように」心がけるようになり、それから気が楽になって、私の投稿を見てくださる人も増えました。

有華

――7月27日からはじまるツアーでは、SNSを通じて有華さんを見ていた人たちとたくさん会えそうですよね。
昨年、10都市をまわるライブをしましたが、そのとき出会った人も、初めて会う人も、有華をもっと身近に感じてもらいたい。(SNSでの)画面越しの有華ではなく、「生の方がもっといいね」と思ってもらいたい。私の素顔もちゃんと知っていただけるようなコーナーを設けるつもりです。今までも、素を出してきたつもりだけど、まだまだ。本当の私はもっと濃いですから。
――今後、インスタなどSNSの展開はどうですか。
特に大きく変わることはないと思いますが、今まで以上にSNSでも良い曲をどんどん作って発表していきたいです。もっともっと多くの人に曲を聴いていただけるように、動いていきます。
取材・文=田辺ユウキ 撮影=日吉“JP”純平

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