【RIZIN.17 開催直前見どころコラム
Vol.1】緊張感MAXの果たし合い:矢地
vs朝倉&バンタム級四天王サバイバル
マッチ!

■RIZIN過去最高の緊張感を伴う行われる潰し合い、矢地vs朝倉
昨年8月、愛知県のドルフィンアリーナで開催された「RIZIN.12」は、1年後の現在振り返ると実に象徴的な大会となった。
メインには当時5連勝中の矢地祐介が登場。修斗環太平洋王座、グアムの団体PXCのベルトを手土産に16年末、RIZINへ参戦した矢地はわずか19秒でフィリピンのマリオ・シスムンドにKO勝ち。鮮烈なRIZINデビューを飾った。
続く17年にはダロン・クルックシャンク、北岡悟、五味隆典と日米の強豪を次々と降し、特に五味戦の後では「矢地くん、これから日本のRIZINを引っ張って」と格闘技ブームの立役者からエールを受け、中量級エースの座が継承された印象を与えた。
18年の初戦も矢地は元UFCファイターのディエゴ・ヌネスを降し、これで5連勝。五味がPRIDE時代に記録した10連勝の更新が期待されたが、そんな矢地にストップが掛かったのが「RIZIN.12」。メインの指名を受け“ヴァンダレイ・シウバの刺客”ルイス・グスタボとの一戦に臨んだが、シウバを思わせる凶拳に2R KOで沈んでしまう。
そんな矢地にとってバッドエンドとなる大会でRIZINデビューを果たしたのが朝倉未来。中学・高校とケンカに明け暮れる日々を過ごした朝倉はTHE OUTSIDERに活躍の場を求めると65-70㎏級、さらに60-65㎏級と2階級を制覇。その後は韓国ROAD FCにも戦いの場を広げ、18年4月に日本のDEEPで勝利すると、地元・愛知県で元UFCファイターの日沖発を相手にRIZINデビューを迎える。
これまでSRC(戦極)、修斗、TKOと3本のベルトを獲得し、高い実力とセンスを謳われてきた日沖に不利を予想された朝倉だが、左ハイキックからのパウンドで初回TKO勝ち。18年はさらにカザフスタンの未知なる強豪カルシャガ・ダウトベック、日沖に続く修斗王者リオン武志と続けて降し、その経歴から色眼鏡で見られがちであった実力を完全に証明した。
そして19年の初戦では矢地をKOに沈めたグスタボと対戦し、2R以降は打撃を見切って判定勝利。RIZIN登場以来無傷の4連勝とし、初のメインとなる今回の一戦を迎える。
矢地が昨年8月の「RIZIN.12」で黒星を喫しその後連敗となってしまっているのに対し、同大会でデビューした朝倉はそこから4連勝。矢地が赤コーナー、朝倉が青コーナーに配されてはいるが、朝倉は矢地を破ったグスタボも降しており、勢いにおいて両者の関係は逆転していると見ることもできる。
6月2日、対戦が発表された「RIZIN.16」のリングに立った2人は「メリットが無いけど俺が階級を上げてやってやる」と朝倉が言えば、矢地も「日本の中量級で世界のトップに立つのはどっちなのか、白黒つけたい。負けた奴に未来はない」と返してさっそく火花を散らす。さらに7月8日には両者が登壇しての会見が行われたが、矢地はいつもの陽気なキャラを封印し、朝倉とのツーショット撮影も拒否して退場。対戦20日前にして既に相当な緊張感を感じさせた。
これまで日本人同士によるメインも少なくなく行われてきたRIZINだが、ここまでお互いが敵意を剥き出しにした例はない。体重は矢地に有利な70㎏で行われるが、これが試合内容・結果にも影響を及ぼすのか。あるいは朝倉が冷静沈着・的確な分析で矢地を攻略してしまうのか。両者待ったなし、真夏の潰し合いとなる。
■パンクラス王者vs寝技天狗、5年5ヵ月越しの“決闘”開戦!
「RIZIN.17」では王者・堀口恭司を追うバンタム級四天王による、こちらも生き残り戦、石渡伸太郎vs佐々木憂流迦、元谷友貴vs扇久保博正の2試合が行われる。
セミファイナルに置かれたのは石渡vs佐々木。両者は今をさかのぼること5年半前となる14年2月、パンクラスで石渡が2度目の王座防衛を果たした後で佐々木がリングへ上がり、「俺の喧嘩を買ってください」と対戦を迫った過去がある。当時は「ああいう舐めたやつが出てこないように頑張ります」と石渡が受け流し対戦に至らなかった2人だが、時を経てRIZINに舞台を変えこの試合が実現する。
佐々木はその後、同年8月からUFCを主戦場とし、2度のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞をはじめ、練習拠点もニューヨークのセラ・ロンゴ・ファイトチームに移し、海外で腕を磨いてきた。昨年末UFCとの契約を終えると大晦日からRIZINに参戦を開始。マネル・ケイプを得意のテイクダウンと寝技で降し、白星でデビューを飾った。“寝技天狗”の異名を取る。
対する石渡は柔道を経て修斗でプロデビューし、2011年12月にバンタム級のパンクラス王者に。同王座はそれから手放すことなく守り続け、5度の防衛に成功した後、欠場中の今年4月に返上を発表した。RIZINには17年のバンタム級トーナメントから参戦し、前評判通り勝ち上がると決勝に進出。13年6月以来となる対戦で堀口にリベンジを挑んだが2R KO負け。今回はその試合以来、1年7ヵ月ぶりの復帰戦となる。石渡は総合力に優れたオールラウンダーで、鋭いボクシング技術と相手をリフトし叩きつけるようなパワーを持ち合わせる。
7月8日に行われた会見で石渡は「自分は差があると思っています」とコメント。テイクダウンを切る技術にも長けている石渡は、佐々木得意の寝技とチョークには至らせないという自信の表れであるか。1年7ヵ月ぶりの実戦となる石渡に対し、佐々木も内臓疾患で4月の試合を欠場しており、これが7ヵ月ぶりとなるファイト。このブランクは双方にどう作用するのか。
堀口が6月に米ベラトールとの2冠を達成し名実ともに世界トップのファイターとなっているだけに、敗北は後退でなく脱落ともなりかねず、両者対戦の実現に是が非でもものにしたい一戦だ。
■修斗vsDEEP、2010年代の国内MMA軽量級を総括する一戦
石渡vs佐々木戦同様、過去にアピールがあり時を経て対戦に至るのが元谷vs扇久保戦。元々フライ級(57㎏)で戦い、今回バンタム級(61㎏)で対戦する両者だが、「フライ級でもう一人スゴいチャンピオンがいると思うので、勝った方がUFCに行くというのはどうでしょうか?」と扇久保が対戦を要求したのが14年10月、VTJトーナメントで優勝を決めた後だった。この時は実現とならなかった両者だが、元谷はDEEP・RIZINと戦績を積んでDEEPではバンタム級も制して2階級王者となり、一方扇久保も修斗2階級制覇を成し、さらにUFCの登竜門的番組TUFに参加し決勝へ進出と、互いにスケールアップして今回の対戦を迎える。両者は元谷が17年4月、扇久保が18年7月とそれぞれ堀口と対戦するもどちらも判定負け。再戦を目指す途上での顔合わせとなる。
華麗な佐々木憂流迦に対し、扇久保もまた重厚なテイクダウンから寝技を進めチョークスリーパーを極めるのを得意としている。だが、寝技は元谷にとっても得意なフィールドであり、これまでデビュー初期以外で一本負けを喫したことはない。扇久保は昨年、堀口との対戦で圧力を利かせて組みつき容易に攻めさせない展開を作ったが、元谷にも同様にそうした展開を強いるのか。
今年5月に保持する修斗王座を防衛した扇久保は元谷の名を上げ再び対戦をアピール。その流れを受け今回の試合となるが、公開練習で「どうなっても僕が勝つと思います。打撃でもレスリングでも寝技でも、譲る気はないです」と自信のコメント。4年9ヵ月越しでの元谷戦を経て再び堀口戦を目指さんとする。
この試合へ深い思いを持つ扇久保が制すのか、あるいはそれをかわして元谷が突破するのか。この一試合だけで語ることのできない、2010年代国内MMA軽量級を総括する一戦となる。

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