水樹奈々

水樹奈々

【水樹奈々 インタビュー】
“自分の人生を生きる”ということを
テーマにしている

ニューシングルは2012年から声優としても携わる人気アニメシリーズの最新作『戦姫絶唱シンフォギアXV』のオープニングテーマ「METANOIA」。圧倒的なパワーと細かなギミックが込められた、『シンフォギア』シリーズ集大成と呼べる楽曲になっている同曲であり、共通したテーマを持つカップリング曲について語ってもらった。

5期ならではの
新しい切り口を模索した

アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズの楽曲は、これまで「Synchrogazer」「Vitalization」など、熱く激しい曲を歌ってきましたが、今回の「METANOIA」は過去最高峰ですね。

『シンフォギア』シリーズは第1期から激アツで、アフレコ現場も“みんなで全国制覇するぞー!”といった体育会系の部活のような雰囲気なんです(笑)。それが5期ともなればキャストも増え、積み重ねてきた想いも膨らみ、物語としても国家レベルのスケールで話が進むので、ちょっとやそっとの曲では太刀打ちできないと思っていて。それで作曲の上松範康さんと何度もディスカッションを繰り返して作っていきました。ただ集大成と言っても、これまでの要素を盛り込むのではなく、5期ならではの新しい切り口を模索しました。

その新しい切り口が、男性コーラスでラップが入っているところなどですね。

はい。一聴するとこれまでの『シンフォギア』とカラーが違っていて、意外性を感じていただけると思いますが、ラップやコーラス、掛け合いのメロディーなど、いろいろな音が折り重なって構成されているところは、さまざま思惑が絡み合う5期のシナリオや、キャラクターたちが各々の歌を歌いながらも同じ目的を持って共闘するところともリンクすると思います。

今回も上松さんの音楽における変態性が爆発していますね。

女性アーティストに提供する曲で、キーのトップがGというのはなかなかないと思います(笑)。裏声で歌うコーラスパートではあったとしても、主メロで登場するなんて、どんなイジメかと思いました。上松さんに“ラストサビにファとソがいっぱい出てくるんですけど!!”と言ったら、“あっ、バレちゃった?”って(笑)。

シレッと(笑)。

“こっそり入れておけば気付かれないと思った”って言うんですよ! 気付くに決まってるじゃないですか(笑)。作詞をしている時点から予感はしていましたけど、まさかここまでハードなものになるとは!!

でも、その困難なハードルにチャレンジしなければいけないという、必死さというか声の感じが、『シンフォギア』の激しい戦いの様子とも重なると思いました。

“戦姫絶唱”ですからね! まさしく絶唱ソングです。

アニメ1期では、その絶唱で命を落としたキャラクターもいましたが。

今は死ぬまではいきませんが、血がいっぱい出たりします(笑)。でも、そういう絶唱感が、この曲には必要だったんだと思います。

作詞は大変でしたか?

実は、すごくスムーズでした。絶対苦戦すると覚悟していたので、自分でも不思議で。1週間くらいで完成することができました。

もうアフレコは始まっていて?

はい。そこでたくさんのエネルギーをもらえたんだと思います。

アフレコ現場では他のキャストさんから“次の主題歌はどういう感じですか?”など、期待されたんでしょうね。

毎回エンディングテーマを担当している高垣彩陽ちゃんも、今回自分で作詞をしていて。彩陽ちゃんから“奈々さんはどうですか? 私、めっちゃ悩んでます〜!”と相談されました。正直、自分も頑張らないといけない状況だったんですけど、そこは先輩として弱さを見せてはいけないと思って、“大丈夫だよ!”と強がって見せたりしていて(笑)。でも、そう言ってしまった分、彩陽ちゃんよりも絶対先に仕上げなきゃと内心ドキドキでした(笑)。

自分でハードルを上げてしまっていたんですね。

実は作詞直前に座長公演『水樹奈々大いに唄う 伍』があって、それがいい刺激になったみたいです(笑)。私の場合、いつもとは違う刺激が脳に与えられると、どうやら歌詞がスムーズに出てくる傾向があるみたいで。これまでもインフルエンザにかかった時や階段から落ちた時に急にスラスラと書けたことがあるんです。科学的にも立証されているみたいで、どうやらピンチに陥った時の人の脳は許容量が拡大するそうです。なので、3年に1度の座長公演で台詞を覚えたり殺陣の練習など、普段やらないことをたくさんやったことで脳が刺激されていたんじゃないかと(笑)。

裏を返すと、座長公演はピンチだったと。

大ピンチでしたよ!(笑) 台詞も殺陣も全部1週間で覚えなくてはいけなくて。でも、その時の覚醒モードのまま、作詞に入れたのはラッキーでした! 心から座長公演に感謝です!!(笑)

歌詞の内容は主人公の立花響の心情ですか?

主人公の立花 響と親友の小日向未来をメインに綴っていますが、いろいろな立場のキャラクターの思いも込めています。

《響》と《未来》というワードも出てくる。

《未来》は“あす”と読ませていますが、《響》と《未来》という文字は1期のオープニングテーマ「Synchrogazer」の時から必ず入れています。やっぱりふたりはかけがえのない関係だし、5期のキービジュアルが手をつないだふたりのバックショットという意味深なものなんです。ふたりの存在が物語のキーになるので、印象的に使いたいと思っていました。

タイトルの“METANOIA”については? ギリシャ語とのことですが。

“回心する”とか“悔い改める”という意味があります。過去に「Synchrogazer」(2012年1月発売の26thシングル)など、アニメの中で技名として使われたタイトルもあったので、今回も必殺技名として使われてもいいようなカッコ良いタイトルにしたいと思っていました。実は『シンフォギア』シリーズの原作者の金子彰史さんからあるリクエストがあったので、それも踏まえて付けていて。ぜひアニメを観て推理していただければ嬉しいです。
水樹奈々
シングル「METANOIA」

OKMusic編集部

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