初のホールツアーにも関わらず、堂々としたパフォーマンスを魅せた坂本真綾 ListenJapan

初のホールツアーにも関わらず、堂々としたパフォーマンスを魅せた坂本真綾 ListenJapan

初のホールツアーを大成功させた坂本
真綾、チケット即完売ライヴの公式レ
ポートが到着!

3年3ヶ月ぶりのオリジナルフルアルバム『かぜよみ』を1月14日にリリースし、オリコン初登場3位を記録するという快挙を成し遂げた坂本真綾。同アルバムを引っ提げて、1月21日(名古屋)、22日(大阪)、24日(東京)の日程で開催された東名阪ホールツアーLIVEも大成功をおさめ、2009年のスタートを見事に飾りました。

そこで今回は、1月24日、東京国際フォーラム ホールAにて行われたライヴのオフィシャルレポートをご紹介。チケットも即完売したというプレミアムなライヴの模様をご堪能ください!

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<坂本真綾 LIVE TOUR 2009 “かぜよみ” 東京公演 1月24日>

5,000人の観客で埋まった東京国際フォーラム・ホールA。午後6時を少し回り、客電が落ちる。アルバム「かぜよみ」の1曲目であるインストゥルメンタルの「Vento」が流れ、「Get No Satisfaction!」のイントロと同時に、旗をかたどった巨大な白幕に坂本真綾のシルエットが映し出されるといやがおうにも歓声が高まる。名手・佐野康夫のワイルドなドラムがリズムインしてくると、今度は瞬間移動でもしたかのようにステージ下からせり上がってきてついに姿を見せた深紅のドレスの真綾。観客の興奮はオープニングから一気にヒートアップ。5年ぶりに行う本格的なライブの高揚感を全身で感じている真綾のこぼれんばかりの笑顔が印象的な、最高の幕開けだ。 

名古屋、大阪とは編成を変え、ストリングス・カルテットが加わった東京公演。弦の美しい音色が序盤から曲を彩っていく。間髪入れずに続いた2曲目は、ヒット曲「トライアングラー」。ステージを左から右へ動き回って歌い、曲のエンディングには、バンドの音に合わせてジャンプ。躍動感のあるパフォーマンスで、観客を引きこんでいく。

 美しい花の映像をバックに3曲目の「ループ」を歌い終えると、最初のMC。

「アルバム「かぜよみ」ができた時は、この世のものとも思えない幸福感がありました。今日は、みんなにもそれを味わってほしい」 力強い言葉に、今日のライブにかける情熱と意思が伝わってくる。観客の大きな拍手と声援を得ると、「風待ちジェット」「雨が降る」「Remedy」と落ち着いたナンバーを連続して披露。「風待ちジェット」では、サビの歌詞に合わせて手をかざすポーズを取り、「雨が降る」では、暗転したステージでピンスポットを浴びて切ないAメロを
入場時に、観客全員に配られたオレンジ色の旗。2度目のMCでは、その旗にこめられた思いが語られた。
「『かぜよみ』をレコーディングしたのはたった数ヶ月だったけど、長い長い道のりがずっと続いてきてたどり着けた場所。坂本真綾というストーリーの流れがここで一つになったという経験ができたアルバムでした。みんなも、それぞれ自分の人生を歩んできて、今、ここで一つの場所にいる。今日はみんなが『かぜよみの民』。この旗はそのシンボルです」

 長い道のりとはどんなものだったのか? それを示すように、MC後に「奇跡の海」「風が吹く日」と、10年以上前に発表された曲を続けて披露。最新シングル「雨が降る」のカップリング曲「プラリネ」を挟んで、2001年リリースの「Lucy」へ。長いアウトロが流れる中、一度舞台から退き、次の「走る」のイントロと同時に、黒の衣裳に着替えて、舞台上段から飛びだしてきた。

 再びMCを挟んで、今度は16歳の時にリリースしたファーストシングル「約束はいらない」や、劇場版アニメ『エスカフローネ』の主題歌だった「指輪」と、ファンにとってはたまらない2曲が登場。会場から歓声が上がる。

 舞台を大きく動き回って10代の頃にリリースした曲を続々と歌っていく真綾。その動きは快活というよりは優雅で、舞台『レ・ミゼラブル』の経験が、いかに彼女を洗練させたかがうかがい知れる。貫禄さえ感じるパフォーマンスだ。だが、ソロのライブにはずっと恐れを感じていたと、続くMCで彼女は過去の自分を見つめて告白する。
「人前に立つのが苦手で、自分をオープンに見せることが難しかった。ライブはコミュニケーションだと分かっているからこそ、出来ないという気持ちがありました。でも、『かぜよみ』を作る中で一つ一つ自由になっていって、ライブがしたいと自然に言えるようになりました」

 そっと涙ぐみながら語る姿に贈られる、大きな拍手。そして、ここから先の5曲が、この日のクライマックスとなった。
「あの日の私に歌わねばならない曲」と語りつつ歌い、歌い上げた後には握った拳を大きく宙にかざして感動を伝えた「光あれ」、数あるレパートリーの中でもひときわドラマティックな「マメシバ」、切なさに包まれた「さいごの果実」。そして、「『かぜよみ』の中で一番、私そのものになってしまった曲」という、「カザミドリ」。

 「最後の曲です」というMCを合図に、観客は事前に渡されてた青いサイリュームを準備する。これは本人には内緒でスタッフが仕掛けたサプライズ。地球上の一人一人の人間の思いを青い灯にたとえた「ユニバース」が5千の青の輝きの中で歌われ、曲が終わると涙が止まらない姿がステージ上にあった。

 アンコールでは、これも懐かしい「プラチナ」や、本人のピアノ弾き語りによる「NO FEAR/あいすること」などを披露。二度目のアンコールで、ファンクラブのライブでは締めの曲としておなじみの「ポケットを空にして」を会場全員で合唱。これでライブは完全に終了するはずだった。

 だが、何かを思いついたような素振りでピアノの前に座る真綾。これは「ユニバース」でサプライズを仕掛けられた彼女の、観客への返礼だった。

「初めて人前で弾くからすごくドキドキしているんだけど、私のためにもこれをもう一回歌わせてください」
 あらゆる思いが詰まった弾き語りの「カザミドリ」によって、3時間のライブが今度は本当に幕を閉じたのだった。
初のホールツアーにも関わらず、堂々としたパフォーマンスを魅せた坂本真綾 ListenJapan
躍動感のあるパフォーマンスで観客を引き込んで行く ListenJapan
ライブへの思いを伝える坂本真綾 ListenJapan
想いを込めてピアノ弾き語りで歌う坂本真綾 ListenJapan

OKMusic編集部

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