「Pretender」で描かれる男性目線の恋心

「Pretender」で描かれる男性目線の恋心

「Pretender」で描かれる男性目線の
恋心

歌詞中の登場人物の関係性
歌詞中に登場する“君”と“僕”は、恋人同士ではないが、近い距離感を保っている関係と言えるだろう。そう推測できる理由は、「ずっとそばにいたって結局ただの観客だ」という歌詞にある。
“僕”は“君”の近くにいるけれど、“君”とコミュニケーションをなかなかとることができず、見ているだけの様子が表現されているからだ。
では、“君”の方は“僕”に足してどのような感情を抱いているのだろうか?
「感情のないアイムソーリー」、この歌詞から分かるように、“君”は“僕”に対しては特別な感情は抱いておらず、無意識にクールな対応をしてしまうくらい気にもとめていないのだ。

“君”への思いと叶うことのない願望

“僕”にとって、“君”は近くにいるけど手が届かない存在。
勝手な憶測ではあるが、恐らく“僕”は好きな人に自分から声をかけられない内向的な性格で、反対に“君”は社交的で小さなことは気にしないような性格なのではないだろうか。
正反対の性格の“君”と“僕”の人生が、この先交わるといったことは想像もできない。
だから、歌詞にもあるように「もっと違う設定でもっと違う関係で 出会える世界線選べたらよかった」と、どうにか“君”と“僕”の間にロマンスがあるような人生でありたかったのだ。
「もっと違う性格でもっと違う価値観で愛を伝えられたらいいな」という歌詞には、“僕”が好きな人に自分をアピールできるくらいの積極性があり、“君”と同じような価値観を持ち合わせていれば、距離をすぐに縮めることができたかもしれない。

変わることのない“僕”の思い

Pretender 歌詞 「Official髭男dism」
https://utaten.com/lyric/qk19044046

“君”の目線に立って考えた僕の気持ちが描かれている歌詞。
“君”から見れば“僕”は恋愛対象にならないだろうと思っても、“君”への恋愛感情を断つことは容易な事ではない。
例え“僕”が“君”と恋人同士になれる確率は少なくて、“君”への“僕”の思いは変わらないということを「君は綺麗だ」という断定的な言葉で表現している。

楽曲タイトルの意味とは?

「Pretender」には「~のふりをする」という意味があり、歌詞の一部で“僕”が“君”と恋人同士になれた時の妄想が描かれていることから“恋人のふりをする僕”に準えて、このタイトルが付けられたのだろう。
Pretender 歌詞 「Official髭男dism」
https://utaten.com/lyric/qk19044046
“君”と恋人同士になって、手を繋いだりすることを妄想したりしても、現実には何も変わることはなく、妄想が終われば、ただ虚しさだけが残るだけだ。
しかしこの楽曲は、単に“叶うことのない切ない恋”だけを描いたものではない。
恋愛が成就してもしなくても、片思いしている時の楽しさを表現しているのだ。


好きな人に振り向いてもらえない切ない恋愛感情が描かれた歌詞ではあるが、『Pretender』は曲調も相まって、恋愛に対して前向きな気持ちになれるから不思議だ。

TEXT 蓮実 あこ

UtaTen

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