舞台『はい!丸尾不動産です。』本番
直前の稽古場に再潜入!兵動大樹、桂
吉弥らキャスト&スタッフに待ち受け
るのはハッピーエンドか!?

『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
お笑い芸人・兵動大樹と落語家・桂吉弥が主演する舞台『はい!丸尾不動産です。〜本日、家をシェアします〜』の稽古が大詰めを迎えている。
初日を3日後に控えた6月26日、関西テレビの局内にもうけられた稽古場で通し稽古がおこなわれた。同舞台の動向を追いかけてきたSPICEは、再びその白熱の稽古に潜入。今回は兵動、吉弥のコメントをまじえながら、本番直前の様子をレポートする。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
通し稽古が始まる10分前。関西テレビ関係者からカツサンドの差し入れがあった。しかし、稽古前でピリッとした緊張感が漂っていたため、誰もなかなか手をつけようとしない。そんな中、「僕、いただきますわ!」と明るい口調で真っ先にほおばったのが、吉弥だ。主演である吉弥がそうやって一番に食べることで、キャスト、スタッフも手を伸ばしやすい状況になった。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
吉弥:いえいえ、そんな気遣いとかではなく、スタッフさんが「最初に食べづらいな」とおっしゃっていたので、僕が「じゃあ」と先に食べただけです(笑)。っていうか、兄やん(兵動)なんか、「みんな食べてね」と自分で持ってきた差し入れの豚まんを、真っ先に自分が取って食べていましたし。
兵動:いやぁ、お恥ずかしい。我慢できへんかってん……。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
お腹を満たして、通し稽古が始まる。『はい!丸尾不動産です。』の物語の舞台は、シェアハウスの幸福荘。行き詰まった人生を送っている3人の男女(宮下雄也、青山郁代、三好大貴)が暮らすその場所に、不動産屋・菅谷(兵動)が入居希望者・林田(吉弥)を連れてやって来る。林田は50歳の元エリート銀行員。彼は、何の不自由もなく、早期退職をして今や悠々自適の毎日。それなのになぜ、わざわざオンボロの幸福荘でシェアハウスをするのか。その謎があきらかになっていく。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
前回の取材でも記述したが、菅谷と林田の出会いのシーンは何度見ても笑いが止まらない。兵動はここで、毎回違う「すべらない話」をぶつけてくる。この日披露したのは「ちっさいおっさんが飴を吸うように舐める音」のエピソード。共演者、スタッフも兵動の話に思わず吹き出してしまう。
兵動:このシーンは稽古でも毎回話を変えているので大変なんですよ。引き出しがなくなってきました(苦笑)あと、これはお笑いでもよくあることなのですが、稽古場でウケると、本番でうまくいかないことがある。だからウケればウケるほど、ちょっと不安ですね。
このあと、林田が、他の住人と交流をはじめていく。自称ミュージカル女優・亜美(青山)、司法浪人生・沢田(三好)、正体不明の花屋・守屋(宮下)というワケありの3人に林田が翻弄されて……と思いきや、事態は急展開をみせる。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
このあたりから林田の台詞量はどんどん増えていく。前回の取材時の段階では台本を手放せなかった吉弥だったが、当然今は台詞がきっちりと頭に入り、まさに林田としてその言葉を発しているように思えた。
吉弥:前に取材してもらったときの記事の写真を見たら、僕は全部台本を持っていましたもんね。でも、台詞がちゃんと(頭に)入ったのはつい最近なんですよ。自然と、しゅわーっと入ってきた感じでしたね。
兵動も、吉弥の演技力に「きっちりと林田になりきっている」と感心。一方で「そんなきっちゃん(吉弥)を見ていると、焦りますね。しかも今日の僕は(台詞を)噛むことが多かったし。特に、先の場面のことを考えてしまって、手前の台詞が飛んでしまうことがあった。だから、あまり気負わないようにしたいですね。前にお話をしたように、普段の自分のクオリティのままで舞台にあがることができれば良いかなって」
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
謎の女の子(高岡凜花)が登場して物語は怒涛のクライマックスへ突入。幸福荘の住人たちには、どんな運命がやってくるのか。約90分の通し稽古を終えて、演出家の木村淳は全員に「完成度はあがっています。ただ、全体的にかかり気味(気合が乗りすぎて芝居が急ぎ気味)だったかもしれません。誰かが芝居をしたら、それをちゃんと受けて、咀嚼して返すようにしてください。そうすることで、かかり気味の間合いが正常にもどっていくので」と全員の高ぶる気持ちを一旦なだめた。
『はい!丸尾不動産です。~本日、家をシェアします~』
通し稽古のあとは細かい修正点を木村が指摘。兵動からも「おしりを蹴られるところがあるけど、お客さんにちゃんと見えますかね?」と質問があがるなど、おもしろい舞台を作り上げるために、スタッフ、キャストが一丸となっている印象を受けた。
吉弥がこの日来ていたTシャツをふと目をやると、偶然か否か、日本を代表するバンド、はっぴいえんどをモチーフとした絵がプリントされていた。幸福荘の住人たちが巻き起こす物語、そしてこの舞台は、果たして無事に幸せな結末を迎えることができるのか。それとも……。泣いても笑っても、本番はもうすぐだ。
取材・文=田辺ユウキ 撮影=田浦ボン

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