【WWE Live Tokyo 開催直前!見どこ
ろ特集コラム Vol.7】史上初! レッ
スルマニアのメインで女子王座獲得!
WWEの歴史を変えたベッキー・リ
ンチがやってくる

WWEが6月28日(金)&29日(土)、東京・両国国技館にて開催する『WWE Live Tokyo』に、スポーツエンターテインメントの歴史を変えた“超雄(ザ・マン)”がやってくる。ザ・マンとはいえ、この異名を持つベッキー・リンチは、れっきとした女子のWWEスーパースター。今年4月におこなわれた年間最大イベント『レッスルマニア35』、そのメインにおいて史上初めて女子による歴史的試合がおこなわれたのだが、その闘いを制して王者になったのが、リンチなのである。
リンチはアイルランド出身で、2002年11月11日に男子とのバトルロイヤルでデビュー戦をおこなった。リングネームはレベッカ・ノックス。現フィン・ベイラーのプリンス・デヴィットと来日経験もあるポール・トレイシーからレスリングを学び、テレビで見ていた憧れのWWEと同じ世界に飛び込んだ。アイルランドからカナダに移住し、日本へは05年11月に18歳で初来日。新間寿恒氏主宰による「IW♡GP」に参戦した。リアルタイムではないものの初代タイガーマスクの試合がお気に入りの彼女は、日本のプロレスの聖地・後楽園ホールのリングにも立ったのだ。
その後、08年に一度リングを去るも、12年10月にアイルランドでカムバック。アメリカに渡り、13年にWWEと契約を交わしNXTで再スタートを切った。NXTデビューは14年6月でベッキー・リンチに改名、15年7月にシャーロット・フレアー、サーシャ・バンクスとともにロウ昇格を果たすとステファニー・マクマホンに呼び込まれるかたちで登場し、“女子革命”の先陣を切ることになったのだ。
ベッキーのWWE初戴冠は16年9月11日、初代スマックダウン女子王座だった。昨年の日本公演にも参加したベッキーは18年8・19『サマースラム』でシャーロットに敗れるも、9・16『ヘル・イン・ア・セル』において王座奪回。2日後のスマックダウンでは大々的に戴冠式をおこなった。その後もシャーロットとの闘いを継続させながら防衛ロードを歩んでいく。女子だけによる初めてのPPV10・28『エボリューション』でも、KOのみで決着がつくラストウーマンスタンディングマッチを制し、王座防衛に成功した。
が、11月の負傷欠場が影響したか、12・16『TLC』でのテーブル&ラダー&チェアー3WAYマッチに敗れ、日本人スーパースター、アスカに王座を明け渡した。それでも年明けのスマックダウンではジョン・シナと夢のタッグを結成、1・8ジャクソンビルでの挑戦者決定トリプルスレットを制してアスカとの再戦権を手に入れた。そして迎えた1・27『ロイヤルランブル』で王座奪回には失敗も、30人参加ランブル戦に突如登場。負傷したラナの代役として現れ、見事な大逆転でランブルマッチを制したのだった。
ベッキーは左ヒザを負傷していたのだが、ドクターの診察を拒否して首脳陣に噛みついたことがかえってその後の展開をドラマチックにしていった。トリプルH、ステファニーに堂々物言いをつけた姿が共感を呼び、支持率が急上昇したのである。「(休んでいるのは)ロンダ・ラウジーが恐いんだろ」と言い放つトリプルHに張り手を見舞ってみせたのだ。事態収拾にビンス・マクマホンも現れ、60日間の謹慎処分を言い渡した。そのまま従えば、『レッスルマニア35』出場もなくなってしまう大ピンチ。それでもベッキーは乱入を繰り返し、松葉杖でシャーロットやロンダを殴打する暴挙に出た。ロンダは「処分を解いて試合に出せ!」と狂乱。まずは3・10『ファストレーン』にてベッキーとシャーロットが一騎打ちをおこない、ベッキーが勝てば『レッスルマニア35』に出場できる条件がつけられた。ここで乱入の報復に出たのがロンダだった。試合はベッキーの反則勝ちが宣告され、ベッキーの祭典出場がかろうじて決定。これはロンダの作戦で、ベッキーとシャーロットをまとめて祭典で潰そうという目論見からだったのだ。
よって、『レッスルマニア35』はロンダのロウ女子王座、シャーロットが直前でアスカから奪ったスマックダウン女子王座が懸けられ、ここにランブルマッチ覇者のベッキーが加わるトリプルスレットでおこなわれることになった。しかも数あるビッグマッチを差し置いての真のメインイベントである。それでも試合は激闘となり、最後は無冠のベッキーがWWE登場以来無敗を誇る“史上最強の女子格闘家”ロンダを初めてピンフォールする劇的な結末となった。これにより、ベッキーはWWEの規定概念を大きく覆したことになったのだ。
2本のベルトを巻いたベッキーには、祭典翌日からさっそく新たな試練が待っていた。貴婦人を装うレイシー・エバンスの挑発を受けるとともに、シャーロットとの決着もつけなければならなくなったのだ。5・19『マネー・イン・ザ・バンク』はタイトルマッチの2試合連続という難関に挑戦。“ビッキー・ツーベルト”という新しいニックネームまで得たのだが、さすがに連戦は厳しかった。エバンスには得意のディスアーマーでギブアップを奪ったものの、直後のシャーロット戦ではレイシーが腹いせの乱入行為。これをきっかけにベッキーがビッグブーツからフォール負けを喫し、2冠王からロウ女子王座のみという結果に。スマックダウン女子王座はその直後にマネー権行使のベイリーに移動というハプニングもあったのだが、いずれにしてもベッキーの“ツーベルト”はこの時点で消滅した。
しかしながら、ベッキーがロウ、スマックダウンを通じて現在のWWE女子の頂点に君臨する事実は変わらない。このままロウ女子王者として来日すれば、日本での防衛戦もおこなわれることだろう(6・28でアレクサ・ブリスとの防衛戦、6・29ではアスカ&アレクサとトリプルスレット形式での防衛戦が予定されている)。実は来日経験もあり、WWEの歴史を変えた“超雄(ザ・マン)”。その真実を是非その目で確認してほしい。
(新井宏)

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