ROLLY

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J-ROCK&POPの礎を築き、今なおシーンを牽引し続けているアーティストにスポットを当てる企画『Key Person』。3回目のゲストは“エンターテイナー”のROLLY。1990年に“ローリー寺西”としてすかんちでメジャーデビューし、解散後は現在の名前に改め、音楽というフィールドのみにこだわらず、さまざまな活動を行なっている。現在の人格を作り上げた幼少期から振り返り、独自の確立されたスタイルでデビューから30年が経った今も多くの人を魅了するROLLYに話を訊いた。

ROLLY プロフィール

ローリー: 1982年に結成したロックバンド、すかんちで90年にシングル「恋のT.K.O.」でメジャーデビュー。96年にバンドが解散するも、ROLLYとしてのソロ、THE MANJI、ROLLY & GlimRockersやさまざまなユニット、プロジェクトなどでの音楽活動や他アーティストのプロデュースを行ない、その一方ではタレントや役者としても積極的な活動を展開。そして、2020年のデビュー30周年を前に、その前年となる2019年=プレデビュー30周年の年に自らの音楽史を辿るアナザーストーリー的な重要作品として、今まで数々のアーティストに提供してきた楽曲の中から自らセレクトしたセルフカバーアルバム『ROLLY'S ROCK WORKS』を自身の記念すべきデビュー日である5月21日にリリース。ROLLY オフィシャルHP

いじめられた体験が
いつか役に立つことがあると思った

ROLLYさんの幼い時について教えてください。

僕は小学生の時、いじめられっ子だったんです。じゃんけんで負けた子が全員の鞄を持たないといけないという、鞄持ちっていうゲームがあってね。鞄をたくさん持たされてました。まぁ、その前に掃除もさせられているんですけど(笑)。ひとりで床を拭いていると、いじめっ子たちがズラッと並んで“おい、まだか”って言うので、“終わりました”って言うと“じゃあ、鞄持ちじゃんけんだ”ってなってじゃんけんをするんですけど、僕が負けるまでやるんですよ。僕が勝った時は“後出しだ”って言われるの。当時はよく道路にわんこの排泄物が放置されたままになってたから、それを棒でぐりぐりぐりと捏ね繰り回したものを鼻のところに持ってこられたり、竹刀みたいなもので脛を叩かれたり…でも、鞄を落とすとまた学校からやり直しになるんで、それに耐えながらね。もうつらくてつらくて。だけど、母親に言うこともできずに我慢していたんですが、とうとう“実は…”と言った時があったんです。そしたら母はものは考えようというか、“いじめてくれたおかげで、それに耐え抜けた自分は心を強く持つことができたと思っておきなさい”と。“むちゃくちゃなことを言うなぁ”と最初は思っていたんだけど、“このいじめられている体験がいつか人に話せたり、役に立つことがあるんじゃないか”と思うようになったのね。で、あまりにつらすぎて妄想が膨らんで、“いつか誰かが迎えに来て、自分を天空に羽ばたかせてくれるんじゃないか”と夢のようなことを思っていたら、24歳の時にソニーレコードの人から電話があって、“お前をマディソン・スクエア・ガーデンに連れて行く”って言われたんですよ。思っていたことが本当になっちゃった。それ以来30年、この仕事をやって、今日この話をまたしていると!

なるほど。

“あの電話がなかったら、いったい自分はどんな奴になっていたんだろう?”と思うよね。僕の実家は電気屋さんだったんだけど、電気屋さん、地元の商店街の布団屋さん、煙草屋さん、カメラ屋さんとかには当時から陰りが見えていて。でも、当時の音楽業界というのは上り調子だったのね。僕はギターを弾くことは好きだったので、それを活かせることができたらいいなと思ってはいたけど、そんなことはできるわけがないと思ってたんだよね。

OKMusic編集部

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