しゅーず、さらなる進化を遂げたワン
マンツアー・東京公演をレポート

Live Tour 2019 -DEEPER-

2019.5.26 TSUTAYA O-EAST
全国5カ所をまわるワンマンツアー『Live Tour 2019 -DEEPER-』を開催したしゅーず。約1年ぶりとなる今回のツアーは、前回よりも公演本数はもちろんのこと、より表現力を増したパフォーマンスを存分に披露し、オーディエンスを大いに熱狂させた。このレポートでは、ツアー初日となったTSUTAYA O-EAST公演の模様をお届けする。
しゅーず
ステージの照明も、オーディエンスが持つサイリウムも、青一色に染まる中、まずはバンドメンバー(Gt:鳴風、Ba:小林修己、Key:森谷優里、Dr:裕木レオン、DJ:Kung-fu-jumper)が登場。遅れてしゅーずが姿を現わすと大歓声があがり、そのまま「BEAUTIFUL WITCH」でライブはスタートした。笑みを浮かべながら、艶のある歌声をフロアに届けていく。しゅーずといえば、AOR的なものやセクシーな雰囲気の楽曲が得意であり、そういった楽曲で活きる歌声の持ち主だが、「BEAUTIFUL WITCH」はハードかつアップテンポなロックナンバーということもあって、身体を大きく揺らしたり、ヘッドバンギングをしたりと、パフォーマンスがいつにも増してかなりパワフル。新しい側面を見せつけると、「みなさま、ようこそおいでくださいました! 声を聴かせて!」と、「キャットアイメイク」では何度も力強く拳を突きあげて盛り上げる。また、心地よいファルセットを響かせた「セカンド・キス」や、官能的な「浮世に華」と、自身のストロングポイントを炸裂させる楽曲も連投。序盤から強烈な熱気がフロアに立ち込めていた。
しゅーず
「今回のツアーはやりたいことが盛りだくさん」と話すしゅーず。そのひとつが、アコースティックコーナーだった。「こういった形で披露するのは初かも」と、イスに腰をかけて演奏されたのは「さよならミッドナイト」。柔らかく奏でられるアコースティックギターの音色に寄り添いながら、目を閉じて情感たっぷりに名バラードを歌い上げると、オーディエンス達はその歌声にじっくりと酔いしれていた。さらに「しっぽりとした感じになりましたけど、もうちょっとしっぽりしたい(笑)」と、アコギ&キーボードの編成で「U」「ファーストレディー」を続けて披露。感傷的な空気でフロアを包み込んでいた。また、今回のツアーではその会場でしか聴けない曲が用意されていて、東京公演では、「尊敬してやまない方の曲です」と、Nissyの「ワガママ」をカバー。LEDモニターには雪に染まった都会の景色が映し出される中、ステージ頭上からは季節外れの雪が降り注ぐという、なんともロマンティックな空間になっていた。
しゅーず

しゅーず

シンガロングを巻き起こした「妄想感傷代償連盟」を歌い終えると、しゅーずは一度ステージを離れ、バンドメンバーによるインタールードへ。ポストロック的で迫力のある演奏を繰り広げた後、しゅーずが再び登場したのだが、その横にはシークレットゲストのATYが! 大歓声が上がる中、3人は「Love Me If You Can」を披露。しゅーずも踊りながら力強く歌声を届けると、続く「PiNK CAT」ではステージから何度もCO2が吹き上がり、そこから「KILLER B」に繋げて、客席の興奮を激しく煽り続けていく。しゅーずのライブでは恒例になりつつあるダンスブロックだが、後のMCではツアーを重ねるごとに「踊る曲が増えてない?」とATYの2人。曲が増えたのみでなく、ダンスの表現力もあがっていて、よりダイナミックなステージングになっていた。
しゅーず
しゅーず、ATY

また、この日は8月7日にリリースされる3rdアルバム『DEEPEST』に収録される楽曲も多数披露された。前述のものでいうと、「BEAUTIFUL WITCH」「浮世に華」「ファーストレディー」がそれに当たるのだが、先日動画サイトで先行公開された「夏蜘蛛」も、ATYとともに披露。彼女たちのダンスが、センチメンタルなミディアムナンバーを美しく彩っていた。さらに、みきとPによる書き下ろしの新曲「Highway Lover」を本邦初公開。ラップが組み込まれていることもあって挑戦的な部分もあるのだが、アーバンな雰囲気のシティポップサウンドが心地よく、しゅーずの持ち味を凝縮したような楽曲に仕上がっていて、彼の新たな代表曲になりそうな予感に満ち満ちていた。
しゅーず
しゅーず
本編の最後に用意されていたのは「マンティス▽クライシス」。「イヤモニを片方だけ外すから、声をガンガン響かせて!」と煽るしゅーずに、オーディエンスは全力で応え、凄まじい熱狂のなか本編が終了。アンコールで登場したしゅーずは「閃光少女」を歌い上げると、オーディエンスやライブスタッフに感謝を告げ、「ハジメテノオト」を披露した。壮大な雰囲気を持ったスロウナンバーにありったけの思いを込めて届けると、最後には大量のシャボン玉がステージから吹き出され、約120分の熱演は、実にドラマティックなエンディングを迎えたのだった。

しゅーず
しゅーず
昨年のワンマンツアーよりも、力強いステージを繰り広げたしゅーず。また、アルバム『DEEPEST』の楽曲もかなり強力で、彼の魅力をさらに引き出すものばかりだったことからも、ここから先の活動がさらに楽しみになった。この日披露されなかったアルバム楽曲もまだ多数あり、そちらも生で聴きたいところだが、はたしてどうなるか。期待して待ちたい。

文=山口哲生 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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