奥華子「失恋ソングが好き」2年振りの弾き語りツアーで感涙の一夜に

奥華子「失恋ソングが好き」2年振りの弾き語りツアーで感涙の一夜に

奥華子「失恋ソングが好き」2年振り
の弾き語りツアーで感涙の一夜に

2年振りのツアーは、新旧織り交ぜて幕開け
同公演は彼女にとって約2年ぶりとなる全国弾き語りツアーで、5月17日の北海道 札幌市教育文化会館 小ホールを皮切りに全28ヶ所を廻る。今回UtaTenは、ツアー中である東京公演の取材を敢行した。
弾き語りツアーという事もあり、開演前から会場は静寂の世界へと包まれていた。
開演時刻が過ぎ照明が暗転すると、観客から盛大な拍手が巻き起こる。その音に導かれるようにステージに登場した奥華子。舞台に置かれているグランドピアノの前に腰掛けると、彼女の周りに一筋の光が差し込んだ。そして、彼女はそっと手を鍵盤に置くと、弾き語りツアーの幕開けとなる楽曲を優しく披露した。
ピアノ一音一音を丁寧に奏で、序盤ではニューアルバム「KASUMISOU」に収録されている南條愛乃への提供曲『逢えなくても』を演奏。人を好きになった時に感じる純粋な想いが、ホール中に響き渡り、初めから涙を誘った。
先程の落ち着いた空気から一変するかのように、元気いっぱいな奥華子のMCへ。
「こんばんは!奥華子コンサートツアー2019弾き語り東京公演、ようこそお越しくださいました!ありがとうございます!久しぶりの弾き語りツアーがどんな感じになるのかは、みんな次第ですよ!ライブはとにかくみんなにかかってるんです。一緒に盛り上がって、一緒に今日のライブを作り上げて下さい!」と2年振りのツアーの喜びを噛み締めながら、観客を煽った。
続けてMCでは、今回のツアータイトルにニューアルバム「KASUMISOU」という名を付けていない事に触れ「ニューアルバムの曲だけにこだわらずに、色んな曲を歌って行きたいなって思っています」と自身の想いを語った。
3曲目に突入する前に彼女はこう話す。「言葉とか目に見えていないものも沢山あるなって。人の寂しい気持ちとか、嬉しい気持ちが見れたならどこに行くんだろうって思って作った曲です」。そう告げると、グランドピアノからキーボードへとチェンジをし、新曲の『鞄の中のやきもち』を贈り届けた。
晴れやかさを感じる新曲の『ホントはね』では、どういう風にのったらいいかわからない人の為に、彼女から楽曲のノリ方を伝授。観客全員をスタンディングさせ、クラップをしながら楽しませるという光景が広がった。
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「ホントはね」を披露した後、MCへ突入。「私はピクルスが苦手だから、あなたがいてくれたら(ピクルスを食べてくれる)っていう歌詞を「ホントはね」で書きたかった!でもピクルスって変じゃん?(笑)あと、あなたがいてくれたら虫をとってくれるも入れたかった。でも私そこまでか弱くないし、真実味がないなって思って(笑)」と楽曲制作の話題をユーモアを込めて話した。
さらに、一昨日ナスが食べたくなり、ナスを洗っていたら棘が刺さってしまったという奥華子。その話に触れつつ「棘が取れないから、ハズキルーペを使おうと思ったんですけど…(笑)ハズキルーペが何処で売っているか調べたんだけど、その前に自力でやったら棘が取れました!みんなも気を付けてね!」とお茶目な近況も報告し、会場を笑いに包んだ。
好きという想いが溢れ出す、片恋ナンバーを続々と披露し、6曲目には恋の末路を歌った『恋の果て』が、切なさを掻き立てるように放たれた。
昨年、アルバムリリースやライブなどを行っていなかった奥華子。その理由は、昨年岡山で開催された「おかやまマラソン2018」に出場していたからだと明かし、そのままマラソンの話題へ。
「岡山のラジオDJさんに何年もマラソンに誘われていて。今まで絶対嫌だ!って思っていたんだけど、そういう風に思ってくれる事がありがたいなって。走ったら痩せるよって言われたのが走る決め手でした(笑)」と、マラソンに出場した経緯や、出来事を語った。
そして、そのマラソンで経験した想いをぶつけた『一歩前に』へ突入。彼女が懸命にマラソンへと向き合った熱きメッセージが伝わるようだった。
失恋ソングが好きなんだと思います
後半では、映画「時をかける少女」の主題歌で一躍注目を浴びた『ガーネット』を披露。映画の舞台となる夏を感じさせたブルーの光りに照らされ、彼女はもうすぐやってくる夏の青春物語を歌い届けた。
MCでは、17歳から楽曲を作り始めている話題へ。当時は孤独をテーマに歌を歌いたかったようで、今も答えは同じだという。「孤独だからこそ誰かがいてくれる事が嬉しかったり。自分一人じゃないって思えたり誰かを想えたり。それはハッピーソングよりも辛い事が言えるし、楽しかった事も言える。だから失恋ソングが好きなんだと思います」と失恋ソングにこだわる理由を述べた。
その後は、涙を流さずにはいられない『初恋』、20年前に作ったという新曲の『絶対』といった奥華子にしか描けない失恋ソングを2曲続けて、優しく歌い捧げられた。
終盤では、好きな事や欲しいものを認めることが大事だと照明してくれる「素顔」などを含む、人の心に寄り添った希望の歌が続いた。
本編ラストは、ニューアルバム「KASUMISOU」の表題曲『カスミソウ』へ。同曲に対し奥華子は、「カスミソウという花言葉は、純愛という意味。一人の人だけを想うのは簡単じゃないし、自分の中でできるかな?って思うけど、この曲を作っているときはそういう気持ちがあるんじゃないかなって思える曲です」と楽曲へ込めた想いを語った。
一途に人を愛する事の素晴らしさを歌った楽曲で、多くの観客の心に残ったはずだろう。
東京公演は、全18曲でライブは終幕。だが、奥華子の弾き語りツアーは、9月7日の奈良・秋篠音楽堂公演まで続いていく。彼女がもたらしてくれる、人を愛する事の大切さを歌った楽曲たちを、ぜひとも体感して欲しい一夜だった。

TEXT みなちょ

UtaTen

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