【MINAMI NiNE インタビュー】
人間臭いライヴ感が炸裂した
“らしさ”あふれる一枚!
MINAMI NiNEの曲というより、
聴いた人の曲になれるものが揃った
今作は曲調、歌詞ともにより赤裸々感がアップしてますね。
ヒロキ
人間臭い感じが出てると思います。あまりカッコ付けてない作品になったなって。前作はメジャーデビューということもあり、次のステージに行った感を見せなきゃと気負った部分もあったから。でも、ツアーで全国を回ると、俺たちは俺たちでしかないというか…自分たちの人間臭さ、田舎臭さ、泥臭い部分を気に入ってくれているんじゃないかと思ったんで、今作はもっとMINAMI NiNEらしさを出してもいいんじゃないかなって。
ワラビノ
うん。より自分たちらしさをストレートに出せたと思います。
そして、「ダイナミック琉球」はヒロキさんが高校野球のテレビ中継を観ていて、カバーしたいと思ったそうですが。
ヒロキ
はい。歌詞を読んだ時に自分たちが生まれ育った宮崎と似たところを感じたんです。甲子園で大勢の人が汗を流しながら応援している姿がいいなと思ったし、曲自体のエネルギーがすごかったから、そこに自分たちのエネルギーを乗せて、ライヴでやったらどうなるかなって。原曲とはスピード感も違うけど、これからのライヴで武器になりそうな曲だなと。
スケロク
最初はレゲエ調にやってみたけど、結局はパンクっぽい感じに落ち着きました。ヒロキの作るメロディーは“沖縄民謡に似ているね”とよく言われるし、たまにお客さんから“沖縄のバンドですか”と言われることもあるから、ヒロキが歌ったらはまるんじゃないかと思ってました。
ヒロキ
個人的にも沖縄のバンドが大好きなんで。MONGOL800、耳切坊主も聴いてましたからね。すごく独特な音階じゃないですか。それが自分の身体に染み付いているんでしょうね。
あぁ、なるほど。「フレグランス」はメロディーが切なくて、こうした曲調もすごくバンドのカラーに合ってますよね。
ヒロキ
今作の中ではまた違う雰囲気が出せたかなと。Aメロは3年前からあったので、今回念願の収録になりました。MINAMI NiNEは明るくてポップというイメージがあるかもしれないけど、初期の頃はこういうマイナーコードを活かした曲が多かったんですよ。この曲もライヴでやったら新鮮かなと。
ワラビノ
僕とヒロキがやっていた前身バンドの頃は、こういう暗めのものが多かったですからね。
そこはルーツとなっているフォークソングの影響が強いんですかね?
ヒロキ
かぐや姫の「神田川」とか、ああいう表現にもめちゃくちゃ影響を受けてますからね。聴いただけで頭の中にイメージが広がるから。自分たちの中に曲の世界観は具体的にあるけど、聴いた人が感じてくれたことも間違いじゃないから、“IMAGINE”というアルバム名にしたんですよ。なので、MINAMI NiNEの曲というより、聴いた人の曲になれるものが揃ったなと。
その意味では、ラストの「Imagine」は今作を締め括るのに相応しい素晴らしい曲だなと。
ヒロキ
実は「Imagine」が入っていない5曲入りで出す予定だったんですよ。でも、どうしても最後に1曲入れたいと思って、パッと3時間で作った曲がアルバム名になったんですよ。
えっ、そうなんですか!?
ヒロキ
ギリギリで作ったけど、今作を代表する曲を作れた…奇跡ですね(笑)。時間がないのにピアノやオルガンを入れたりもして、豪華だし、温かみも出てますからね。
ワラビノ
この曲がなかったら、このアルバムは締まらなかったと思うし。
今作の中でもっともイメージを掻き立てられる楽曲でした。
ヒロキ
この曲は聴いてくれた人がそれぞれ考えてくれたらいいなと。だから、ライヴのMCでも何も言わないと思います。想像してもらう曲ですね。今回の6曲もそうですけど、MINAMI NiNEの一貫したテーマとしてあるのは愛の曲なので。故郷、家族、恋人、ラーメン屋さんへの愛の曲だったり…怒りのように聴こえる曲も愛があるからこその怒りだったりするからだし。それを直接言うのはこっ恥ずかしいので、いろいろニュアンスを変えて歌っているのかなと。それはこれからも変わらない部分ですね。
取材:荒金良介