等身大の“ヒップホップドリーム”を
叶えていくchelmicoの復活祭

RachelとMamikoによるラップデュオ、chelmico。今の日本の音楽シーンにおいて、いや世界の音楽シーンにおいても二つと無い個性を発揮する彼女たちは、メジャーデビュー以降CMソングなどのタイアップ曲も発表し、日々進化しながら加速していく。そんな中、5月18日(土)に東京・WWW Xにて自主企画ライブとして開催された<chelmico 復活祭 vol.2 ~スカートに乾杯~>は満員御礼のソールドアウト。着々とステップアップをする彼女たちが躍動した一夜の模様をレポートする。

Photography_Masato Yokoyama
Interview & Text_Sota Nagashima
Edit_Alex Shu Nissen

スタートからアクセル全開、ツナギ姿の
chelmicoが登場

この日の前日、WWW にて<chelmico 女祭り ~岩崎愛さんに乾杯~>を開催し、2夜連続の自主企画ライブを敢行したchelmico。その後編である<chelmico 復活祭 vol.2 ~スカートに乾杯~>は、イベントタイトルにもある通り澤部渡のソロプロジェクト、スカートをゲストアクトに招いての開催。先陣を切ったスカートのパフォーマンスで、会場がしっかり温まったところで、満を持してchelmicoの出番。
ソロ活動など多方面で活躍するお馴染みのDJ、%C(パーシー)ことTOSHIKI HAYASHIが『Power』を流すと、chelmicoの2人が登場。ショーの幕開けだ。メジャーデビューアルバムである『POWER』の曲順と同じ流れで、1曲目は『Player』。chelmico屈指のアップテンポナンバーでスタートした。サビではchelmicoとオーディエンスが一緒にタオルを振り回し、会場のボルテージは一気にヒートアップ。Rachelの「ヒットソングやるよ!」の掛け声から、立て続けに始まったのは国民的飲料水のCMソングでお馴染みの『爽健美茶のラップ』。スケールアップした彼女たちのパワーを早くも見せつけられる。

パワフルでカラフル、観客たちを惹きつ
けるchelmicoワールド

昨晩のライブが女性限定だったことから、「男が多い!」とオーディエンスのパワフルなレスポンスに嬉しそうな2人は、休むことなく新曲『switch』を叩き込む。バーチャルYouTuberドラマ『四月一日さん家の』のオープニングテーマである同曲は、番組の企画で「踊ってみた」動画が話題に。chelmicoもラップをしながら、キュートなダンスを披露した。
ここで一息ついた2人はMCで同曲の説明をしながら、ダンスが苦手なことを告白。笑いを誘いながら、「やっぱ、何もしたくないよ」という声と共に次の曲『Honey Bunny』へ。彼女たちのレイドバックした日常を歌うこの曲で、会場をチルな雰囲気に模様替え。「%Cのことが好き過ぎて作った」といつも2人を背後から支える%Cとのチームワークの良さが伝わる『E.P.S.』では、この日しか使われないであろう、「%C!chelmico!スカート!澤部!騒げー!」という大きなコールアンドレスポンス。メロウでありながらライブでも乗りやすい良曲『Timeless』、そして『BANANA』へと繋いだ。chelmicoでは珍しい重たいベースの利いたトラップ的なビートが心地よいトラックで軽やかにラップする2人の表現の幅に改めて驚かされる。

彼女たちらしい等身大の“ヒップホップ
ドリーム”

ここで休憩し長めのMCヘ。彼女たちのMCは、お笑い芸人のライブに来た気分になるぐらい本当に上手い。それもそのはず、Mamikoは大のお笑い好きで、この日のゲストであるスカートの澤部氏ともお笑い好きという繋がりがあることを話す。そして、Mamikoが「この後、私たちオールナイトニッポンに出るんですよ。夢が叶った。どうしよ〜!」と喜びを打ち明け、彼女たちらしい等身大の“ヒップホップドリーム”に微笑ましい気持ちになる。するとお次は「しっとりした曲やります、『午後』という曲です」と、ピアノのメロディと彼女たちのラップが優しく会場を包む。その後も落ち着いた曲が続き、初期から人気のナンバー『ずるいね』。背伸びすることなく、ストレートに想いを表現する彼女たちのリリック一つ一つから、恋をした時の切ない気持ちがフラッシュバックし、胸が締め付けられる。
ライブが後半戦へ差し掛かり、『Highlight』『Countdown』と再び観客を盛り上げると、『OK, Cheers!』でハッピーな空気を加速させ、ライブは一気に終盤へとドライブしていく。そして、あっという間にラストナンバー、初期の大人気曲「ラビリンス 97’」。思えばSoundCloudでの初の音源であるこの曲でchelmicoは火が付いたのだ。彼女たちの確かな成長を、こんな最高の形で目の当たりにすることになるとは。この演出はなんとも感慨深い。こうして本編が終了した。

1年振り、ニューアルバムの発表

すぐにアンコールが鳴り響き、ステージに戻ってくるやいなや、Rachelから嬉しいアナウンスが。「8月にニューアルバムをリリースします!気になるタイトルは『Fishing』!絶賛レコーディング中ですので、期待していてください」同時に全国ツアーのスケジュールも発表され、ラストの東京はchelmico史上最大級のキャパとなるマイナビBLITZ赤坂とのこと。そんなおめでたいニュースとともに、アンコールのステージにスカート澤部が再び登場。澤部がギターで参加している名曲『Love is Over』が披露された。chelmicoのキレキレなラップと澤部の瑞々しいギターカッティングが絶妙なユニゾンを生み出し、大団円。今後のchelmicoの活動への期待と、ハッピーで爽やかな余韻を残しながら、chelmico 復活際は幕を閉じた。



<chelmico 復活祭vol.2 ~スカートに
乾杯~>
2019年5月18日(土) @渋谷・WWWX

〈セットリスト〉
Power
Player
爽健美茶のラップ
switch
Honey Bunny
ママレードボーイ
E.P.S.
Timeless
BANANA
午後
ずるいね
Highlight
Countdown
OK, Cheers!
ラビリンス’97
Love is Over


chelmico オフィシャルサイト
chelmico Twitter

等身大の“ヒップホップドリーム”を叶えていくchelmicoの復活祭はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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