【ライブレポート】亜沙、笑顔に溢れ
た初のFC限定ライブ

亜沙が6月2日、埼玉西川口Heartsにてファンクラブ限定ライブ<遊郭炎上vol.1>を開催した。
4月7日より、全国ツアー<ワンマンライブツアーfrom 1987 ~あなたの乗る電車を待っていた~>を周った亜沙が、2月1日にファンクラブサイト『遊郭』をオープンしたことを受けて企画された、初の限定ライブだ。

この日のライブは、ファンクラブ限定だけあって、普段のライブ以上にファンとの距離感を詰めていくような演出が盛り込まれたスペシャルなものとなっていた。そのスペシャル感は、メンバーの登場時からいち早く知らされることに。亜沙バンドの村田祐一(Mani)はX JAPANのToshI、優一(Dr)はゴールデンボンバーの樽美酒研二、横浜利憲(G)は映画『リング』シリーズの貞子、広末慧(G)はツインテ―ルの女の子、そして亜沙は黒いロングドレスにライダージャケットを纏った可愛らしくも勇ましい衣装で、それぞれが個性を放つキャラクターに扮してステージに登場。
メンバー全員のインパクトあるオーラに歓声が上がる中、ライブは「nameless silent」からスタートした。亜沙は淡々と前だけを見つめながらベースで弾き語り、その後は「次の曲盛り上がっていけるかー?」と。すぐさま「すみません、間違えました。…盛り上がっていける~?」と言い方を自身のキャラクターに合わせるも、再「盛り上がっていけるかー?」と言い直し、場に熱量を加える。

『遊郭』に届くファンからのお便りを会場内で読む企画を中心としたMCでは、メンバーそれぞれがキャラクターを徹底しつつ話題を展開し会場を大いに沸かせる。全力で皆を楽しませたい、という亜沙の気持ちが託されている公演だ。
そのまま「麗人オートマタ」「切望フェイクスター」へ。勢いある掛け声と手拍子をもって会場を一体にし、「little world」「運命の人」では表情を一変。情感豊かに歌い上げることで、心地よい空間を作り出していく。優一によるドラムソロ演奏を挟み、「天井ルーパー」ではステージ前方で横浜、優一、亜沙、広末の4人が繰り返しのフレーズを順番に歌う場面も。

合間のMCで「『遊郭』限定ライブね、これが初ですけれども、また、第2回、第3回とやれるように頑張っていきたいと思っております!」と亜沙が意気込みを語る。そしてバラードナンバー「To be continued」では、ベースを置きボーカルに集中。“ちっぽけな存在だ/だからこそ/嗚呼、全てを出し切って死にたい/生まれ変わるなら今この場所で”というフレーズに同化するように、万感の思いを込めた歌声が会場中に響き渡る。
ちなみにこの日はアンコールが一切なかったのも特徴。アンコールなしでも伝えたいことを伝えるというスタンスなのだろう。流れるように時間は過ぎ、テレビVアニメ『臨死‼江古田ちゃん』第8話エンディングテーマ起用となった「労働者のバラッド」も丁寧に歌い上げた後、ラストには『遊郭』会員に向けた書き下ろし楽曲「誰かのproof」を披露。会場中を最高潮に盛り上げ、ライブをフィナーレに導いた。

ファンクラブだからこそできることを特別に盛り込んだ『遊郭』初のライブは、徹底した演出で盛況を博した。ファンを笑顔にした分だけ、亜沙による感謝の気持ちもファンにしっかりと届いたはずだ。今後も亜沙はどんな風にファンを楽しませていくのか、期待が募る。

取材・文◎小町碧音
写真◎青木早霞(PROGRESS-M)

セットリスト

M1.nameless silent
M2.麗人オートマタ
M3.切望フェイクスター
M4.little world
M5.運命の人
M6.平成が終わる日
M7.黄昏昭和の駅前で
M8.天上ルーパー
M9.懐古的モダニスト
M10.To be continued
M11.労働者のバラッド
M12.誰かのproof

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