北翔海莉と沙央くらまが初出演! 『
CLUB SEVEN ZERO II』本気の稽古場レ
ポート&インタビュー

歌やダンス、芝居やスケッチなどあらゆる要素を取り入れたエンターテインメントショー『CLUB SEVEN』は、80曲近い楽曲を芝居とダンスを交えて次々と展開する“五十音ヒットメドレー”をはじめ、数々の名物コーナー・キャラクターを生み続けている。“レジェンドメンバー”が集まって好評を博した前作(2017年)から更に進化した『CLUB SEVEN ZERO II』が2019年6月15日(土)から日比谷シアタークリエで上演される。

 
今回はじめて『CLUB SEVEN』に出演する、北翔海莉と沙央くらまのインタビューと共に、稽古場の熱気をお届けする。
「絶対いいものにするぞ」という思いがあふれる稽古場
北翔海莉
ーー連休明けからお稽古が始まって、2週間ほど経ちます。始まってみていかがですか?
北翔:え、そんな経ちました?! お休みありましたっけ……。
沙央:1日だけありましたよ。休んだ気はしなかったけど(笑)。
北翔:私は以前一人のお客さんとして『CLUB SEVEN』を拝見したことがあります。その時に「舞台裏大変だろうな」と、自分が舞台をやっているからこそ、裏のことを想像したのですが、案の定、大変でした(笑)。もちろん振付やパフォーマンスをする側も大変ですが、音楽しかり、小道具一つ、衣裳をどうするか、早変わりをどうするかなど、スタッフの方々と現場で一つずつ作り上げていくことが、この『CLUB SEVEN』のすごいところ。実際に自分がこのメンバーに入れていただいて改めて感じました。
ただ玉野先生(※脚本・構成・演出・振付・出演の玉野和紀)がやりたいことをやるのではなくて、各々のキャラクターを活かしたものをみんなで作り上げていく。愛情の深さや大きさがとにかく素晴らしいなと感じています。
右を見ても左を見てもそれぞれの舞台で活躍されて、極めた方々ばかり。自分がやったことないジャンルや、スムーズにできないパフォーマンスにぶつかった時に、何でもアドバイスしてくださる方々がたくさんいます。誰かが先に行ってしまうのではなくて、みんなで手を取り合って稽古しています。本当に素晴らしい方々とのご縁をいただいたなと思います。
沙央:最初に80曲近い譜面を渡された時は、正直「意味が分からない!」と思ったのですが、稽古が始まって、これは自分との戦いであるということを感じています。そして、スタッフの方々、キャストの皆さん、もちろんみっちゃん(※北翔海莉の愛称)さんも、温かくて、前向きで、明るくて。
 
毎日稽古場に行くまではすごく不安なのですが、稽古場に着くと、そんな不安を忘れてしまう。皆さんの「絶対いいものにするぞー!」という思いやパワーが感じられるし、私もついていこうと自然と思えるんです。やるべきことがたくさんあって、何から片付けたらいいのか分からないぐらいなのですが(笑)、それも含めて楽しいです。前向きに、そして貪欲になれるような時間をいただけているなと感じています。
(左から)沙央くらま、玉野和紀
沙央:『CLUB SEVEN』は16年も続いていて、皆様に愛されている作品。(北翔以外の)キャストの皆さんに会うのも初めてだったので、どんな稽古場なのかな、「大丈夫か? こいつ」と思われるのだろうか......なんて無駄なことばかり考えていたのですが、稽古が始まって、目標が明確になって、色々と景色が見えてまいりました。楽しく過ごさせていただいております。
北翔海莉、大山真志、沙央くらま(右から)  
宝塚歌劇団時代「苦楽を共にした仲」だから 

ーー沙央さんは宝塚歌劇団を卒業後、久しぶりの歌って踊ってのショー出演ですね。

沙央:そうですね。私は専科という場所にいたので、最近あまり踊っていなかった......(笑)
北翔:え? 私、専科の時、血を吐きそうなぐらい踊っていたよ?(笑)
 
沙央:みっちゃんさんは何でもできるからですよ!!(笑)
沙央くらま
ーー名物の“五十音ヒットメドレー”のお稽古はどうですか?大変ですよね...?
北翔:人気アイドルグループがやっているパフォーマンスをそのままやるんですね。その曲を使って、アレンジした振付をやるのならまだ分かりますが、そのままやる。これまで踊ってきたジャンルと全然違うパフォーマンスなので、すごく大変なんです......。
沙央:そう。だって、みっちゃんさんですら、使ったことがない筋肉を発見したんですよ?(笑)何でもされるみっちゃんさんが「ここが痛いけど、これはもしかしたら新しい場所の筋肉かも?」と仰っていた。まぁ、私は全身筋肉痛ですが(笑)。
 
北翔:●●もやるし、〇○もやるし......(ネタバレ)。100%歌って、100%踊っては、きついよね。
沙央:本当に未知です。宝塚時代も、ラテンやジャズなどいろいろなジャンルに挑戦させていただいたけれど、それでもまだ新しい世界が広がっている。挑戦することがたくさんあります。
北翔海莉
ーー今回は男装もされますし、女役としても出演されると思います。ズバリ見どころはどんなところですか?
 
沙央:みっちゃんさんと宝塚時代もご一緒させていただいて、今度は女性として......。
 
北翔:男性なんだか女性なんだか、もうよく分からないけどね(笑)
 
沙央:(笑)。色々な役/キャラクターでご一緒させていただきますので、ファンの方にはそういう部分を楽しんでいただけたらと思います。それに、結構体を張るというか、何でもやるじゃないですか。私もそうですが、みっちゃんさんは、やるところまでやり切るタイプ。恥ずかしがって中途半端にするくらいなら、と生ききるタイプです。
 
北翔:一緒に出演するのが、こま(※沙央くらまの愛称)でよかったですよ。現役中に苦楽を共にした仲なので。
 
沙央:私もよかったです! みっちゃんさんは、だいたい私が何を考えているかすぐ分かるし……。
 
北翔:うん。稽古中「あ、こま、ここ分かっていないな」と思うと、引っ張り出す。「ちゃんとやろ?」って(笑)
 
沙央:色々と助けてくださいます……(笑)
 
北翔:見逃さないし、帰しません。「ちゃんと復習して帰ろう?」ってなります(笑)
長年のファンにも、若い人にも見てほしい舞台!
玉野和紀(中央)、沙央くらま(右)
ーー最後にどんな人に『CLUB SEVEN』を見てほしいか、コメントをお願いします!
沙央:どんな人にも見てほしいなと思います。長年ご活躍されてきた皆さんが、とにかく本気で面白いことをしている舞台です。玉野さんが仰っていましたが、『CLUB SEVEN』のメンバーはスタッフさんも含めて、とにかく仲がいい。どんな時も一つになることが大事だから、と。連携がとれたメンバーだからこそできる舞台だなと感じています。そういう団結力は舞台にも表れてくると思うし、お客様からも見えると思います。
 
私は宝塚以来のショーです。AバージョンとBバージョン(※公演回によって1幕のスケッチが一部異なる)がありますし、色々な面を楽しんでいただきたいです。暑い夏に、スカッと炭酸水を飲むような気持ちで! 私たちは汗だくですけど! お客様にはきっと楽しんでいただける内容だと思うので、ぜひ見にいらしてください!
玉野和紀(上)、北翔海莉
北翔:『CLUB SEVEN』を長年ご覧になっている方も大勢いらっしゃると思うのですが、私は次代を担う人たちにも見てほしい舞台だなと思います。玉野先生が、レビューの原点や様々な基礎を体現しつつ、時代の新しいものを取り入れたエンターテインメントショーをつくり出している姿を見てほしい。もちろんお客様に楽しんでもらうことが第一ですが、それに憧れて、若い人たちが「自分もこういうパフォーマンスをする人になりたい」と思ってもらうことが一番嬉しいことだなと思うんです。
 
昭和のヒット曲もあれば、平成から令和になった今の流行りの曲も出てきますから、年齢問わず楽しめる舞台だと思います!
玉野和紀(左)、吉野圭吾
玉野和紀、東山義久(右から)
「間違えちゃった....」とつぶやく西村直人(左から2番目)にツッコミを入れる、東山義久、玉野和紀、吉野圭吾(左から)
インタビュー後、都内で行われている稽古を4時間ほど見学させてもらった。この日は『CLUB SEVEN』の名物である“五十音ヒットメドレー”の集中稽古が行われた。80曲近い楽曲を数曲ずつに分けて、「振りと出ハケの簡単な確認→音付きで通す→ダメ出し・修正」という稽古をひたすらに繰り返す。
印象的だったのは、非常にテンポが速く、振り付けの難易度が高い曲に苦戦するメンバーたちが、誰一人投げ出さず、出来るようになるまで練習をしていたことだ。むしろ「できないこと」すらも楽しんでいるように見えた。
玉野和紀、吉野圭吾、東山義久、西村直人という“レジェンドメンバー”も、今回が2度目の出演となる大山真志も、初出演の北翔と沙央も、皆が対等で、皆が一生懸命だった。稽古開始前も休憩中も出演していない場面でも、出演者同士で振りの確認をしたり、動画を見ながらイメージトレーニングをしたりする姿も『CLUB SEVEN』ならではの風景かもしれない。
かなりの集中力と体力が求められる現場ではあるが、北翔や沙央が話してくれた通り、出演者同士で高め合う・支え合う雰囲気が確かに感じられた。
玉野が「16年、これをやってきたからね」とスタッフにつぶやく場面があった。16年という年月を重ねても、おごらず、初心を忘れず、ひたむきに稽古を重ねていた。
(左から)東山義久、玉野和紀、吉野圭吾
(左から)沙央くらま、大山真志、北翔海莉
吉野圭吾(右)
北翔海莉、沙央くらま、大山真志(右から)

ネタバレにつながるので具体的な曲目はお伝えできないが、とにかくあれもこれも盛り込んだ豪華で楽しい、エンターテイメントショーが今回も見られそうだ。ぜひ、お見逃しなく!
取材・文・撮影=五月女菜穂

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